国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
七尾の嫁暖簾
ふりがな
:
ななおのよめのれん
嫁暖簾
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
103点
種別
:
人の一生に関して用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
51
登録年月日
:
2022.03.23(令和4.03.23)
追加年月日
:
登録基準1
:
登録基準2
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準3
:
所在都道府県
:
石川県
所在地
:
石川県七尾市馬出町ツ部四九
保管施設の名称
:
花嫁のれん館
所有者名
:
一般社団法人七尾家
管理団体・管理責任者名
:
嫁暖簾
解説文:
詳細解説
本件は、嫁暖簾と呼ばれる北陸地方に特有な婚礼用の暖簾で、石川県七尾市におけるその収集である。嫁暖簾は、嫁が生家から持参した婚礼用具の一つで、嫁はこれを婚礼時に婚家の仏間の入口などに掛けて潜ることで、婚家の一員として認められた。時代を経て形状が幅広くなると同時に、材質、色調、図柄などは、次第に華美なものになっていった。嫁暖簾には、鶴亀や松竹梅、鴛鴦などの吉祥の図柄が描かれ、その上部には、嫁の生家の家紋が染め抜かれている。家紋の周囲には、花柄などで装飾された加賀紋が優美に染め抜かれているものもある。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
嫁暖簾
加賀紋を染めた嫁暖簾
写真一覧
嫁暖簾
写真一覧
加賀紋を染めた嫁暖簾
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
本件は、嫁暖簾と呼ばれる北陸地方に特有な婚礼用の暖簾で、石川県七尾市におけるその収集である。嫁暖簾は、嫁が生家から持参した婚礼用具の一つで、嫁はこれを婚礼時に婚家の仏間の入口などに掛けて潜ることで、婚家の一員として認められた。時代を経て形状が幅広くなると同時に、材質、色調、図柄などは、次第に華美なものになっていった。嫁暖簾には、鶴亀や松竹梅、鴛鴦などの吉祥の図柄が描かれ、その上部には、嫁の生家の家紋が染め抜かれている。家紋の周囲には、花柄などで装飾された加賀紋が優美に染め抜かれているものもある。
詳細解説▶
詳細解説
本件は、嫁暖簾と呼ばれる北陸地方に特有の婚礼用の暖簾で、石川県七尾市におけるその収集である。嫁暖簾は、嫁が生家から持参した婚礼用具の一つで、嫁はこれを婚礼時に婚家の仏間の入口などに掛けて潜ることで、婚家の一員として認められた。嫁暖簾の習俗は、石川県と富山県に分布がみられ、なかでも七尾は、古くから港町として栄え、裕福な商家層が多かったことからも、このような華やかな嫁暖簾が比較的多く残っている。七尾では、主に明治期から昭和期にかけての嫁暖簾がみられ、本件はこの時代の収集である。 嫁暖簾は、その形状から、三巾、四巾、五巾の三種類がある。時代を経て巾広になると同時に、その材質、色調、図柄などは、次第に華美なものになっていった。明治期には木綿を藍染した紺の色調が中心であったが、大正期には羽二重、綸子、縮緬などの絹地に加賀友禅で華やかに染め上げるようになり、これまでと同色系の青に加えて、紫などがみられるようになった。昭和初期からは、さらに赤系統の色合いが使われるようになっていった。嫁暖簾には、動植物や自然、器物などの吉祥図が描かれている。図柄は、鶴亀、松竹梅、鴛鴦、鳳凰、孔雀、隠れ蓑、高砂、富士、宝船などが多く、時代を経て多彩になっていった。また、暖簾の上部には、嫁の生家の家紋が染め抜かれている。家紋の周囲には、加賀紋と呼ばれる花柄などの装飾文様が優美に染め抜かれたものもある。嫁暖簾は、婚礼後もしばらくは婚家に掛けて披露され、嫁の出自や生家の家柄を周囲に示す役割を果たしたと考えられている。また、夏暖簾と呼ばれる暖簾を嫁暖簾と一緒に持参する風習があり、これらも収集に含められている。夏暖簾は夏季に用いる暖簾で、涼しげな青系統の色合いを基調とし、薄手の絽の素材で作られている。夏暖簾にも、嫁の生家の家紋が染め抜かれたものがみられる。