国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
美濃の陶磁器生産用具及び製品
ふりがな
:
みののとうじきせいさんようぐおよびせいひん
美濃の陶磁器生産用具及び製品
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員数
:
3833点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:生産用具2983点 製品850点
登録番号
:
00040
登録年月日
:
2016.03.02(平成28.03.02)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
岐阜県
所在地
:
瑞浪市明世町山野内1-6
保管施設の名称
:
瑞浪市陶磁資料館
所有者名
:
瑞浪市
管理団体・管理責任者名
:
美濃の陶磁器生産用具及び製品
解説文:
詳細解説
本件は,岐阜県南東部の東濃地域で作られてきた陶磁器の生産用具とその製品を広域的に収集・整理したものである。
良質な粘土に恵まれた東濃地域は,平安期にはすでに陶器が作られていた。江戸期に美濃物と呼ぶ生活雑器を主に生産するようになると、江戸後期には磁器も作られるようになった。明治期には輸出用の洋食器も大量生産され,地区ごとに特定の製品を生産して経費削減を実現させ,今日まで我が国の生活雑器の主産地となっている。
生産用具は,粘土を採取する採土用具から製土,成形,乾燥,絵付,施釉,焼成,販売までの用具がほぼ網羅されている。特に絵付用具のドウバンは大量生産のため明治期にこの地域で考案されたもので,焼成の際に器を保護するエンゴロとともに美濃焼の特色ある生産用具の一つである。
製品は,地区ごとに生産された各種の陶器、磁器のほか,生産工程がわかる半製品も含まれている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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美濃の陶磁器生産用具及び製品
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美濃の陶磁器生産用具及び製品
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解説文
本件は,岐阜県南東部の東濃地域で作られてきた陶磁器の生産用具とその製品を広域的に収集・整理したものである。 良質な粘土に恵まれた東濃地域は,平安期にはすでに陶器が作られていた。江戸期に美濃物と呼ぶ生活雑器を主に生産するようになると、江戸後期には磁器も作られるようになった。明治期には輸出用の洋食器も大量生産され,地区ごとに特定の製品を生産して経費削減を実現させ,今日まで我が国の生活雑器の主産地となっている。 生産用具は,粘土を採取する採土用具から製土,成形,乾燥,絵付,施釉,焼成,販売までの用具がほぼ網羅されている。特に絵付用具のドウバンは大量生産のため明治期にこの地域で考案されたもので,焼成の際に器を保護するエンゴロとともに美濃焼の特色ある生産用具の一つである。 製品は,地区ごとに生産された各種の陶器、磁器のほか,生産工程がわかる半製品も含まれている。
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詳細解説
美濃の陶磁器生産用具及び製品は、東濃と呼ばれる地域一帯で焼かれてきた陶磁器の生産用具とその製品を広域的に収集したものである。 東濃地域は、瑞浪市をはじめ多治見市、土岐市などを含む岐阜県南東部をさす。良質な粘土に恵まれ、平安時代にはすでに陶器が焼かれており、安土桃山時代には茶陶などの陶器の産地として広く知られるようになった。江戸時代に入ると「美濃物」と呼ぶ生活雑器を中心に生産するようになり、江戸時代後期に磁器も焼かれるようになると生産量も飛躍的に伸びた。明治時代以降は、海外輸出用の洋食器なども焼かれるようになり、多治見、妻木、市之倉、高田、下石、駄知、土岐津、陶などの各産地で特定の製品を焼くことで大量生産や費用削減も図られ、一帯は今日でも我が国の生活雑器の主産地となっている。 生産用具は、粘土を採取する採土用具、粘土を精製して陶土としたり、陶石を加工する製土用具、製品の形を作る成形用具、製品を乾燥する用具、製品に文様をつける絵付用具、釉薬をかける施釉用具、製品を焼く焼成用具、完成した製品を出荷・販売する用具の各工程の用具がほぼ網羅されている。なかでも絵付用具のドウバンは、大量生産のため明治時代にこの地域で考案されたもので、焼成の際に器を保護するエンゴロとともに、この地域の陶磁器生産の特色ある用具となっている。 製品は、多治見の茶碗、妻木の皿、市之倉の盃、高田・下石の徳利、駄知の丼、土岐津のコーヒーカップ、陶の洋食器など、各産地で生産された特定の陶磁器が収集されているほか、戦時中に金属製品の代用で生産された製品、工程の流れがわかる半製品なども含まれている。また、収集されている絵付用具のドウバンや成形用具の鋳込み用の型を実際に用いて作られた製品もあり、生産用具と製品を直接関連づけて理解できる収集ともなっている。 我が国では、良質な粘土の産地で様々な陶磁器が生産されてきた。本件もそうした陶磁器の大産地の一つである東濃地域における生産用具と製品を収集・整理したものである。明治時代以降、生活雑器を大量生産するために考案された用具類をはじめとした各工程の生産用具をほぼ網羅しており、それらの生産用具を用いて作られた半製品や産地別に生産された多種多様な製品も収集されている。江戸時代より今日まで我が国の生活雑器を大量生産してきた東濃地域の生業の実態をよく示しており、我が国の陶磁器生産の特色や変遷を理解するうえで注目される。