国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
播州三木の鍛冶用具と製品
ふりがな
:
ばんしゅうみきのかじようぐとせいひん
播州三木の鍛冶用具と製品
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
624点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:鍛冶用具324点 製品300点
登録番号
:
00029
登録年月日
:
2013.03.12(平成25.03.12)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
兵庫県
所在地
:
兵庫県三木市上の丸町5番43号
保管施設の名称
:
三木市立金物資料館
所有者名
:
三木市
管理団体・管理責任者名
:
播州三木の鍛冶用具と製品
解説文:
詳細解説
本件は、旧三木城下で行われてきた鍛冶用具とその製品を収集したものである。三木の鍛冶技術は、仏教伝来の際、大陸からもたらされたと伝えられ、羽柴秀吉の侵攻で一時衰退したが、その後の城下復興を機に復活したとされ、江戸時代は主に京都・大坂に供給する大工用具を製品ごとの分業で製作した。明治以降は、大工用具以外も製作するようになり、販路も全国に拡大した。
本件は、江戸時代以来の鋸、鑿、鉋、小刀などといった大工用具を製作する鍛冶用具とその製品が収集されているだけでなく、明治以降に製作されるようになった折り込みナイフや日本剃刀などの製品やその鍛冶用具も収集されている。また、製品は、用途に応じた様々な形状のものが収集されているほか、各工程の半製品も収集されている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
播州三木の鍛冶用具と製品
播州三木の鍛冶用具と製品
写真一覧
播州三木の鍛冶用具と製品
写真一覧
播州三木の鍛冶用具と製品
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
本件は、旧三木城下で行われてきた鍛冶用具とその製品を収集したものである。三木の鍛冶技術は、仏教伝来の際、大陸からもたらされたと伝えられ、羽柴秀吉の侵攻で一時衰退したが、その後の城下復興を機に復活したとされ、江戸時代は主に京都・大坂に供給する大工用具を製品ごとの分業で製作した。明治以降は、大工用具以外も製作するようになり、販路も全国に拡大した。 本件は、江戸時代以来の鋸、鑿、鉋、小刀などといった大工用具を製作する鍛冶用具とその製品が収集されているだけでなく、明治以降に製作されるようになった折り込みナイフや日本剃刀などの製品やその鍛冶用具も収集されている。また、製品は、用途に応じた様々な形状のものが収集されているほか、各工程の半製品も収集されている。
詳細解説▶
詳細解説
播州三木の鍛冶用具と製品は、旧三木城下を中心とした地域で行われてきた鍛冶の用具とその製品の収集である。 三木の鍛冶は、仏教伝来の際、朝鮮半島よりもたらされたと伝えられる。その後、羽柴秀吉の侵攻で城下が壊滅し一時的に衰退したが、その後城下の復興に用いる大工用具を供給するため再び行われるようになったといわれている。江戸時代になると、次第に三木の大工用具の評判が西日本一帯に広まり、主に京都・大坂に大工用具を供給することで発展した。江戸時代後期には、製品ごとの分業で製作されるようになり、製作量も飛躍的に増加した。明治時代以降は、大工用具以外の製品も製作するようになり、それらの販路は全国に及んだ。 この資料は、鋸、鑿、鉋、釿、小刀といった大工用具や鏝、折込ナイフ、日本剃刀を製作するための鍛冶用具とその製品が、いずれも網羅的に収集されている。 鍛冶用具は、江戸時代以来の分業に基づいて製品ごとに分類整理されており、製品は工程ごとの半製品も含んで製作技術の様相を知ることができる。また、三木で考案されたといわれる鍛冶用具もあり、例えば、鋸製作用具の中のハンドル式自動送り目落し機は、日清戦争頃に三木在住の山城梅太郎と吉井徳太郎の2人が考案したといわれ、三木の鋸の製作量を爆発的に増やした。また、日本剃刀と折込ナイフは、特に明治時代以降、製作されるようになったもので、近代以降の三木の鍛冶の様相を知る上で欠かせないものである。 我が国の伝統的な鍛冶職人は、多種多様な生活・生産用具を製作し、人々の生活・生業を支え、またその発展に寄与してきた。本件は、「西の三木、東の三条」と称されるほど我が国有数の鍛冶の発達した地域である三木で用いられてきた鍛冶用具と製品であり、製品ごとの分業という江戸時代以来のこの地域の伝統的な鍛冶の様相をよく示している。また、明治時代以降、新たに考案された鍛冶用具や製作されるようになった製品なども収集され、この地域の近代の鍛冶の様相もよく示しており、我が国の鍛冶の実態や変遷を考えるうえで注目されるものである。