国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
重要無形民俗文化財
主情報
名称
:
鹿沼今宮神社祭の屋台行事
ふりがな
:
かぬまいまみやじんじゃさいのやたいぎょうじ
鹿沼今宮神社祭の屋台行事
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年10月第2土・日曜日(※指定当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
※この行事は平成28年に「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産代表一覧表に記載されている
指定証書番号
:
1
指定年月日
:
2003.02.20(平成15.02.20)
追加年月日
:
指定基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
指定基準2
:
指定基準3
:
所在都道府県、地域
:
栃木県
所在地
:
保護団体名
:
鹿沼いまみや付け祭り保存会
鹿沼今宮神社祭の屋台行事
解説文:
詳細解説
鹿沼今宮神社祭の屋台行事は、今宮神社の10月の例祭に合わせ、氏子各町から豪華な彫刻を施した囃子屋台が曳き出される行事である。屋台をもつ27か町から、毎年20基ほどが奉納される。氏子町は、4組に分けられ、回り番で当番組をつとめ、この当番組から祭りの運営を取り仕切る一番町が出る。
例祭初日には、屋台が各町内をまわった後、一番町を先頭に予め定められた順番で神社に入る繰り込みがあり、境内で囃子を奉納した後、屋台の提灯が灯され神社から各町内に戻る繰り出しが行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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鹿沼今宮神社祭の屋台行事
鹿沼今宮神社祭の屋台行事
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鹿沼今宮神社祭の屋台行事
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鹿沼今宮神社祭の屋台行事
解説文
鹿沼今宮神社祭の屋台行事は、今宮神社の10月の例祭に合わせ、氏子各町から豪華な彫刻を施した囃子屋台が曳き出される行事である。屋台をもつ27か町から、毎年20基ほどが奉納される。氏子町は、4組に分けられ、回り番で当番組をつとめ、この当番組から祭りの運営を取り仕切る一番町が出る。 例祭初日には、屋台が各町内をまわった後、一番町を先頭に予め定められた順番で神社に入る繰り込みがあり、境内で囃子を奉納した後、屋台の提灯が灯され神社から各町内に戻る繰り出しが行われる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
鹿沼今宮神社祭の屋台行事は、栃木県鹿沼市に鎮座する今宮神社の例祭に合わせて、毎年20基ほどの屋台が曳き出される行事である。 鹿沼市は、栃木県中西部にあり、東は宇都宮市、北は今市市、日光市と接し、江戸時代以来日光例幣使街道の宿場町として栄えるとともに、周辺で栽培される麻の集散地として、また木工建具生産を中心とする町として栄えてきた。 今宮神社は鹿沼市の中心部に祀られ、鹿沼市内中心部34か町の氏神となっている。今宮神社の例祭は、10月第二土・日曜日に行われ、氏子34か町のうち屋台を持つ27か町から毎年20台ほどの屋台が奉納される。 屋台は、周囲を豪華な彫刻で飾った四輪一層形式の囃子屋台で、江戸時代後期に日光の宮大工の影響のもとに造られたと伝えられ、文化11年(1814)に造られた記録をもつものもある。また、江戸時代後期に造られた屋台の中には、日光五重塔彫物方棟梁の後藤正秀や神山政五郎、後藤音吉などの彫刻師の名前が残っている。 34か町の氏子町は、上組、下組、田町上組、田町下組の4つの組に分けられ、まわり番で祭りの当番組をつとめる。この当番組からその年の祭りの運営を取り仕切る一番町が出るが、一番町は組内の各町が順番につとめることになっている。この他、4つの組にはそれぞれに固定した親町と呼ばれる町があり、各組内のまとめ役をつとめている。親町は、上組では久保町、下組では仲町、田町上組では上田町、田町下組では中田町である。 行事は、7月20日に今宮神社で行われる縁故祭から始まる。縁故祭は一番町の引き継ぎを行う儀礼で、今宮神社宮司、氏子総代会会長、副会長、会計、新旧の一番町の祭典委員、各町の氏子総代が出席して行われる。 次いで、9月最初の土曜日にブッツケが行われる。ブッツケは例祭での屋台行事の予行演習的な意味あいを持つ行事である。各町がリヤカーなどを利用して簡単に造った仮屋台でお囃子とともに神社に繰り込み、例祭に屋台を出す意志を示す。これが済むと、例祭の屋台行事への参加町内が確定するので、一番町は屋台繰り込み全町会議などを開催し、細部の打ち合わせと確認を行って例祭に備える。 10月の例祭では、初日早朝、正装した各町の祭典委員長や氏子総代、若衆が今宮神社に参拝する朝宮参りが行われる。朝宮参りは一番町が最初に行い、以下、その年屋台を出す町内が順次行う。木遣り唄を歌いながら会所を出発し神社に参拝すると、拝殿と本殿の外側を右回りに一周して自町の会所に戻る。各町の朝宮参りは、朝食前の7時前後にほぼ終了する。 この後、午前中に今宮神社では氏子各町の氏子総代や祭典委員が参加して例祭祭典が行われる。例祭祭典が行われている頃、氏子各町では屋台を曳いて自分の町内を回る町内曳き回しを行い、午後の神社への屋台繰り込みに備える。 各町の屋台は、自町内から今宮神社に繰り込むまでの間、他の町内を通過する際には予め外交係がその町内の会所を訪ねて到着時間を伝える外交挨拶を行う。挨拶を受けた町内は到着する時間になると、町境まで迎えに出て外交挨拶を行い、自町を通過するまでの間、屋台を先導する。この外交挨拶を欠くと、屋台が他町内を通過することはできないとされ、屋台行事の中でも最も気をつかう儀礼であるとされている。 屋台繰り込みは、一番町を先頭に、当番組の各町から決められた順番に従って行われる。一番町と各組の親町の屋台だけは、今宮町の先導を受けて麻苧町境から神社の鳥居まで進む。神社境内に入った屋台は、本殿に正面してお囃子を奉納してお祓いを受けた後、境内の所定の場所に屋台をとめ、すべての屋台の繰り込みが終了するのを待つ。 各町の屋台は、お囃子を演奏しながら巡行する。屋台囃子は、エドバカ、ショウデン、カンダマル、カマクラ、シチョウメの五段囃子で、旧鹿沼宿周辺部の集落の人々が受け持ってきた。 すべての屋台の繰り込みが終了すると、神社拝殿では各町氏子総代、祭典委員長、若衆頭等が参列して報告祭が行われる。夕方には屋台の提灯に灯が入って再びお囃子の演奏が始まり、すっかり暗くなった頃に繰り出しが始まる。 繰り出しも一番町を先頭に行われる。一番町の屋台が鳥居の外に出ると、すべての屋台がお囃子の演奏をやめて手打ち式が始まる。各町の祭典委員長、若衆頭、屋台の運行を指図する木頭が集合すると、一番町の祭典委員長が挨拶し、続いて一番町の木頭が音頭をとり柝を打って手打ちを行う。この手打ち式が終わると、各町は繰り込みと同じ順番で神社から繰り出して自町に帰っていく。 この行事は、風流の屋台行事の典型例の一つとして重要なものである。(※解説は指定当時のものをもとにしています)