国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
豊北の漁撈用具
ふりがな
:
ほうほくのぎょろうようぐ
豊北の漁撈用具
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
3867点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
00025
登録年月日
:
2012.03.08(平成24.03.08)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
山口県
所在地
:
下関市豊北町大字神田上2775
保管施設の名称
:
人類学ミュージアム資料収蔵室
所有者名
:
下関市
管理団体・管理責任者名
:
豊北の漁撈用具
解説文:
詳細解説
本件は、下関市豊北で伝統的に行われてきた漁業に用いられた用具類で、明治期から昭和30年頃まで使用されてきたものである。建網などを用いた網漁、延縄などによる釣漁、ウニ、ワカメなどをとる漁などがあり、これらの漁撈で使用された漁撈用具が網羅的に収集・整理されている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
豊北の漁撈用具
豊北の漁撈用具
写真一覧
豊北の漁撈用具
写真一覧
豊北の漁撈用具
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
本件は、下関市豊北で伝統的に行われてきた漁業に用いられた用具類で、明治期から昭和30年頃まで使用されてきたものである。建網などを用いた網漁、延縄などによる釣漁、ウニ、ワカメなどをとる漁などがあり、これらの漁撈で使用された漁撈用具が網羅的に収集・整理されている。
詳細解説▶
詳細解説
豊北の漁撈用具は、山口県下関市と合併した旧豊北町が昭和54年に豊北歴史民俗資料館を開館して以来、旧豊北町内各所から収集を進めてきた資料である。 豊北地区は本州西端に位置し響灘に面している。当該地域で行われてきた漁業は大敷網、建網、手繰網などの網漁、一本釣、延縄などの釣漁、ウニ、ワカメなどを磯近くで採る採貝藻漁に分類される。本件はこれらの漁に用いられた漁具を収集したもので、昭和30年代まで使用されたものを中心とした当該地域における漁撈の様相を示すまとまりである。 当該地域は、明治から大正期には朝鮮半島近海や対馬、台湾への出漁を行うとともに、鯛網漁、大敷網漁、手繰網漁などやシイラ漬網漁などを行っていた。大正から昭和期になると鰯流網漁が漁の中心になった。この漁の最盛期であった大正から昭和前半には漁業者だけでなく農民もこの漁に従事したといわれている。現在では棒受網漁を中心に、玄界灘への出漁を行うとともにウニ、サザエ、ワカメなどをとる採貝藻漁が行われている。 本件は、古くから当該地域の基本的な漁となってきた採貝藻漁具のほか突漁、釣漁、網漁、陥穽漁などに用いられた用具と水産加工用具、仕事着などからなる。 磯近くで行われる採貝藻漁具には、船の上から行う底見漁や磯を歩いて行うカチガリに用いられる用具がある。古くからこの地域の漁の中心の一つであるワカメ漁に用いられるメノハガマ、ネジリガマ、ハコメガネなど、さらに、もう一つの中心であるウニ漁に用いられるガゼヒキ、タモ、タテオケ、ハコメガネ、バラ、ウニキリ、ウニオロシなどの用具もある。また、釣漁に用いられた用具としては延縄漁、一本釣漁などに関連した用具類であるコシキ、ナワバチ、ウキダルなどがあり、網漁関係のものには、刺網、ウキダル、アバなどの用具がある。 これら資料は、福岡、長崎など九州西海地域をはじめ、瀬戸内海地域、日本海の石川付近などからの漁民の出漁を受け入れながら漁業技術を発展させてきたこの地域の漁業のあり方を示すもので、当該地域における漁業の様相と変遷を知ることのできる貴重な収集である。