国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
象潟の盆小屋行事
ふりがな
:
きさかたのぼんごやぎょうじ
象潟の盆小屋行事
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年8月12~15日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
選択年月日
:
2008.03.13(平成20.03.13)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
秋田県
所在地
:
保護団体名
:
象潟町盆小屋行事保存会
象潟の盆小屋行事
解説文:
詳細解説
この行事は、秋田県にかほ市象潟町に伝承される盆の行事で、子供たちが海辺に藁や木材などを材料として簡素な小屋を作り、大火を焚いて先祖の霊を迎え、送るものである。盆小屋は、12日早朝に地区ごとに作られ、夕方に地区の人々が参る。小屋の傍らでは迎え火が焚かれ、先祖の霊を迎える。15日夜には、盆小屋を燃やして送り火とし、先祖の霊を海の彼方に送る。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
象潟の盆小屋行事
象潟の盆小屋行事
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象潟の盆小屋行事
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象潟の盆小屋行事
解説文
この行事は、秋田県にかほ市象潟町に伝承される盆の行事で、子供たちが海辺に藁や木材などを材料として簡素な小屋を作り、大火を焚いて先祖の霊を迎え、送るものである。盆小屋は、12日早朝に地区ごとに作られ、夕方に地区の人々が参る。小屋の傍らでは迎え火が焚かれ、先祖の霊を迎える。15日夜には、盆小屋を燃やして送り火とし、先祖の霊を海の彼方に送る。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
象潟の盆小屋行事は、秋田県にかほ市象潟町に伝承される盆の行事で、子供たちが海辺に藁や木材などを材料として簡素な小屋を作り、大火を焚いて先祖の霊を迎え、送るものである。 にかほ市象潟町は、秋田県の南西部に位置し、西は日本海に面し、南は山形県遊佐町と接する県境の町である。 象潟町は、鳥海山の西麓にあって農業を中心とする上郷地区と、日本海岸沿いにあって漁業や商工業を中心とする象潟地区・上浜地区の3つの地域から構成されるが、本行事は、象潟地区の上浜の町、下浜の町、浜畑、冠石、下荒屋の5つの集落によって伝承されている。 盆小屋行事は、8月12日から15日にかけて象潟地区の大澗海岸で行われる。12日は、早朝から各地区の人たちが海岸に集まり、盆小屋の製作にあたる。 盆小屋は、1間四方ほどの大きさの方形で、砂浜に杭を柱として打ち込み、木材で骨組を作ってから屋根と周囲を藁束で覆う。盆小屋は集落側を正面として作られ、向かって左側に入口、右側に祭壇が設けられる。盆小屋は、地区ごとに1つずつ作られ、大澗海岸には5つの盆小屋がほぼ等間隔で立ち並ぶ。 祭壇には、「先祖代々之諸精霊」などと書かれた位牌が中央に置かれ、スイカやリンゴなど季節の野菜や果物、花、ロウソクが供えられ、祭壇の上部からは、ホオズキやハマナスの実、ソウメン、色とりどりの菓子などが糸で吊り下げられ、飾られる。また、盆小屋の傍らには、迎え火用に余った藁や木材を三角錐状に積み上げておく。 このような盆小屋の製作をはじめ、行事の準備や執行は、大人の手を借りずに、地区の小学生と中学生の男子によって行われてきた。しかしながら、少子化等の影響によって昭和50年代後半から次第に大人が行事に関与するようになり、今日では、盆小屋の製作も大人が中心で行うようになっている。また、盆小屋の製作に用いられる藁は、かつては麦藁を用いており、子供たちが行事の数日前から地区にある農家を回って集めていたが、麦の栽培が行われなくなった現在、材料は稲藁に変わり、また、材料の調達も前記の5地区で結成されている保存会が中心となって行事に必要な分量を毎年用意している。 12日は、夕方になると各地区の人たちが提灯と線香を持って、それぞれの地区の盆小屋を訪れる。盆小屋の祭壇にあるロウソクに火を点し、線香をあげて手を合わせる。その後、波打ち際に出て、砂浜に線香を立てて海に向かって拝む。このようにして地区の人たちが浜に集まってくると、午後7時頃から盆小屋の脇で迎え火が焚かれる。迎え火の周りでは、子供たちが手に提灯を持って並び、海に向かって、「じい(爺)ーだ、ばんばあ(婆)ーだ、この火のあかりで来とうね、来とうね」と声を合わせて唱え、海の彼方から先祖の霊を迎える。各家では、迎え火や盆棚の祭壇の火を提灯にもらい受けて帰り、家の盆棚や仏壇に移す。これによって先祖の霊を家に迎えたことになるという。この日の夜から15日までの数日間は、夜になると子供たちが盆小屋の中でお菓子を食べて遊んだり、お籠もりと称して寝泊まりをしていたが、近年は行われなくなっている。 15日は、夜になると盆小屋を燃やして送り火とする。夕方頃から各地区の人たちが家から提灯を点して盆小屋を訪れ、午後7時頃に小屋に火を点ける。火が大きく燃え上がると、12日と同様、提灯を持った子供たちが送り火の周りに集まり、「じい(爺)ーだ、ばんばあ(婆)ーだ、この火のあかりで行とうね、行とうね」と唱えて、先祖の霊を海の彼方に送る。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)