国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
津軽の七日堂祭
ふりがな
:
つがるのなのかどうまつり
津軽の七日堂祭
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年旧暦1月7日(岩木山神社・猿賀神社) 毎年旧暦1月29日(鬼神社)(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
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選択年月日
:
2009.03.11(平成21.03.11)
追加年月日
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選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
青森県
所在地
:
保護団体名
:
岩木山神社百沢町会氏子・猿賀神社猿賀町会氏子・鬼神社氏子総代
津軽の七日堂祭
解説文:
詳細解説
津軽の七日堂祭は、青森県弘前市の岩木山神社と鬼神社、平川市の猿賀神社で行われている農作物の作柄や天候を占う年の初めの行事である。柳の枝や牛王宝印を用いた作占いや豊作祈願などを行う行事である。柳の枝は参加者が折りとって持ち帰り、田の畦に植えるなどして豊作祈願とする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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津軽の七日堂祭
津軽の七日堂祭
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津軽の七日堂祭
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津軽の七日堂祭
解説文
津軽の七日堂祭は、青森県弘前市の岩木山神社と鬼神社、平川市の猿賀神社で行われている農作物の作柄や天候を占う年の初めの行事である。柳の枝や牛王宝印を用いた作占いや豊作祈願などを行う行事である。柳の枝は参加者が折りとって持ち帰り、田の畦に植えるなどして豊作祈願とする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
青森県弘前市の岩木山神社や鬼神社、平川市の猿賀神社では、七日堂祭と呼ばれる豊作を祈願する行事や作柄を占う行事が行われている。岩木山神社と猿賀神社では旧暦1月7日、鬼神社では旧暦1月29日に行われる。 弘前市や平川市の所在する津軽地方では、旧暦1月7日は信仰行事の行われる日とされ、この日に七日堂祭が行われる。七日堂祭の語源については、7日に行われることからこう呼ばれるようになったともいわれ、鬼神社でも本来7日に行われていたという。現在でも七日堂祭を行っているのは岩木山神社、猿賀神社、鬼神社だけになっているが、いずれも津軽地方の農業神として農家の人々の信仰を集めている。 七日堂祭は、神社の拝殿や社務所等で氏子総代等によって行われる。津軽地方では古来、岩木山神社の「七日堂祭」から農事が始められるといわれてきたように、年の初めに稲作など農作物の豊凶と、年間の天候を占い豊作と家内安全を祈願する行事として津軽地方一円から多くの農家の人たちが岩木山神社に参集して「御柳神事」「御宝印神事」「三拍子神事」が行われる。 「御柳神事」で用いる柳の枝は、氏子の太田家が準備することになっている。これに神札や前年の新嘗祭に供えた種籾を結び下げてちょうど稲の穂が稔ったように飾り、神職が左右に振り動かしてから床の盤上に突き立てる。この時枝に結びつけたものが落下しないと吉、散乱すると凶と判断される。これを早稲、中稲、晩稲と三回繰り返す。 この後牛王宝印の神符で病気退散を祈願する「御宝印神事」、そして御幣の振り納めと護摩の火、太鼓の音がそれぞれ一致するかどうかでその年の気象状況を占う「三拍子神事」が行われる。行事が終了すると参集した人々は柳の枝を折って持ち帰り田の畦に植えたりする。 猿賀神社では「柳がらみの神事」「ごまの餅撒き」が行われる。「柳がらみの神事」は、氏子の特定の家が奉仕する決まりになっており、白い御幣をつけた若柳の大枝を両手で握って頭上に振り上げ、かけ声とともに拝殿の床に据え付けた檜の盤上に打ち付ける。これを平年は12回、閏年は13回行う。枝が早く落ちれば豊年、遅くまで残っていれば凶作である。行事が終わると参集した人たちは、散乱した柳の枝を拾って持ち帰りこれを春に種籾を浸す時に一緒に入れて豊作祈願とする。さらに境内で「ごまの餅撒き」が行われ紅白のごま餅がまかれるので参集者はこれを拾って持ち帰り家族に護符として食べさせる。 鬼神社では、神社が鎮座する鬼沢地区の人々が神社に集まって「御神火」「御柳」「宝印」「三拍子」「臼鍋餅」の行事が行われる。「御神火」行事では火打ち石でおこした火を祭壇前の春夏秋冬と書かれた紙が張られたロウソクにうつして火を灯す。続いて行われる「御柳」行事では御札や神像の刷られた紙、稲穂を平年は12本、閏年には13本つけた柳の大きな枝を床に置かれた盤上に打ち付ける。このうちつける所作を柳がらみといい、集落の定まった家が務めることになっている。「宝印」行事では棒の先につけた印を出席者全員に突く所作が行われる。続いて田作りの最初の仕事に用いられるカジ、カマ、ヒラグワ、サンボングワを持ち、三拍子そろったかと唱えながら所作を演ずる「三拍子」行事が行われる。これが済むと最後に「臼鍋餅」の行事が行われる。これは早稲、中稲、晩稲にあてて米の上にのせておいた3個のきな粉をまぶした餅を取り出し、出席者全員に見せて作柄を占うものである。すべての行事が済むと最後に餅が入ったオヒネリが出席者全員に配られ、出席者はこれと「御柳」に用いられた柳の枝を折りとって家に持ち帰って終わる。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)