国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
田上の衣生活資料
ふりがな
:
たなかみのいせいかつしりょう
田上の衣生活資料
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員数
:
1,358点
種別
:
衣食住に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳:紡織用具557点、衣類801点
登録番号
:
46
登録年月日
:
2019.03.28(平成31.03.28)
追加年月日
:
登録基準1
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県
:
滋賀県
所在地
:
大津市牧1丁目8-32
保管施設の名称
:
田上郷土資料館
所有者名
:
宗教法人真光寺
管理団体・管理責任者名
:
田上の衣生活資料
解説文:
詳細解説
本件は,琵琶湖の南,滋賀県南西部に位置する大津市田上地域で使用されてきた,紡織用具と衣類について収集した資料群である。
紡織用具と衣類とに大別され,紡織用具は,製糸用具・機用具・整経用具・製織用具,その他,絣の柄見本等々を中心に構成され,製糸から機織りまでの一連の作業工程がわかるよう網羅的に収集されている。これらは,主として木綿素材を扱う用具類であり,いずれも一般農家で使用されてきたものである。なかでも,絣柄には田上絣といい,特に当地で好まれた模様柄があって,志向の一端を垣間見ることができる。
一方,衣類は,それらによって製作した生地をもとに縫製したものが中心で,仕事着や晴れ着,手拭や前掛・手甲・脚絆,そして足袋・下駄,あるいは布団地や風呂敷,端切れにいたるまで,多岐にわたっている。特に,いくつもの当て布を施した使用痕の著しい野良着や布団地,あるいは晴れ着を仕立て直した普段着なども含まれ,新調された着物がやがて転用・改変されて,最後には端切れとなっていくという,布の生涯が理解できる収集となっている。なかでも,田上手拭といって公私の場を問わず,被り物として重用されてきた手拭は当地特有のものであり,京都近郊農村ならではの気風がうかがえる。
(解説は登録当時のものです)
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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田上の衣生活資料
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解説文
本件は,琵琶湖の南,滋賀県南西部に位置する大津市田上地域で使用されてきた,紡織用具と衣類について収集した資料群である。 紡織用具と衣類とに大別され,紡織用具は,製糸用具・機用具・整経用具・製織用具,その他,絣の柄見本等々を中心に構成され,製糸から機織りまでの一連の作業工程がわかるよう網羅的に収集されている。これらは,主として木綿素材を扱う用具類であり,いずれも一般農家で使用されてきたものである。なかでも,絣柄には田上絣といい,特に当地で好まれた模様柄があって,志向の一端を垣間見ることができる。 一方,衣類は,それらによって製作した生地をもとに縫製したものが中心で,仕事着や晴れ着,手拭や前掛・手甲・脚絆,そして足袋・下駄,あるいは布団地や風呂敷,端切れにいたるまで,多岐にわたっている。特に,いくつもの当て布を施した使用痕の著しい野良着や布団地,あるいは晴れ着を仕立て直した普段着なども含まれ,新調された着物がやがて転用・改変されて,最後には端切れとなっていくという,布の生涯が理解できる収集となっている。なかでも,田上手拭といって公私の場を問わず,被り物として重用されてきた手拭は当地特有のものであり,京都近郊農村ならではの気風がうかがえる。 (解説は登録当時のものです)
詳細解説▶
詳細解説
田上の衣生活資料は、琵琶湖の南、滋賀県南西部に位置する大津市田上地域で使用されてきた、紡織用具と衣類について収集した資料群である。 田上は、田上山地と瀬田丘陵に挟まれた盆地で、そのほぼ中央を大戸川が横断する。この河川は、ときとして人びとを翻弄する一方で、低くなだらかな肥沃な耕地を生み出し、県内でも良質な米の産地として知られる豊かな農村を育んできた。田上米をはじめ、裏作による麦や菜種、綿花の栽培など、のどかな田園風景を長らく呈してきたところである。 本件は、紡織用具(557点)と衣類(801点)とに大別される。紡織用具は、綿繰機や糸車などの製糸用具、シモバタ(地機)とその発展形態であるカミバタ(高機)などの機用具、ヘダイ(整経台)やザグリ(糸繰機)・ワク(糸枠)などの整経用具、綜絖や筬・杼などの製織用具、その他、絣の柄見本等々を中心に構成され、製糸から機織りまでの一連の作業工程がわかるよう、網羅的に収集されている。これらは、主として木綿素材を扱う用具類であり、いずれも一般農家で使用されてきたもので、かつての農村の自給自足のあり方はもちろん、主として女性が担っていた仕事の状況がよくわかる。とりわけ、絣柄には田上絣といい、特に当地で好まれた模様柄があって、その美的志向の一端を垣間見ることができる。 一方、衣類は、それらによって製作した生地をもとに縫製したものが中心で、仕事着や晴れ着、テネン(手拭)やマエダレ(前掛)・テオイ(手甲)・脚絆、そして足袋・下駄、あるいは布団地や風呂敷、端切れにいたるまで、多岐にわたっている。特に、いくつもの当て布を施した使用痕の著しい野良着や布団地、あるいは晴れ着を仕立て直した普段着なども含まれ、新調された着物がやがて補填、転用・改変されて、最後には端切れとなって末路を迎えるという、生活感をともなった、いわば布の生涯が理解できる収集となっている。なかでも、田上手拭といって、公私の場を問わず、被り物として重用されてきた手拭は当地特有のものであり、京都近郊農村ならではの気風がうかがえる。(解説は登録当時のものです)