国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
越後の貸鍬用具
ふりがな
:
えちごのかしぐわようぐ
越後の貸鍬用具
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
266点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00017
登録年月日
:
2011.03.09(平成23.03.09)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
柏崎市緑町8-35
保管施設の名称
:
柏崎市立博物館
所有者名
:
柏崎市
管理団体・管理責任者名
:
越後の貸鍬用具
解説文:
詳細解説
この資料は、新潟県の、特に上越・中越地域で昭和30年代まで盛んに行われていた貸鍬と呼ばれる習俗に関する用具類をとりまとめたものである。貸鍬とは、鍛冶屋が春から秋の農繁期に農家に鍬を貸し出し、冬の農閑期に農家から貸付料を米で徴収して必要があれば鍬を修理し、翌春に再び鍬を貸し出す習俗で、貸借される鍬も貸鍬と呼んだ。この収集は、貸借される鍬、鍬を修理・製作する用具、米を徴収する用具、鍛冶屋が農家とのやり取りを記した帳面類からなる。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
越後の貸鍬用具
越後の貸鍬用具
越後の貸鍬用具
写真一覧
越後の貸鍬用具
写真一覧
越後の貸鍬用具
写真一覧
越後の貸鍬用具
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
この資料は、新潟県の、特に上越・中越地域で昭和30年代まで盛んに行われていた貸鍬と呼ばれる習俗に関する用具類をとりまとめたものである。貸鍬とは、鍛冶屋が春から秋の農繁期に農家に鍬を貸し出し、冬の農閑期に農家から貸付料を米で徴収して必要があれば鍬を修理し、翌春に再び鍬を貸し出す習俗で、貸借される鍬も貸鍬と呼んだ。この収集は、貸借される鍬、鍬を修理・製作する用具、米を徴収する用具、鍛冶屋が農家とのやり取りを記した帳面類からなる。
詳細解説▶
詳細解説
越後の貸鍬用具は、新潟県の、特に上越・中越地域で昭和30年代まで盛んに行われていた貸鍬と呼ばれる習俗に関する用具類をとりまとめたものである。貸鍬とは、鍛冶屋が春から秋の農繁期に農家に鍬を貸し出し、冬の農閑期に農家から貸付料を米で徴収するとともに必要があれば鍬を修理し、翌春に再び鍬を貸し出す習俗のことで、ここで貸借される鍬も貸鍬と呼んだ。 この収集は、貸借される鍬、鍬を修理したり新しい鍬を製作する用具、米を徴収する集米用具、鍛冶屋が農家とのやり取りを記した貸鍬帳などと呼ばれる帳面類からなる。 貸借される鍬には、戦前まで盛んに使用されてきた風呂鍬をはじめ、昭和に入って登場する平鍬、田打ち等に使用する三本鍬、戦後登場した四本鍬、開墾などに使用する唐鍬などがあり、土質や地形等により鍬の種類や刃の形状、刃と柄の角度などに違いがあり、鍛冶屋が貸出先の環境を考慮して鍬を製作、修理していた様相を知ることができる。 これらの鍬には、使用開始時期を明確にしたり、他の鍛冶屋のものとの混同を避けたりするため、通常入れられることのない製作年代や鍛冶屋の銘が刃の根本に入れられていることも多い。 また、通常の鍬では廃棄するような破損でも大(おお)掛(がけ)と称する大がかりな修理を施すことがあり、そうした修理の跡がみられるのも特徴の一つである。 集米用具は、米を量る枡類や米を入れる米袋などである。鍛冶屋は、通常、鍬1丁を米2~3升ほどで貸し出したが、これは農家にとっても、鍬を購入する3分の1程度の負担で済むうえ、米という収穫物で後払い精算ができ、借受中の修理も何度でも無料であるなどの利点があった。 貸鍬帳は、鍛冶屋が営業上の必要から貸出先の農家とのやり取りを書き留めたもので、貸出先や修理回数などが記載されている。 この資料は、貸鍬と呼ばれる習俗が顕著に発達したとされる新潟県の上越・中越地域における貸鍬に関する用具をとりまとめたものである。貸鍬の実態、この地域の鍬の形態の変遷などがわかるだけでなく、農耕用具が地域社会の中でどのように利用されたかの一端をよく示しており、我が国の農耕用具の利用、普及の実態を考えるうえで注目されるものである。また、現在貸鍬は行われておらず、鍛冶屋は廃業すると鍬を農家に譲渡して帳面類を燃やすため、こうした用具がまとまって収集されることは極めて稀であり、その点でも貴重なものである。