国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
与島・櫃石の盆踊
ふりがな
:
よしま・ひついしのぼんおどり
櫃石の盆踊
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解説表示▶
種別1
:
民俗芸能
種別2
:
風流
その他参考となるべき事項
:
選択番号
:
選択年月日
:
2004.02.06(平成16.02.06)
追加年月日
:
選択基準1
:
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
香川県
所在地
:
保護団体名
:
与島連合自治体、櫃石盆踊り保存会
櫃石の盆踊
解説文:
与島・櫃石の盆踊は、香川県坂出【さかいで】市与島と櫃石にそれぞれ伝わる盆踊である。八月十四日の晩、歌と太鼓に合わせ、古風な踊り振りで踊られる。新仏【あらほとけ】の家族等は位牌を順次背負い踊り、与島では仏踊り、櫃石では新霊【あらりょう】踊り、精霊踊りなどとも称されている。
与島、櫃石島は塩飽【しあく】諸島に属し、かつて与島は石材業や運送業で栄え、一方櫃石島は漁業従事者が多い。どちらも昭和六十三年開通の瀬戸大橋の橋脚島である。
与島の盆踊は、戦前は旧暦の八月十三日から十五日まで三日間にわたり行われていたが、戦後、新暦の八月十四日の一日のみの実施となった。三日間踊っていた時分には、二日目まで「石童丸【いしどうまる】」「那須の與市」などの歌で踊り、最後の晩に「とうろ踊り」を踊るものとされてきた。とうろ踊りとは、「これは〇〇さんの菩提のためよ」というように新仏の名前を一人ずつ歌い込んだ歌詞に合わせての踊りであり、現在は、この踊りのみが踊られている。
与島では、八月十四日の夜、学校の運動場を踊りの場として、毎年盆踊が行われている。踊りの場には、櫓が組み立てられ、踊りは櫓を中心に時計回りで踊る輪踊である。櫓は二層構造で、上段には音頭取が上り、下段には太鼓が据えられる。午後六時ころになると、新盆を迎えた家々から切子灯籠【きりこどうろう】と位牌が持ち寄られ、踊りの場に切子灯籠を吊り下げる。新仏の家族等は位牌を風呂敷や白布にくるんだりして背負い、踊りが始まる。
踊り始めは新仏の家族等が中心であるが、しだいに他の人も加わって踊りの輪が大きくなっていく。左手を上げて一歩進み、次に右手を上げると同時に左手を後ろにすっと下げ輪の内側を向く。輪の内側を向いたまま今度は逆に左手を上げて右手を後ろに下げ、下がりながらその場で円を描くように動いて元の位置に戻り手拍子を打つ。踊りはこの繰り返しで、足運びがゆったりとし、手振りも単純なものであり、古風さをうかがわせる。以前は午前零時を過ぎてもなお踊ったというが、近年では二時間ほど踊る。
櫃石においても与島と似たようなかたちで盆踊が行われている。海岸に面した広場を踊りの場とし、新盆を迎えた家々からは灯籠が持ち寄られ、また新仏の位牌を家族等が背負い踊る。ただし、踊り振りは男女異なり、男性と女性の輪を別に作って二重となる。女性は手に団扇を持ち、男性は何も持たない。太鼓の伴奏と音頭取の歌に合わせて踊られる、足運びのゆったりとした踊りである。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
櫃石の盆踊
与島の盆踊
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櫃石の盆踊
写真一覧
与島の盆踊
解説文
与島・櫃石の盆踊は、香川県坂出【さかいで】市与島と櫃石にそれぞれ伝わる盆踊である。八月十四日の晩、歌と太鼓に合わせ、古風な踊り振りで踊られる。新仏【あらほとけ】の家族等は位牌を順次背負い踊り、与島では仏踊り、櫃石では新霊【あらりょう】踊り、精霊踊りなどとも称されている。 与島、櫃石島は塩飽【しあく】諸島に属し、かつて与島は石材業や運送業で栄え、一方櫃石島は漁業従事者が多い。どちらも昭和六十三年開通の瀬戸大橋の橋脚島である。 与島の盆踊は、戦前は旧暦の八月十三日から十五日まで三日間にわたり行われていたが、戦後、新暦の八月十四日の一日のみの実施となった。三日間踊っていた時分には、二日目まで「石童丸【いしどうまる】」「那須の與市」などの歌で踊り、最後の晩に「とうろ踊り」を踊るものとされてきた。とうろ踊りとは、「これは〇〇さんの菩提のためよ」というように新仏の名前を一人ずつ歌い込んだ歌詞に合わせての踊りであり、現在は、この踊りのみが踊られている。 与島では、八月十四日の夜、学校の運動場を踊りの場として、毎年盆踊が行われている。踊りの場には、櫓が組み立てられ、踊りは櫓を中心に時計回りで踊る輪踊である。櫓は二層構造で、上段には音頭取が上り、下段には太鼓が据えられる。午後六時ころになると、新盆を迎えた家々から切子灯籠【きりこどうろう】と位牌が持ち寄られ、踊りの場に切子灯籠を吊り下げる。新仏の家族等は位牌を風呂敷や白布にくるんだりして背負い、踊りが始まる。 踊り始めは新仏の家族等が中心であるが、しだいに他の人も加わって踊りの輪が大きくなっていく。左手を上げて一歩進み、次に右手を上げると同時に左手を後ろにすっと下げ輪の内側を向く。輪の内側を向いたまま今度は逆に左手を上げて右手を後ろに下げ、下がりながらその場で円を描くように動いて元の位置に戻り手拍子を打つ。踊りはこの繰り返しで、足運びがゆったりとし、手振りも単純なものであり、古風さをうかがわせる。以前は午前零時を過ぎてもなお踊ったというが、近年では二時間ほど踊る。 櫃石においても与島と似たようなかたちで盆踊が行われている。海岸に面した広場を踊りの場とし、新盆を迎えた家々からは灯籠が持ち寄られ、また新仏の位牌を家族等が背負い踊る。ただし、踊り振りは男女異なり、男性と女性の輪を別に作って二重となる。女性は手に団扇を持ち、男性は何も持たない。太鼓の伴奏と音頭取の歌に合わせて踊られる、足運びのゆったりとした踊りである。