国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
津軽の林業用具
ふりがな
:
つがるのりんぎょうようぐ
津軽の林業用具
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員数
:
353点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00022
登録年月日
:
2012.03.08(平成24.03.08)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
青森県
所在地
:
北津軽郡中泊町中里字紅葉坂210
北津軽郡中泊町高根字小金石567
保管施設の名称
:
中泊町博物館
旧青森県立中里高等学校
所有者名
:
中泊町
管理団体・管理責任者名
:
津軽の林業用具
解説文:
詳細解説
本件は、下北半島とともに我が国のヒバの自生地帯として知られる津軽半島を中心とした地域で使用されてきた林業の用具をとりまとめたものである。苗作・植林、育林・伐採、運材、造材の各工程の用具のほか、ヤマゴと称する林業従事者の仕事着や携行用具、運材で活躍した馬の飼育用具、諸道具を手入れする管理用具なども収集されている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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津軽の林業用具
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津軽の林業用具
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津軽の林業用具
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解説文
本件は、下北半島とともに我が国のヒバの自生地帯として知られる津軽半島を中心とした地域で使用されてきた林業の用具をとりまとめたものである。苗作・植林、育林・伐採、運材、造材の各工程の用具のほか、ヤマゴと称する林業従事者の仕事着や携行用具、運材で活躍した馬の飼育用具、諸道具を手入れする管理用具なども収集されている。
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詳細解説
津軽の林業用具は、明治時代以降、津軽半島を中心とした地域で盛んに行われてきた林業に関する用具をとりまとめたものである。この地域は、下北半島とともに我が国のヒバの自生地帯であり、江戸時代には津軽藩がこのヒバ林を藩有林として積極的に保護した。特に伐採のみならず入山までも禁止した留山の制度は、優良なヒバの育成につながり、この地域の林業発展の礎を築いた。明治時代に藩有林が国有林となると、これらのヒバや杉などが建築用材や枕木用材などとして盛んに伐採されるようになり、特に明治42年、我が国最初の森林鉄道である津軽森林鉄道が開通すると、冬期に行われていた伐木や運材が年間を通じて行われるようになり、最盛期にはこの地域のほとんどの人が林業に何らかの形で携わっていた。 本件は、苗木を植える植林から、立木を管理・育成する育林、立木を伐採する伐木、材木を運搬する運材や集材、材木を加工する造材や製材までの各工程の用具のみならず、ヤマゴと称する林業従事者の仕事着や携行用具、運材で利用する馬の飼育用具、諸道具を手入れする用具までも網羅的に収集している。 これらの用具類をみると、例えば伐木用の鋸では、戦前のバラメノゴ、目詰まりが少なく伐採しやすいとし戦後急速に普及したマドノゴ、昭和30年代初めに普及したチェーンソーと明治時代以降の変遷をよく示す。 また、運材用具でも、冬期に急斜面を人力で運ぶバチゾリ、平坦地を馬の力で運ぶヨヂゾリといった気候や地形に応じた用途や形状の違いをうかがうことができるほか、運材用台車などの津軽森林鉄道関係の用具もあって明治時代以降の林業の様相もよく示している。 また、ヤマゴの冬期の履物であるカンジキは、この地域に自生するイタヤカエデが利用されており、仕事着であるイヌガワやコシアテは温かく防水性も高い犬の毛皮が利用されるなど独特のものであった。 我が国の林業は、明治時代以降、大資本の介入もあって爆発的な展開をみせた。津軽半島の林業もまた、江戸時代に保護された山林を基礎とし、津軽森林鉄道の開通の後押しも受けて明治時代以降、飛躍的に発展し、この地域の生活を支えてきた。本件は、こうした明治時代以降のこの地域の林業の地域的特色や変遷をうかがうことができる収集であり、我が国における近代以降の林業の実態を理解する上で注目されるものである。