国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
小豆島農村歌舞伎
ふりがな
:
しょうどしまのうそんかぶき
土庄町肥土山地区
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種別1
:
民俗芸能
種別2
:
渡来芸・舞台芸
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年5月3日(肥土山)、毎年10月第2日曜日(中山)(選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
選択年月日
:
2015.03.02(平成27.03.02)
追加年月日
:
選択基準1
:
(二)芸能の変遷の過程を示すもの
選択基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
香川県
所在地
:
保護団体名
:
肥土山農村歌舞伎保存会、中山農村歌舞伎保存会
土庄町肥土山地区
解説文:
詳細解説
小豆島農村歌舞伎は、香川県小豆島に伝承される民俗芸能で、役者、太夫【たゆう】、裏方すべてを地元住民が担う、西日本を代表する農村歌舞伎の一つである。伝統的に上方歌舞伎との関連が深く、地域的特色が顕著であり、芸能の変遷の過程を示していて貴重である。
本件は、香川県土庄町の肥土山地区と小豆島町の中山地区に伝わる農村歌舞伎で、肥土山では毎年5月3日に肥土山離宮【りきゅう】八幡【はちまん】神社境内の舞台で、中山では10月の第2日曜日に、春日神社境内の舞台でそれぞれ公開されている。
近世以来、上方との往来が頻繁であった小豆島では、その影響から歌舞伎の上演も盛んで、明治の最盛期には掛け小屋や神社・寺院の施設での上演を含めると島内150か所ほどで歌舞伎の上演が行われたといわれる。その後、次第に少なくなり、現在ではこの2地区での奉納上演が残るだけとなった。
伝承演目は、義太夫【ぎだゆう】狂言の時代物、世話物、また純歌舞伎など幅広く、さらに地元の義民伝【ぎみんでん】を仕組んだ独自の演目「金ヶ崎湊荒浪【かねがさきみなとのあらなみ】」もしばしば演じられている。また、演技・演出に上方歌舞伎の影響が見られるという指摘もある。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
土庄町肥土山地区
小豆島町中山地区
写真一覧
土庄町肥土山地区
写真一覧
小豆島町中山地区
解説文
小豆島農村歌舞伎は、香川県小豆島に伝承される民俗芸能で、役者、太夫【たゆう】、裏方すべてを地元住民が担う、西日本を代表する農村歌舞伎の一つである。伝統的に上方歌舞伎との関連が深く、地域的特色が顕著であり、芸能の変遷の過程を示していて貴重である。 本件は、香川県土庄町の肥土山地区と小豆島町の中山地区に伝わる農村歌舞伎で、肥土山では毎年5月3日に肥土山離宮【りきゅう】八幡【はちまん】神社境内の舞台で、中山では10月の第2日曜日に、春日神社境内の舞台でそれぞれ公開されている。 近世以来、上方との往来が頻繁であった小豆島では、その影響から歌舞伎の上演も盛んで、明治の最盛期には掛け小屋や神社・寺院の施設での上演を含めると島内150か所ほどで歌舞伎の上演が行われたといわれる。その後、次第に少なくなり、現在ではこの2地区での奉納上演が残るだけとなった。 伝承演目は、義太夫【ぎだゆう】狂言の時代物、世話物、また純歌舞伎など幅広く、さらに地元の義民伝【ぎみんでん】を仕組んだ独自の演目「金ヶ崎湊荒浪【かねがさきみなとのあらなみ】」もしばしば演じられている。また、演技・演出に上方歌舞伎の影響が見られるという指摘もある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
小豆島農村歌舞伎は、香川県土庄町の肥土山地区と小豆島町中山地区に伝わる芸能で、肥土山では毎年5月3日に肥土山離宮八幡(りきゅうはちまん)神社境内の舞台で、中山では10月の第二日曜日に春日神社境内の舞台でそれぞれ公開されている。 近世以来、上方との往来が頻繁であった小豆島では、その影響から歌舞伎の上演も盛んであり、明治の最盛期には掛け小屋や神社、寺院の施設での上演を含めると島内150か所ほどで歌舞伎の上演が行われたという。その後、娯楽の多様化などにより次第に少なくなり、現在では肥土山と中山の2か所で地元の保存会による奉納上演が残るだけとなった。 小豆島農村歌舞伎の起源は定かではないが、肥土山の伝承では17世紀末にため池完成を祝って芝居が奉納されたのが始まりといわれ、また中山では十九世紀初めの台本が伝わっており、少なくとも18世紀には行われていたと考えられる。 伝承演目は、義太夫狂言では「絵本太功記(えほんたいこうき)」、「仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)」、「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」などの時代物と「艶姿女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」、「冥途の飛脚(めいどのひきゃく)」などの世話物があり、その他「与話情浮名横櫛(よはなさけうきなのよこぐし)」、「青砥草紙花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」などの純歌舞伎も幅広く伝承し、さらに小豆島の義民伝を仕組んだ独自の演目「金ヶ崎湊荒浪(かねがさきみなとのあらなみ)」もしばしば演じられている。また上方の役者との交流が深く、演技・演出に上方歌舞伎の影響が見られるという指摘もある。 農村歌舞伎の奉納に関しては、その年の役者や各役割を決める「ネリガタメ」や、奉納当日の桟敷を決める「桟敷割り」、奉納後にその年の打ち上げをする「ドウヤブツ」など、上演当日以外にも地区内で様々な行事があり、また奉納当日に桟敷に持参し客をもてなす「ワリゴ弁当」も独自の風習として受け継がれている。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)