国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
南牧村の山村生産用具
ふりがな
:
なんもくむらのさんそんせいさんようぐ
南牧村の山村生産用具
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員数
:
1031点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00023
登録年月日
:
2012.03.08(平成24.03.08)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
群馬県
所在地
:
甘楽郡南牧村大字羽沢93
保管施設の名称
:
南牧村生涯学習センター
所有者名
:
南牧村
管理団体・管理責任者名
:
南牧村の山村生産用具
解説文:
詳細解説
本件は、群馬県の西南端、長野県との境に位置する南牧村で収集された生産・生業に関わる用具である。伝統的な山村の生活に使用されてきたもので、麦や粟などの畑作に用いられた農耕用具をはじめ、山仕事、紙漉、養蚕、こんにゃくや砥石の生産、板割や桶製作など、各種の生業に使われた用具から構成される。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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南牧村の山村生産用具
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南牧村の山村生産用具
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南牧村の山村生産用具
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解説文
本件は、群馬県の西南端、長野県との境に位置する南牧村で収集された生産・生業に関わる用具である。伝統的な山村の生活に使用されてきたもので、麦や粟などの畑作に用いられた農耕用具をはじめ、山仕事、紙漉、養蚕、こんにゃくや砥石の生産、板割や桶製作など、各種の生業に使われた用具から構成される。
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詳細解説
南牧村の山村生産用具は、群馬県甘楽郡南牧村で収集された生産・生業に関わる用具である。南牧村は、群馬県の西南端、長野県との境に位置し、村域の大部分は急峻な山々である。山間地域の多い群馬県のなかでも山深いところにあり、全国的にも高齢化率の高い過疎の村として知られている。集落は、南牧川とその支流に沿って点在し、畑作を中心とする農業を基本としながら、山仕事、紙漉、養蚕、こんにゃくや砥石の生産などが生業として営まれてきた。 本件は、このような南牧村の磐戸、月形、尾沢の各地区で、昭和40年代まで使用されてきた用具を中心とする収集で、麦や粟、稗、大根、小豆などの畑作に用いられた農耕用具をはじめ、薪炭の生産や製材などの山仕事、紙漉、養蚕、こんにゃく、砥石のほか、板割や桶製作などの諸職に関する用具から構成される。 なかでも、こんにゃくに関しては、群馬県内で最初にこんにゃく栽培が始められたのが南牧村であり、明治中期以降、商品作物として増産が図られ、村の主産業として盛んににその栽培と生産が行われてきた。本収集には、種玉の植え付けから収穫までに使われた各種の用具や、収穫後、荒粉作りに用いたこんにゃく玉を薄く切るセン、天日干しに用いたクシやレンボウ、乾燥後に荒粉をクシから外すアラココキといった加工用具のほか、種玉の貯蔵用具、計量具などの出荷用具まで一連の用具が揃っている。 また、南牧村の砥沢には良質な砥石鉱脈があり、近世には幕府の経営により砥石の生産が盛んに行われ、南牧産の砥石は「御用砥」として全国的に知られた。近代以後も、昭和50年代後半まで採掘が続けられていた。ノミやチョウナ、リュウズなど砥石の採掘や整形に使われた用具のほか、「虎砥」や「青砥」など各種の砥石も収集されている。また、群馬県西部の山間地域において、農閑期である冬季の主要な生業に紙漉があった。こんにゃくや養蚕に取って替わられる明治初期までは、南牧村でも和紙の生産が盛んに行われており、コウゾを蒸す鉄製のフカシガマをはじめ、紙漉の用具一式が収集されているなど、当地の生業の変遷もわかる資料群となっている。 山村の伝統的な生産活動を伝える資料群であり、畑作や山仕事をはじめ、多様な生業を複合的に組み合わせることで生計を維持してきた山村生活の実態をよく示しているうえ、こんにゃくや砥石の生産など、この地域に特徴的な生産活動に使われてきた用具が充実している点も注目される。我が国における山村の暮らしぶりや生産活動の地域差を考えるうえで貴重な資料群である。