国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
東坊城のホーランヤ
ふりがな
:
ひがしぼうじょうのほーらんや
〇境内で担がれる大松明
写真一覧▶
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開期日:毎年8月15日(選択当時:お出かけの際は該当の市町村教育委員会にお問い合わせください)
選択番号
:
627
選択年月日
:
2020.03.16(令和2.03.16)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
奈良県
所在地
:
保護団体名
:
ホーランヤ奉賛会
〇境内で担がれる大松明
解説文:
詳細解説
東坊城のホーランヤは、奈良県橿原市東坊城町の春日神社と八幡神社に伝承される盆の火祭りである。燃えさかる巨大な松明を担いで境内を練り歩く行事で、毎年8月15日に行われる。行事の担い手は、東坊城町と隣の古川町で15歳以上の氏子の男性が中心になる。現在は、ホーランヤ奉賛会によって行事が伝承されている。
行事の日は、早朝から松明が作られる。各地区に男衆が集まり、大松明に加えて役松明という小さな松明を準備する。松明の材料は、菜種殻、小麦藁、笹竹、青竹を使う。松明の大きいものは、高さ約3m、直径約2m、重さ約500kgにもなる。
行事の日の午前中に各地区で作った松明は、午後になって男衆が神社に運び込む。松明行事は先に春日神社で行い、次に八幡神社でも行う。行事が始まると、松明は境内で順に担がれ燃やされていく。役大松の場合は氏子が一人で担ぎ、火をつけて境内を周回する。一方で大松明は、浴衣姿の氏子たちが大勢で担いで回る。氏子たちが「エッサーホイサー」の掛け声に合わせて燃えさかる大松明を担ぎ、境内を練り歩く。担ぎ終えた松明は、順に境内の中央に立て置いて燃やし続け、神前に奉納される。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
〇境内で担がれる大松明
〇役松明の奉納
写真一覧
〇境内で担がれる大松明
写真一覧
〇役松明の奉納
解説文
東坊城のホーランヤは、奈良県橿原市東坊城町の春日神社と八幡神社に伝承される盆の火祭りである。燃えさかる巨大な松明を担いで境内を練り歩く行事で、毎年8月15日に行われる。行事の担い手は、東坊城町と隣の古川町で15歳以上の氏子の男性が中心になる。現在は、ホーランヤ奉賛会によって行事が伝承されている。 行事の日は、早朝から松明が作られる。各地区に男衆が集まり、大松明に加えて役松明という小さな松明を準備する。松明の材料は、菜種殻、小麦藁、笹竹、青竹を使う。松明の大きいものは、高さ約3m、直径約2m、重さ約500kgにもなる。 行事の日の午前中に各地区で作った松明は、午後になって男衆が神社に運び込む。松明行事は先に春日神社で行い、次に八幡神社でも行う。行事が始まると、松明は境内で順に担がれ燃やされていく。役大松の場合は氏子が一人で担ぎ、火をつけて境内を周回する。一方で大松明は、浴衣姿の氏子たちが大勢で担いで回る。氏子たちが「エッサーホイサー」の掛け声に合わせて燃えさかる大松明を担ぎ、境内を練り歩く。担ぎ終えた松明は、順に境内の中央に立て置いて燃やし続け、神前に奉納される。
詳細解説▶
詳細解説
東坊城のホーランヤは、奈良県橿原市東坊城町に伝承される盆の火祭りである。ホーランヤという名称は、この行事で松明を担ぎ回る時の掛け声だったとも言われている。盆の時期の精霊送りの行事として伝えられており、当地では、旱魃や虫害、疫病などをもたらす死霊や疫神を追い退ける伝承が強調されている。 橿原市は、奈良県北西部の奈良盆地にある。東坊城町は、市域の南西部に位置し、曽我川流域の農村地帯である。ホーランヤは、この町内の春日神社と八幡神社の境内で、毎年8月15日に行われる。 ホーランヤは、東坊城町の春日神社と八幡神社の氏子による行事である。現在は、ホーランヤ奉賛会が組織され、東坊城町の大北、川端、弓場、出垣内、万田の各地区と、隣接する古川町において、15歳以上の男性が中心になって行事を伝承している。 ホーランヤ前夜の8月14日は、宵松明の行事がある。川端地区の「下の車屋」と呼ばれる旧家の村島家から小さな松明が奉納され、八幡神社の境内で燃やされる。 8月15日は、早朝から各町内に男性だけで集まり、午前中に大松明に加えて役松明という小さな松明を作る。大松明は、大きさが町内ごとに異なるが、大きいものは高さ約3m、直径約2m、重さ約500kgにもなる。また、役松明は、高さ約1m、直径約50cm、重さ約30kgである。松明を作るには、菜種殻、小麦藁、笹を芯にして、その周囲を、半分に割った青竹を荒縄で簾状にして巻きつけていく。次に、松明の形を整えてから、縄で胴締めをする。最後に、松明の胴に御幣を取りつけ、正面にエビと呼ばれる注連飾りをつけて完成となる。 午後1時頃、弓場地区の春日神社に、この弓場地区に加えて、川端、大北、出垣内の三地区から松明が運び込まれる。そして、4基の大松明と2基の役松明が拝殿の前に並べられる。神事の後、四地区は灯明の火を神職から授かる。まず、弓場の役松明が境内に担がれて出てくる。この役松明は、氏子が1人で担いで境内を右回りに1周し、次に火をつけて2周する。そして拝殿前まで来ると役松明を下ろして、境内の中央に立て置く。次に、弓場の大松明が境内に出てくる。この大松明は、浴衣姿に手拭で頭を覆った大勢の氏子たちに担がれて出てくる。大松明は、オーコと呼ばれる3本の担ぎ棒に横倒しに乗せられ、神輿のように担ぐ。氏子たちは「エッサーホイサー」の掛け声とともに、まずは火をつけないで境内を右回りに1周して練り歩く。次に、大松明に火がつけられて炎と煙で燃え盛るなか、氏子たちが担いで境内を2周する。途中、境内の端まで来ると立ち止まり、氏子たちは「ワッショイワッショイ」の掛け声とともに大松明を大きく揺らす。周回を終えた大松明は、境内の中央に立て置かれ、燃やされ続ける。その後も同様に、川端の役松明と大松明、大北の大松明、出垣内の大松明の順に続く。すべての松明が燃やされると、皆で手打ちをして春日神社での行事が終わる。 午後3時頃、次は、約1km離れた万田地区の八幡神社の境内に、6基の大松明と3基の役松明が運び込まれる。大松明は、大北、川端、弓場、万田、出垣内、古川町から1基ずつである。役松明は、大北、出垣内、古川町から1基ずつである。このうち古川町では、最も大きな松明を作ることになっている。神事の後、こちらの神社でも、まずは松明に点火せずに、浴衣姿の氏子たちが大松明を担いで境内を右回りに1周する。次に、火をつけて2周する。周回を終えた大松明は、境内の中央に立て置かれ、燃やされ続ける。順番は、大北、川端、弓場、万田、出垣内、古川町と続く。大松明が終わると、拝殿前に大北、出垣内、古川町の3基の役松明を並べて火がつけられる。その周囲に担ぎ手たち全員が集まり、最後に手打ちをして、すべての行事が終わる。