国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
山陰の大凧揚げ習俗
ふりがな
:
さんいんのおおだこあげしゅうぞく
山陰の大凧揚げ習俗
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
人生・儀礼
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年3~5月(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『山陰の大凧揚げ習俗』(企画文化庁・制作さいたま民俗文化研究所・平成22年11月30日)
※所在地が2都県以上にわたる広域な選択です。
選択番号
:
1
選択年月日
:
1994.12.13(平成6.12.13)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
山陰の大凧揚げ習俗
解説文:
詳細解説
山陰の大凧揚げ習俗は、5月の端午の節供を中心とした時期に、子どもの初誕生などを祝って大きな凧を揚げる習俗である。島根県では隠岐島後を中心として、周囲にいくつかのくりこみをつけた「いぐり凧」が現在もみられ、鳥取県下でも大山町を中心に、大凧を作って凧合戦をしたことが報告されている。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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山陰の大凧揚げ習俗
山陰の大凧揚げ習俗
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山陰の大凧揚げ習俗
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山陰の大凧揚げ習俗
解説文
山陰の大凧揚げ習俗は、5月の端午の節供を中心とした時期に、子どもの初誕生などを祝って大きな凧を揚げる習俗である。島根県では隠岐島後を中心として、周囲にいくつかのくりこみをつけた「いぐり凧」が現在もみられ、鳥取県下でも大山町を中心に、大凧を作って凧合戦をしたことが報告されている。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
凧は東アジアおよび東南アジアに伝播の中心をもつ遊具とされ、世界の各地に広く分布している。しかし、凧はまた単なる遊具にとどまらず、それぞれの地域の伝統的な行事や生活習俗のなかで重要な位置を占めている。 我が国の凧揚げの習俗は、江戸時代中期以降に広く盛行し、その後は正月の風物詩として親しまれてきたが、各地には正月以外の季節に凧揚げをする例が多く、むしろこのほうが本来の姿ではなかったかと考えられる。 このなかで、5月の端午の節供に子どもの初誕生を祝って大きな凧を揚げる習俗が、我が国の各地にみられる。この習俗は子どもの成長祈願を主とするもので、周囲の人びとが力を合わせて祝うことが多く、また地域によっては、いわゆる凧合戦とよばれる競技の要素を伴うことが知られている。 山陰地方でも、男子の出生祝いとして大凧を揚げる習俗が広くみられた。 島根県には、周囲にいくつかのくりこみをつけた「いぐり凧」(えぐり凧)があり、現在も毎年凧揚げ大会が開かれている地域がある。 隠岐にもこのいぐり凧は伝承され現在もみられるが、武者の絵を描いているところから「みしや凧」と呼ぶこともある。隠岐島後ではこれまでの記録的な大凧は、12畳の大きさであった。現在は、2畳未満くらいの大きさが一般的である。また、いぐり凧のもう1つの特徴として、凧の上部につけた藤製の弦の唸りである。この弦音の大きさも競いあう対象になっている。 鳥取県下でも、かつては西伯郡大山町を中心に、2畳ないし6畳の大凧を作り、凧合戦をしたことが報告されている。 このように、これらの地域は伝統的な大凧揚げの習俗をよく残していることから、この習俗について、凧の製作技術等にも留意しながら、早急に記録を作成する必要があるものである。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)