国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
常陸大宮及び周辺地域の和紙生産用具と製品
ふりがな
:
ひたちおおみやおよびしゅうへんちいきのわしせいさんようぐとせいひん
常陸大宮及び周辺地域の和紙生産用具と製品
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員数
:
253点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:生産用具230点、製品23点
登録番号
:
00026
登録年月日
:
2013.03.12(平成25.03.12)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
茨城県
所在地
:
常陸大宮市山方969-2
常陸大宮市鷲子2072-1
常陸大宮市伊勢畑
保管施設の名称
:
常陸大宮市歴史民俗資料館旧山方館
鷲子高齢者コミュニティセンター
旧伊勢畑小学校
所有者名
:
常陸大宮市
管理団体・管理責任者名
:
常陸大宮及び周辺地域の和紙生産用具と製品
解説文:
詳細解説
本件は、常陸大宮市とその周辺で行われてきた楮の栽培、和紙の生産に関する用具とその製品をとりまとめたものである。この地域では、旧山方町を中心に、江戸時代以前から「西ノ内紙」と呼ばれる和紙の生産が行われ、また原料である「那須楮」と呼ばれる楮の産地としても知られてきた。フネ、マンガ、ケタなどの紙漉に使われた用具や、楮の栽培に用いられたヒョヒトリダイ、コボウチョウ、ブインヒタシオケなどの用具をとりまとめている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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常陸大宮及び周辺地域の和紙生産用具と製品
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解説文
本件は、常陸大宮市とその周辺で行われてきた楮の栽培、和紙の生産に関する用具とその製品をとりまとめたものである。この地域では、旧山方町を中心に、江戸時代以前から「西ノ内紙」と呼ばれる和紙の生産が行われ、また原料である「那須楮」と呼ばれる楮の産地としても知られてきた。フネ、マンガ、ケタなどの紙漉に使われた用具や、楮の栽培に用いられたヒョヒトリダイ、コボウチョウ、ブインヒタシオケなどの用具をとりまとめている。
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詳細解説
常陸大宮及び周辺地域の和紙生産用具と製品は、常陸大宮市とその周辺地域で行われてきた楮の栽培から紙漉に至るまでの和紙生産に関わる用具類を収集したものである。 この地域は茨城県北部に位置し、西は栃木県に北は福島県に境を接する。この地域の和紙生産は、江戸時代以前に始まったともいわれ、以来現在に至るまで専業として、あるいは農間の副業として生産が行われてきた。 この地域では西の内紙などの生産とともに、紙の原料である楮の栽培が行われている。特にこの地域で生産される楮は那須楮と呼ばれ、品質の優れた楮として知られており、現在でも地元で用いられるほか、本美濃紙や越前奉書の原料としても用いられている。 この地域の和紙生産は、江戸時代には水戸藩の奨励などもあって盛んになり、明治34年から大正年間には衆議院選挙の投票用紙として西の内紙と程村紙が指定され、一時期紙生産に活気があったといわれるが、その後、紙漉農家の減少が続き、現在では2戸のみが専業で紙漉を行っているに過ぎない。また、那須楮の生産も減少し、楮を取り扱う店も1軒のみとなっている。 本件は、この地域で那須楮の生産や紙漉に用いられた、ネギリガマやオシギリ、コオズガマ、コシキ、ヒョヒダイなどの楮の収穫・加工用具と、浸水、煮熟、ごみ取り、叩解、抄紙、脱水、乾燥など紙漉の各工程で用いられたカツギボウ、カンマシボウ、カマコンコ、ブチイタ、ビーター、フネ、マンガ、カミイタ、ハケなどの用具類と漉かれた紙(製品)がとりまとめられている。これら紙漉用具の中には明治以降に美濃の紙漉技術をこの地域に導入しようとした際にもたらされた用具類もあり、その呼称も伝承されている。これらは地域の中で分布に偏りがみられ、紙漉の伝播や変遷を知ることのできる資料でもある。 本件は、茨城県北部の常陸大宮市とその周辺で江戸時代以前から行われてきた楮の生産と紙漉に用いられた用具類をほぼ網羅したものである。当該地域における那須楮と呼ばれる楮の栽培生産と西の内紙などと呼ばれて江戸時代には帳面用紙として需要の多かった和紙の生産の実態をよく示すとともに、その技術の伝播も知ることのできる貴重な収集である。