国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
玄界灘の漁撈用具及び船大工用具
ふりがな
:
げんかいなだのぎょろうようぐおよびふなだいくようぐ
玄界灘の漁撈用具及び船大工用具
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員数
:
1,309点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:漁撈用具969点 船大工用具340点
登録番号
:
00016
登録年月日
:
2010.03.21(平成22.03.21)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
福岡県
所在地
:
宗像市大字鐘崎776-4
保管施設の名称
:
宗像市民俗資料館
所有者名
:
宗像市
管理団体・管理責任者名
:
玄界灘の漁撈用具及び船大工用具
解説文:
詳細解説
この資料は、玄界灘に面した九州地方北部の旧玄海町の鐘崎、神湊、地島などで、使用されてきた漁撈用具と、その漁撈で活躍した木造船を製作する用具のまとまりである。豊富な魚種を対象とした多様な漁法がみられ、海女漁をはじめ、イカ釣り漁、イカ籠漁、タイ延縄漁、イタヤ貝漁、サワラ釣漁、フグ延縄漁などの用具が体系的にまとめられている。船大工用具は、これらの漁撈で用いられた木造船であるテントやマタラズと呼ばれる五枚仕立ての木造船を製作する用具類である。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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玄界灘の漁撈用具及び船大工用具
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玄界灘の漁撈用具及び船大工用具
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解説文
この資料は、玄界灘に面した九州地方北部の旧玄海町の鐘崎、神湊、地島などで、使用されてきた漁撈用具と、その漁撈で活躍した木造船を製作する用具のまとまりである。豊富な魚種を対象とした多様な漁法がみられ、海女漁をはじめ、イカ釣り漁、イカ籠漁、タイ延縄漁、イタヤ貝漁、サワラ釣漁、フグ延縄漁などの用具が体系的にまとめられている。船大工用具は、これらの漁撈で用いられた木造船であるテントやマタラズと呼ばれる五枚仕立ての木造船を製作する用具類である。
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詳細解説
この資料は、玄界灘に面した九州地方北部の旧玄海町の鐘崎、神湊、地島などで、明治期から昭和50年代にかけて使用された漁撈用具と、その漁撈活動で用いた木造船を製作する用具の収集である。現在は旧玄海町時代に建設された宗像市民俗資料館に一括して保管されている。 この地域は、西に博多、東に小倉という大きな消費地を控えて漁撈活動が早くから生業の中心となっており、豊富な魚種を対象とした多様な漁法がみられた。江戸期より明治期まで盛んだったタイ延縄漁、明治期より現在まで行われているイカ籠漁やイカ釣り漁、明治期より昭和初期にかけて特に盛んだったイタヤ貝漁やサワラ釣漁、戦後盛んになったサンマやイワシの刺網漁、シイラ漬漁、フグ延縄漁などは代表的なものである。 漁撈用具は、磯物採取用具、突漁用具、陥穽漁用具、釣漁用具、網漁用具、漁具製作修理用具、水揚・加工・販売用具、船及び船関係用具、信仰儀礼用具、仕事着などからなり、多様な漁法に関する用具がほぼ網羅されており、この地域の漁撈活動の具体的様相をよく示しているとともに、その明治以降の変遷も示すものともなっている。 また、磯物採取用具のなかの海女漁用具は、鐘崎で古くから行われてきた海女漁に関する用具である。鐘崎の海女は、長崎県対馬や山口県長門市、石川県能登半島沖の舳倉島などに移住して技術や用具を伝えたといわれ、日本海側の海女漁の展開を考える上でも注目される。 信仰儀礼用具のなかの船霊は、くさびを合わせたような独特の形状をした木片で、九州北部の一部地域だけにみられるものである。 船大工用具は、これらの漁撈活動で用いられたテントやマタラズと呼ばれる五枚仕立ての木造船を製作する用具の収集で、船図、墨掛用具、加工用具、接合用具、防水加工用具、固定用具などからなる。鐘崎と神湊の船大工から一括して寄贈されたものを中心としている。 明治以降、時代ごとに主流となる漁法を変えつつ、それらを巧みに組み合わせて営まれてきたこの地域の漁撈の実態とその変遷の様相をよく示している。また、他地域から伝えられた、あるいは他地域に伝わっていったといわれる用具や漁法もみられ、この地域の漁民の広域にわたる活動の様相を考えるうえでも注目されるものである。