記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
 主情報
名称 吹浦延年
ふりがな ふくらえんねん
吹浦延年
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種別1 民俗芸能
種別2 延年・おこない
その他参考となるべき事項
選択番号 1
選択年月日 1991.02.02(平成3.02.02)
追加年月日
選択基準1
選択基準2
選択基準3
所在都道府県、地域 山形県
所在地
保護団体名 吹浦田楽保存会
吹浦延年
写真一覧
解説文:
 延年は平安時代の末から鎌倉、室町時代にかけて盛大に行われた芸能の一形式であり、その名は「遐命延年【かれいえんねん】」に由来し、芸能によって気分をなごやかにし長寿壽福を得るという意味とされる。寺院の法要の後に一山の衆徒や雅児などによって演じられた様々な芸能を総称するが、しだいに一定の形式が整えられたことが奈良興福寺の延年に関する史料等で確かめられている。演じられた芸能の種類は舞楽や田楽、猿楽、風流などである。近畿地方の諸大寺をはじめ全国の寺院で広く行われていたが、室町時代以降、徐々に行われなくなり、現在では、わずかに各地の社寺にそのおもかげを留めるのみとなっているが、中世に行われた芸能の姿を知り、能楽など現在の伝統芸能を考える上で重要なものである。
 山形県の鳥海山上に奥宮を持つ大物忌神社への登山口にあたる遊佐町の吹浦と蕨岡には大物忌神社口の宮があり、それぞれに同社の神宮寺で行われたとされる延年の一部を伝承している。
 吹浦延年は、毎年五月八日の吹浦口の宮の例大祭に行われるものであり、「花笠舞」「大小の舞」「諾冊二神の舞」など田楽や舞楽をしのばせる演目が演じられる。これらは、かつて一山二十八坊の山伏によって伝承され、それぞれの家の長男が一六歳より、まず花笠舞に奉仕し、次に楽を担当するなど厳密な約束があったと伝えられているが、現在では地区の人々によって伝承されている。
関連情報
    (情報の有無)
  添付ファイル なし