国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
アイヌの建築技術及び儀礼
ふりがな
:
あいぬのけんちくぎじゅつおよびぎれい
アイヌの建築技術及び儀礼(チセ建築中・3段目の茅)
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
記録:アイヌ民俗技術調査6住に関する民俗技術(北海道教育委員会・平成27年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1960.03.00(昭和35.03.00)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
北海道
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
アイヌの建築技術及び儀礼(チセ建築中・3段目の茅)
解説文:
詳細解説
本件は、アイヌの人々が生活した住居である「チセ」に関する建築技術及び儀礼等の習俗である。チセは、野山に自生する草木を材料として建築された住居で、柱や梁、桁には栗、楢、榛の木など、これらの木材の結束には蔓類、壁や屋根には葭や笹、樹皮などが用いられた。独特の形状をした屋根を、四隅に建てた4本の柱の上に乗せた簡易な構造をしており、内部は炉が切られ、炉を中心として家族の座る場所などが決まっていた。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
アイヌの建築技術及び儀礼(チセ建築中・3段目の茅)
アイヌの建築技術及び儀礼(チセコテノミ・地鎮祭)
アイヌの建築技術及び儀礼(チセノミ・新築祝)
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アイヌの建築技術及び儀礼(チセ建築中・3段目の茅)
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アイヌの建築技術及び儀礼(チセコテノミ・地鎮祭)
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アイヌの建築技術及び儀礼(チセノミ・新築祝)
解説文
本件は、アイヌの人々が生活した住居である「チセ」に関する建築技術及び儀礼等の習俗である。チセは、野山に自生する草木を材料として建築された住居で、柱や梁、桁には栗、楢、榛の木など、これらの木材の結束には蔓類、壁や屋根には葭や笹、樹皮などが用いられた。独特の形状をした屋根を、四隅に建てた4本の柱の上に乗せた簡易な構造をしており、内部は炉が切られ、炉を中心として家族の座る場所などが決まっていた。
詳細解説▶
詳細解説
アイヌの建築技術及び儀礼は、アイヌの人々が生活した「チセ」と呼ばれる住居に関する建築技術及び儀礼等の習俗である。チセは、地域による若干の違いもあるが、基本的に野山に自生する草木を材料として建築される。例えば、柱や梁、桁には栗、楢、榛の木など腐りにくく長持ちする木を利用し、これらの木材の結束には蔓類が用いられ、壁や屋根には葭や笹、樹皮などが葺かれた。 チセの構造・建築様式をみると、基本的な形状は長方形で、これに明かりをとる通常の窓のほか、神が出入りするという窓も設けられる。屋根は、桁や梁の上に3本の木で組まれた三脚状の木組みを2組乗せ、その上に棟木を乗せる独特の形状をしており、これを内側に若干傾斜させたるようにして四隅に建てられた柱の上に乗せる。また、一定間隔で間柱が立っており、壁は葭や笹などを用いて隙間のないように押しつけるように厚く葺いたもので断熱効果もあった。 内部は、中心に炉が切られ、炉を中心として家族の各員の座る場所や寝る場所などが決まっていた。家族はこの炉を囲んで、それぞれの仕事をしたり、一家団らんの時を過ごした。 本件は、アイヌの人々の日常生活の特色をよく示すものとして注目される。しかし、チセは、明治以降、生活文化の大きな変化などにより、徐々にその数を減らし、現在、生活・居住の場として利用されているものはほとんどなくなっていることから、その建築技術や儀礼について早急に記録作成する必要がある。