国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
手熊・柿泊のモットモ
ふりがな
:
てぐま・かきどまりのモットモ
手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
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解説表示▶
種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年2月2日(手熊町)、毎年2月3日(柿泊町)(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
選択年月日
:
2015.03.02(平成27.03.02)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
長崎県
所在地
:
保護団体名
:
手熊町自治会、柿泊町青年団
手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
解説文:
詳細解説
本件は、節分に行われる来訪神の行事で、モットモ爺と呼ぶ異装の者を中心とした3人1組の一団が家々を訪問し、災厄を祓って福を招くものである。最初に年男が「鬼は外」と唱えながら豆をまき、これに福娘が「福は内」と唱えながら続き、最後にモットモ爺が「モットモー」と大声で叫んで床を激しく踏み鳴らしたり、手にした杖で床を激しく突く。(解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
手熊・柿泊のモットモ(手熊)
手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
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手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
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手熊・柿泊のモットモ(手熊)
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手熊・柿泊のモットモ(柿泊)
解説文
本件は、節分に行われる来訪神の行事で、モットモ爺と呼ぶ異装の者を中心とした3人1組の一団が家々を訪問し、災厄を祓って福を招くものである。最初に年男が「鬼は外」と唱えながら豆をまき、これに福娘が「福は内」と唱えながら続き、最後にモットモ爺が「モットモー」と大声で叫んで床を激しく踏み鳴らしたり、手にした杖で床を激しく突く。(解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
手熊・柿泊のモットモは、節分に行われる来訪神の行事で、モットモ爺と呼ばれる異装の者をはじめとした一団が集落の家々を訪問して災厄を祓うとともに福を招くものである。 モットモを伝承する手熊町と柿泊町は、長崎市の西部、西彼杵半島の付け根に位置する集落で、東シナ海に面しており、麦作や芋作などの畑作とイカ漁などの漁業を生業としてきた。近年ではミカンの栽培も盛んである。 手熊町のモットモは、どこよりも早く福を呼び込むためとして節分前日の2月2日夜に行われる。訪問する年男、福娘、モットモ爺の三者はいずれも男性が扮し、これに家々からの祝儀を受け取る女性2人が付き添う。年男は、原則として42歳の男性がなり、煎った大豆を入れた枡をもって先頭をいき、この行事に参加すると厄払いになるとされる。年男の後に続く福娘は、着物を着て顔を白く化粧し手拭いを被って女装する。最後につくモットモ爺は、古着や棕櫚蓑などを着て顔に赤や黒のドーランを塗り、頭に笠などを被ったりする。また、馬の鞍などの農具を背中に背負ったりすることもある。 夕方、手熊公民館でこれらの準備をした後、5班に分かれて柿泊町の上、中、西、浜、江川の5地区の家々を訪問する。訪問先では、最初に年男が玄関の戸を勢いよく開けて上がり込み、福娘とモットモ爺がこれに続く。部屋に入ると、年男が「鬼は外」と3度唱えて大豆を撒き、その後を福娘が顔を隠すようにしながら女性の声で「福は内」と3度唱えてまわる。最後にモットモ爺が「モオットモォー」と大声で叫びながら足で激しく床を踏みならしてまわる。その後、子供のいる家ではモットモ爺が「モオットモォー」と叫びながら子供に襲いかかる。このとき子供が泣けば泣くほど鬼が逃げて福の神が舞い込む、あるいは舞い込んだ福が大きくなるといわれる。やがて三者が家を出ると、付き添ってきた2人の女性が玄関先で「福の神様お見えになりました」「福の神様お祝いになりました」などといって家人から祝儀を受け取る。年男の撒いた大豆は、年齢の数だけ食べると無病息災に過ごせるといわれる。こうして喪中の家以外のすべての家を訪問すると行事は終了する。 柿泊町のモットモは、節分の2月3日夜に行われる。年男は、その年の干支の男性がなり、羽織袴で編み笠を被って煎った大豆の入った枡をもつ。福娘は、若い女性が扮し、適当な女性がいない場合は男性も扮する。女性の場合は着物を着て手拭いを被り、男性の場合はさらに顔を白く化粧する。モットモ爺は、古着を着て怪物のマスクなどを被り、長さ140㎝ほどの杖をもつ。この杖は、樹種は決まっていないが、幹が渦を巻いているような独特の形状の木を用いる。そしてこの三者に、家々からの祝儀を受け取る老人1人が付き添う。 夕方、柿泊公民館でこれらの準備をした後、柿泊町を3地区に分けて家々を訪問する。その年にできた班の数をみて、1軒につき2度訪問するように訪問する範囲を調整する。訪問先では、最初に年男が「ごめんなあれ」といって玄関の戸を開けて上がり込み、福娘とモットモ爺が続く。部屋に入ると、年男は「鬼は外」と3度唱えて大豆を撒き、その後を福娘が顔を隠すようにしながら「福は内」と3度唱えてまわる。そして最後にモットモ爺が「モオットモォー」と大声で叫びながら手にした杖で激しく床を突いてまわる。その後、子供のいる家ではモットモ爺が「モオットモォー」と叫びながら子供に襲いかかる。やがて三者が家を出ると、付き添ってきた老人が玄関先で家人から祝儀を受け取る。年男の撒いた大豆は、年齢の数だけ食べると無病息災に過ごせるといわれる。こうして初盆を迎えていない家以外のすべての家を2度ずつ訪問すると行事は終了する。 (解説は選択当時のものをもとにしています)