国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
重要無形民俗文化財
主情報
名称
:
塩屋湾のウンガミ
ふりがな
:
しおやわんのうんがみ
塩屋湾のウンガミ
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年旧盆明けの初亥の日を中心とした3日間(※指定当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
※この行事は平成4年2月25日に沖縄北部のウンガミとして記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択されている。
指定証書番号
:
1
指定年月日
:
1997.12.15(平成9.12.15)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
指定基準2
:
指定基準3
:
所在都道府県、地域
:
沖縄県
所在地
:
保護団体名
:
田港区、屋古区、塩屋区、白浜区
塩屋湾のウンガミ
解説文:
詳細解説
塩屋湾のウンガミは、沖縄県北部の大宜味村の田港区・屋古区・塩屋区・白浜区で行われる行事で、1年交代でウグァンマール(御願年)とウドイマール(踊り年)を行う。
初日の夜に門中を代表する神女が神迎えをし、翌朝、田港アサギや屋古アサギ(祭祀を行う建物)でウンケージャク(御迎酌)などの各種の儀礼を行う。次に海岸で、塩屋湾を横切るファーリーの船競漕などを行い、最後にヌルが竜宮の神に豊作と豊漁を祈願する。翌日は、ウグァンマールの年はヤーサグイの儀式が行われ、ウドイマールの年はアサギマーでのウドイ(踊り)が行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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塩屋湾のウンガミ
塩屋湾のウンガミ
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塩屋湾のウンガミ
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塩屋湾のウンガミ
解説文
塩屋湾のウンガミは、沖縄県北部の大宜味村の田港区・屋古区・塩屋区・白浜区で行われる行事で、1年交代でウグァンマール(御願年)とウドイマール(踊り年)を行う。 初日の夜に門中を代表する神女が神迎えをし、翌朝、田港アサギや屋古アサギ(祭祀を行う建物)でウンケージャク(御迎酌)などの各種の儀礼を行う。次に海岸で、塩屋湾を横切るファーリーの船競漕などを行い、最後にヌルが竜宮の神に豊作と豊漁を祈願する。翌日は、ウグァンマールの年はヤーサグイの儀式が行われ、ウドイマールの年はアサギマーでのウドイ(踊り)が行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
塩屋湾のウンガミは、沖縄県北部の大宜味村の田港区・屋古区・塩屋区・白浜区のシカアザ(四か字)で行われる行事である。旧盆明けの初亥の日を中心に3日間かけて行われており、1年交代でウグァンマール(御願年)とウドイマール(踊り年)とを行う。 ウグァンマールには、行事前夜にハミンチュ(門中を代表する神女)がそれぞれの門中の元屋(本家筋の家)に集まり、ウンケー(神迎え)を行う。ヌル(祝女。塩屋湾のウンガミの祭祀を主宰する神女)が、サンナム(ヌルの世話役)とシマンホー(島方。祭祀を担当する男性)を従えて神のお迎えをし、明日のウンガミの実施を神に告げて案内する。 当日の朝、ヌルが田港のウフェー屋を拝み、田港アサギ(祭祀を行う建物)に向かう。ハミンチュたちも、各々のメービー(世話役)に付き添われて田港アサギに集まる。神女たちは、アサギの東側を流れるタンナ川に行って拝み、最後に川水をつけた手で額を3回撫でる。 次に田港アサギでウンケージャク(御迎酌)を行う。ヌルがお酒(泡盛)を盃に注いで祭りの始まりを告げる。ウンケージャクが終わると、参拝者を含めて全員に、ミキ(神酒)を配る。門中の人たちは、それぞれの門中のハミンチュを拝み、長方形のムリ餅をいただく。ヌルとハミンチュは、マタザイ(二股の銛を真似た道具)を持ったシマンホーの先導で屋古アサギに向かう。 屋古アサギではヌルはアサギを背に海に向かって南面し、ハミンチュたちも所定のタムトに座り、シマンホーたちは中央の柱の周囲に座る。ヌルはウンケージャクを行い、屋古の旧家二軒の当主と盃を交わす。屋古アサギでは、ハミンチュはアシビガミ(遊び神)・ファーリガミ(爬竜船神)・スリガミに分かれる。ワハヌル・ウフシル(アシビガミの一人)・スリガミの三人のハミンチュは山の方に向かい、手の甲を額に当てて地面に伏せる。ヌルは祈願した後にアザハバ(ボチョウジの葉)とジジキ(ススキ)を束ねたもので三人の背をたたく。 屋古アサギでの行事が終わると、ヌル・ワハヌル・ウフシル・ウフチガミ(アシビガミの一人。田港ワハヌルともいう)は駕篭【かご】に乗り、シマンホーに先導されて塩屋のシナバ(砂場。現在は青年浜【せいねんばま】と呼ぶ)に向かい、ファーリガミたちは屋古の海岸のフルガンサに向かう。 田港と白浜・屋古・塩屋の3組がそれぞれ大小2隻のファーリーを出し、これには大保・押川・江州の集落からも漕ぎ手が参加している。六隻のファーリーには、それぞれファーリガミも乗り込む。まず、ウグワンバーリーとして、フギバンファーリー3隻が出発する。ファーリーが塩屋のアガリヌハマに到着し、ファーリガミが下船すると、漕ぎ手は海に飛び込んで櫂と櫂とを互いにたたいて気勢をあげる。続いて、ウフバーリー3隻の競争が同様に行われる。 ヌルの行列が兼久浜に到着すると、ニレー・ジュウグ(竜宮の神)にウンガミ行事の無事終了を感謝するとともに、豊作と寄り物(豊漁)を祈願するナガリを行う。最後にシマンホーがイルカを捕る所作をするフィートゥ(イルカ)ヌニゲーを行う。 ヌルたちは再び行列を組んでシナバに戻り、そこでパーシを行う。パーシが終わると、シナバで沖縄相撲の奉納が行われる。 ウグァンマールには、翌日にヤーサグイを行う。ヌルやハミンチュたちが拝所を拝み、ハミンチュの元屋を回り、その家の不浄を祓い、一家の健康と繁栄を祈る行事である。 ウドイマール(踊り年)には、塩屋ではウンガミの翌日塩屋小学校前のアサギマーでウドイ(踊り)を行い、屋古と田港では、サーサーといって、ハミンチュと村人たちが集まって、アサギマーなどでミキを飲んで踊る。 この行事は、沖縄の伝統的な民俗信仰のあり方をよく伝えているとともに、沖縄県北部に分布しているウンガミの典型的な事例の1つとして重要である。 (※解説は指定当時のものをもとにしています)