国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
佐治の板笠製作用具及び製品
ふりがな
:
さじのいたがさせいさくようぐおよびせいひん
佐治の板笠製作用具及び製品
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員数
:
107点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:製作用具94点 製品類13点
登録番号
:
00014
登録年月日
:
2010.03.11(平成22.03.11)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
鳥取県
所在地
:
鳥取市佐治町福園24
保管施設の名称
:
鳥取市佐治歴史民俗資料館
所有者名
:
鳥取市
管理団体・管理責任者名
:
佐治の板笠製作用具及び製品
解説文:
詳細解説
この資料は、鳥取市佐治で江戸時代以来伝承されてきた板笠の製作に用いられる用具とその製品類をとりまとめたものである。佐治の板笠は、幅の狭い薄く剥いだ板で編んだ笠で、昭和30年頃まで当該地域で盛んに作られ、最盛期には販路も県境を越え岡山県にまで及んだ。この資料は、製品や半製品のほか、製作用具として割り包丁や矢などの小割り用具、笠包丁などのヘギ用具、笠盤やモノサシなどの編み込み用具、トオシギなどの紐付け用具などからなる。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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佐治の板笠製作用具及び製品
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佐治の板笠製作用具及び製品
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解説文
この資料は、鳥取市佐治で江戸時代以来伝承されてきた板笠の製作に用いられる用具とその製品類をとりまとめたものである。佐治の板笠は、幅の狭い薄く剥いだ板で編んだ笠で、昭和30年頃まで当該地域で盛んに作られ、最盛期には販路も県境を越え岡山県にまで及んだ。この資料は、製品や半製品のほか、製作用具として割り包丁や矢などの小割り用具、笠包丁などのヘギ用具、笠盤やモノサシなどの編み込み用具、トオシギなどの紐付け用具などからなる。
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詳細解説
この資料は、鳥取市佐治で作られる板笠製作に用いられる用具とその製品である。佐治の板笠は、17世紀後半の地誌にも記述が見られることから、そのころには製作が行われていたものと考えられている。この地域では「弁当を忘れても笠忘れるな」といわれており、板笠は、山仕事や畑に行く際の必需品として重宝されてきた。 板笠製作は、地域の多くの家で江戸時代以来行われてきており、昭和30年頃まで地域の重要な産業の一つとして、最盛期には多い家で年間1,000枚の笠を編むこともあった。その販路も鳥取県内の因幡地方はもとより、伯耆地方や辰巳峠を越えた岡山県にも及んでいた。しかしながら現在では、原材料の採取から編み込みまで一貫して行うことのできる板笠師と呼ばれる技術者はわずかとなっている。原料となる木は、ウリノキやトウカエデと呼ばれている木で、これを割り木目に沿って厚さ0.2㎜、幅5㎜ほどに薄く剥いだものである。これを骨をつけずに編み込んで笠を作っていく。骨のない笠でありながら丈夫なことと、板笠の頂点部分から三方に雷除けとして桜の皮が編み込まれているなどの特徴をもつ。 この資料は、板笠製作に用いられた用具と製品類を網羅的に収集したもので、製作用具94点、製品類13点からなる。 板笠製作にはさほど多くの用具は使用しないが、原木の採取に用いた鋸やその運搬に用いた背あてなどの用具、原木を割り加工するのに用いる鉈や割り包丁などの小割り用具、小割りした材を笠木と呼ぶ薄板状に剥ぐ笠包丁などのヘギ用具、笠を編むときに使う笠盤や寸木などの編み込み用具、笠を頭に固定する紐をとりつける作業に用いるトオシギなどの紐つけ用具がある。 製品類は、できあがった板笠のほか、工程ごとの半製品も収集されている。 地域的特色が豊かであるのに加え、板笠製作の伝承が危うくなっている現在、その実態を知ることのできる貴重な収集でもある。