国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録有形民俗文化財
主情報
名称
:
宇治茶の生産・販売用具
ふりがな
:
うじちゃのせいさんはんばいようぐ
生産用具
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員数
:
397点
種別
:
生産、生業に用いられるもの
その他参考となるべき事項
:
内訳 生産用具286点、販売用具111点
登録番号
:
52
登録年月日
:
2022.03.23(令和4.03.23)
追加年月日
:
登録基準1
:
登録基準2
:
二 有形の民俗文化財の収集であって、その目的、内容等が歴史的変遷、時代的特色、地域的特色、技術的特色、生活様式の特色又は職能の様相を示すもの
登録基準3
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
宇治市折居台1-1
保管施設の名称
:
宇治市歴史資料館
所有者名
:
宇治市
管理団体・管理責任者名
:
生産用具
解説文:
詳細解説
本件は、近世末期から昭和40年代まで使われていた宇治茶の生産と販売に関する用具の収集である。
生産用具は、茶農家や茶問屋が、茶樹を栽培して、茶摘み、茶蒸し、乾燥を行い、一次加工の荒茶に仕上げるまでの用具と、荒茶を選別し、製品に仕上げて出荷するまでの用具である。生産用具には、覆下栽培法と呼ばれる茶の栽培法に用いた用具や、「青製」や「宇治製」と呼ばれる茶葉の手揉み作業で用いた、宇治ならではの製茶用具が収集されている。一方、販売用具は、商売用具、計算・計量用具、印章などで、なかでも印章は、茶の銘柄を刻印した印判などが数多く収集されている。
関連情報
(情報の有無)
附
なし
添付ファイル
なし
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生産用具
販売用具
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解説文
本件は、近世末期から昭和40年代まで使われていた宇治茶の生産と販売に関する用具の収集である。 生産用具は、茶農家や茶問屋が、茶樹を栽培して、茶摘み、茶蒸し、乾燥を行い、一次加工の荒茶に仕上げるまでの用具と、荒茶を選別し、製品に仕上げて出荷するまでの用具である。生産用具には、覆下栽培法と呼ばれる茶の栽培法に用いた用具や、「青製」や「宇治製」と呼ばれる茶葉の手揉み作業で用いた、宇治ならではの製茶用具が収集されている。一方、販売用具は、商売用具、計算・計量用具、印章などで、なかでも印章は、茶の銘柄を刻印した印判などが数多く収集されている。
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詳細解説
宇治茶の生産・販売用具は、京都府南部の南山城地方で古くから栽培されてきた宇治茶の生産と販売に関する用具の収集である。宇治市は古くから茶どころとして知られ、中世には露地茶園による茶葉の栽培が始まったとされる。宇治川沿いに拓けた市域では、昭和三十年代以降に宅地開発が盛んになるが、それまでは平地から丘陵地帯にかけて茶園が多くみられた。宇治では、近世初頭には葭簀と藁で日光の直射を防ぐ覆下栽培法が始まったとされ、抹茶の産地として名が知られるようになった。また、近世中期には、茶葉を蒸して焙炉の炭火を用いて手揉みで乾燥させる製茶法が確立され、新たな煎茶を誕生させた。この製茶法は「青製」や「宇治製」と呼ばれる宇治茶独自の製法で、従来の煎茶にない薄緑色で香りが良く甘みもあることから、江戸で人気を博し、全国の茶産地に伝播していった。近世末期には、覆下栽培法で育てた抹茶用の茶葉を用いて、宇治製法で煎茶にした玉露が新たに生み出された。宇治で発案された覆下栽培法や宇治製法などから生み出された、抹茶、煎茶、玉露は、今日では日本茶を代表する茶種となっている。 本収集は、宇治茶の生産用具と販売用具で、近世末期から昭和四十年代まで使われていたものである。生産用具は、茶農家や茶問屋が、茶樹を栽培して、茶摘み、茶蒸し、乾燥を行い、一次加工の荒茶に仕上げるまでの用具と、荒茶を選別し、製品に仕上げて出荷するまでの用具である。生産用具には、覆下栽培法の茶園で覆いの丸太を立てるのに用いた穴突き、覆いの取り壊しに用いた覆取鎌、焙炉師が茶葉の手揉みや乾燥の作業で焙炉にはめて用いた助炭など、宇治ならではの製茶用具が収集されている。一方、販売用具は、商業用具、計算・計量具、印章などで、なかでも印章は、茶の銘柄を刻印した印判などが多く収集されている。