国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
白沢の養蚕関係用具
ふりがな
:
しらさわのようさんかんけいようぐ
白沢の養蚕関係用具
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員数
:
331点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00009
登録年月日
:
2008.03.13(平成20.03.13)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
福島県
所在地
:
本宮市白岩字堤崎494-44
保管施設の名称
:
本宮市白沢ふれあい文化ホール
所有者名
:
本宮市
管理団体・管理責任者名
:
白沢の養蚕関係用具
解説文:
詳細解説
この資料は、福島県において最多の繭生産量を示す地域で用いられてきた用具類を収集したものである。卵から孵化させる際に用いた催青枠や毛蚕と呼ばれる孵化したばかりの蚕を蚕種紙から飼育箱へ移す際に使用した羽根箒、ワラダなどの飼育用具や、マブシなどの蚕に繭を造らせる上簇用具、糸とり機、糸折り返し機などの製糸用具、そして蚕安全と多収を祈願した寺社の御札などが収集されている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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白沢の養蚕関係用具
白沢の養蚕関係用具
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白沢の養蚕関係用具
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白沢の養蚕関係用具
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解説文
この資料は、福島県において最多の繭生産量を示す地域で用いられてきた用具類を収集したものである。卵から孵化させる際に用いた催青枠や毛蚕と呼ばれる孵化したばかりの蚕を蚕種紙から飼育箱へ移す際に使用した羽根箒、ワラダなどの飼育用具や、マブシなどの蚕に繭を造らせる上簇用具、糸とり機、糸折り返し機などの製糸用具、そして蚕安全と多収を祈願した寺社の御札などが収集されている。
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詳細解説
この資料は、福島県中北部に位置する本宮市白沢地域の養蚕農家で使用された養蚕に関わる用具を収集したものである。幕末期から近代まで使用されてきたもので、当該地域の養蚕農家の生業と信仰をよく示す資料となっている。 白沢における養蚕は、江戸時代以来領主である丹羽氏の奨励もあり盛んに行われ、近代以降も福島県内における中心地の一つであった。明治中期には当該地域の農家のほとんどが養蚕を営んでいたといわれ有力な現金収入源となっていた。 この地域の繭の生産量がピークに達したのは昭和13年で、その後第二次世界大戦をはさんで生産量が減少したものの昭和30年には養蚕戸数1,106戸、繭生産量147,850㎏を記録している。しかし、高度経済成長期以降、衰退の一途をたどり、平成18年には養蚕戸数13戸、繭生産量5,633㎏に減少している。白沢を含む安達郡内全体の養蚕戸数も同年には42戸となっているが、それでも全国第2位、福島県内で第1位の繭生産量を記録している。 本資料には養蚕農家が使用した用具が収集されているほか、明治末期には当該地域でも盛んに行われた蚕種製造に係る用具も含まれている。 養蚕用具では桑摘みざるや桑切り板、桑切り包丁、桑扱き器そして蚕種から毛蚕にするときに用いる催青器や毛蚕を飼育箱に移す時に使う羽根箒、飼育缶、さらに三齢以降に用いたワラダ、カゴワラダ、蚕棚などがある。また、蚕をマブシに移すのに使用したコヒカシボン、繭を作らせるテマブシや改良マブシ、改良マブシから繭をとるのに用いた脱繭機などもある。 製糸用具には、糸をとるのに用いた糸取り機や糸枠などがある。 蚕種製造用具では、繭の雌雄を鑑別する雌雄鑑別器、蚕種を郵送する蚕種郵送筒などがあり、さらに幼虫が蚕の体内に寄生して組織を食害するキョウソバエをとるキョウソバエ誘殺器などもある。そのほか蚕の安全と繭の多収を祈願して寺社から受けてきた木札などの信仰関係の資料も含む。 江戸時代半ば以降盛んに養蚕を行ってきた地域の、養蚕農家の生業の実態と養蚕の安全と繭の多収を願った信仰をよく示す注目すべき資料となっている。