国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
浜中のケヤキキョウダイ(契約姉妹)
ふりがな
:
はまなかのけやききょうだい
浜中のケヤキキョウダイ(籤を引く)
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
社会生活(民俗知識)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年12月28日・12月31日~1月1日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『浜中のケヤキキョウダイ』(温海町・平成11年3月26日)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1993.11.26(平成5.11.26)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
山形県
所在地
:
保護団体名
:
ケヤキキョウダイ(契約姉妹)保存会
浜中のケヤキキョウダイ(籤を引く)
解説文:
詳細解説
この習俗は、満12歳と13歳の少女らが、籤を引いてキョウダイの契りを結ぶ相手を決めるものである。キョウダイの契りを結ぶと籤を川へ流す。その後、大晦日に定められた宿に集まって元旦の昼まで共に過ごし、丸餅を交換して食べ、1つの床に寝る。この習俗は、成女儀礼の1つと考えられるが、その後も生涯を通じて交際が続けられる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
浜中のケヤキキョウダイ(籤を引く)
浜中のケヤキキョウダイ(藁を握ったまま川へ下る)
浜中のケヤキキョウダイ(籤を川へ流す)
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浜中のケヤキキョウダイ(籤を引く)
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浜中のケヤキキョウダイ(藁を握ったまま川へ下る)
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浜中のケヤキキョウダイ(籤を川へ流す)
解説文
この習俗は、満12歳と13歳の少女らが、籤を引いてキョウダイの契りを結ぶ相手を決めるものである。キョウダイの契りを結ぶと籤を川へ流す。その後、大晦日に定められた宿に集まって元旦の昼まで共に過ごし、丸餅を交換して食べ、1つの床に寝る。この習俗は、成女儀礼の1つと考えられるが、その後も生涯を通じて交際が続けられる。(※解説は指定当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
浜中は、小国川の河口に広がる戸数70戸ほどの小さな集落である。 この習俗は、満12歳と13歳の少女らが、12月20日過ぎの吉日を選んで籤を引き、キョウダイ契りを結ぶ相手を決める。ただし、近年は28日に行うことが多い。 籤は藁を二つ折りにし、同じ藁を引き合った者同士がキョウダイの契りを結ぶ。籤を引く場所は、産土神社の境内の場合もあるが、公民館の場合もある。籤引きの世話は、前年および前々年のケヤキキョウダイが行う。 籤でキョウダイが決まると、籤を握ったまま川へ下り、岸辺から川へ流す。籤が川を下って見えなくなるまで見送り、先輩から大晦日の宿のしきたりや守るべきことなどの注意を受ける。その後神社の境内まで戻るが、その時決して後ろを振り返ってはいけないとされている。 大晦日の午後、まだ陽のあるうちに早めの夕食を取り、かねて定めた宿に寝具を持って集まってくる。大晦日の夜から翌元旦の昼までは、少々の餅や菓子・果物以外のものを食べてはいけないとされ、これを断食とよんでいる。この時、各自が持参した丸餅をキョウダイが交換して食べる。その後、1つの床に一組のキョウダイが寝る。これは一種の儀式であり、3年にわたって同様のことが行われる。 古老の間では、元旦の昼までの断食のことを「ホウジケ、ダンジケ」と言い慣わしてきた。ダンジケは断食であるが、ホウジケとは、ホウズキ(酸漿)のことで、女の子たちの遊び具になる植物である。青い実が順次赤く熟することを、少女から大人になることにたとえているといわれている。昔は、「ケヤキキョウダイの行がすめば、嫁にいってもよい」といわれており、成女儀礼の1つとも考えられる。 ケヤキキョウダイは、子どもの頃、共に遊びや勉強をしているうちに仲よくなる。さらに学校を卒業してのち、田畑仕事などではユイの相手にするほか、お産や病気の時にも力になり、生涯を通じた相談相手として交際が続けられる。しかも、ケヤキキョウダイは、2人の関係のほかに大勢の仲間という二重の関係をもっている。この2つの関係が、女の一生すなわち娘・嫁・主婦・老後の各時代を通じて続くものであり、村のなかでの同年齢的集団の基盤となり、かつての農村社会を支えてきたとされる。 (※解説は指定当時のものをもとにしています)