国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
大入の花祭用具及び関連資料
ふりがな
:
おおにゅうのはなまつりようぐおよびかんれんしりょう
大入の花祭用具及び関連資料
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
194点
種別
:
民俗芸能、娯楽、遊戯に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:花祭用具140点 関連資料54点
登録番号
:
00028
登録年月日
:
2013.03.12(平成25.03.12)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
愛知県
所在地
:
愛知県北設楽郡東栄町大字本郷字大森1
保管施設の名称
:
東栄町立花祭会館
所有者名
:
東栄町
管理団体・管理責任者名
:
大入の花祭用具及び関連資料
解説文:
詳細解説
花祭は、早くから芸能史的に評価され、昭和51年に重要無形民俗文化財に指定されている。東栄町の大入地区は、険阻な山間地での厳しい生活環境のため、昭和30年代には全戸が離村し、国指定以前に大入の花祭は途絶えたが、大入から転出した後も用具類一式が、花太夫を代々務めてきた花山家により保管され、現在は東栄町の花祭会館に保管されている。
花祭の用具には、山見鬼や榊鬼といった鬼をはじめ、翁や巫女、鎮めなどの面、マサカリ(鉞)やツルギ(剣)などの採物、花の舞や三ツ舞など各種の舞で使われた着物や袴などの衣装類、太鼓や笛の楽器があり、関連資料には、花祭の中で唱えられた『御釜神祭文』などの祭文類や、花祭の次第や舞方、歌楽、問答の詞章を記した『舞乃式次第覚』などの古記録がある。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
大入の花祭用具及び関連資料
大入の花祭用具及び関連資料
写真一覧
大入の花祭用具及び関連資料
写真一覧
大入の花祭用具及び関連資料
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
花祭は、早くから芸能史的に評価され、昭和51年に重要無形民俗文化財に指定されている。東栄町の大入地区は、険阻な山間地での厳しい生活環境のため、昭和30年代には全戸が離村し、国指定以前に大入の花祭は途絶えたが、大入から転出した後も用具類一式が、花太夫を代々務めてきた花山家により保管され、現在は東栄町の花祭会館に保管されている。 花祭の用具には、山見鬼や榊鬼といった鬼をはじめ、翁や巫女、鎮めなどの面、マサカリ(鉞)やツルギ(剣)などの採物、花の舞や三ツ舞など各種の舞で使われた着物や袴などの衣装類、太鼓や笛の楽器があり、関連資料には、花祭の中で唱えられた『御釜神祭文』などの祭文類や、花祭の次第や舞方、歌楽、問答の詞章を記した『舞乃式次第覚』などの古記録がある。
詳細解説▶
詳細解説
大入の花祭用具及び関連資料は、愛知県北設楽郡東栄町の大入地区に伝承されていた花祭の用具とその関連資料の収集である。 東栄町は、奥三河と呼ばれる愛知県東部の山間部に位置し、湯立神楽の一種である花祭の伝承地として知られる。大入地区は、町域の中でも大字東薗目の山深い地にあった集落で、古くは地名を王入、皇入などと書き、平安時代中期の花山天皇がこの地で隠棲、薨去したとの伝承があり、花祭の由来も天皇の鎮魂に結びつけて語られてきたところである。険阻な山間地の厳しい生活環境のため、昭和30年代には全戸が離村し、大入の花祭は途絶えることになったが、大入から転出した後も用具類一式は、禰宜家と称され、花太夫を代々務めてきた花山家により大切に保管されてきており、昭和53年に東栄町に寄贈され、現在は同町の花祭会館に保管されている。 資料は、花祭りに使用された面や採物、衣装、楽器などの用具と祭りの中で唱えられた祭文や花祭の次第、口伝などを記した古記録などの関連資料から構成される。用具は、山見鬼や榊鬼といった鬼の面をはじめとする翁、巫女、ひの禰宜、鎮めなどの各種の面、マサカリ(鉞)やツルギ(剣)、ヤチ(棒塚)、振鈴、扇などの採物、花の舞や三ツ舞、翁の舞など各種の舞で身につけた着物や袴、帯などの衣装類、太鼓や笛の楽器などである。関連資料は、『御釜神祭文』や『牛頭天王嶋渡』、『入覚花育』などの祭文類や、花祭の次第や舞方、歌楽、問答の詞章を記した『舞乃式次第覚』や『舞乃式次第口伝書』などで、長年使用されてきた用具とともにまとまって残されており、大入の花祭の内容を知るうえで注目される。 奥三河に伝承される花祭は、早くから芸能史的に高く評価され、昭和51年に重要無形民俗文化財に指定されているが、本件は、国指定になる以前に伝承が途絶えた大入地区の花祭の用具を中心に、祭文や口伝書等の記録類を関連資料として整理したものである。花祭は、天竜川水系の地域に伝えられ、東栄町では現在11の地区で行われており、大入系、振草系などの系統に分類されている。本件は、このうちの大入系の花祭の形態を理解するうえで貴重な収集であるだけでなく、北設楽地方に伝えられてきた花祭の実態や変遷を考えるうえでも注目される資料群である。