国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
湯津上のダイモジ(大捻縄)引き
ふりがな
:
ゆづがみのだいもじひき
湯津上のダイモジ(大捻縄)引き
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
娯楽・競技
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年8月14日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『湯津上のダイモジ引き』(企画文化庁・製作(株)TEM研究所・令和2年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1993.11.26(平成5.11.26)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
栃木県
所在地
:
保護団体名
:
佐良土区
湯津上のダイモジ(大捻縄)引き
解説文:
詳細解説
この行事は、関東地方の千葉県北部から茨城県中南部にかけて広くみられる、盆の行事として綱を引いたり担いだりする行事の一例であり、その分布の最北端に位置するものである。3つの地区が順番で当番を務め、当番と他の2つの地区とが引き合う。大縄引きに勝つと豊作や家内安全・村内繁栄となるという。引き終えた大縄は諏訪神社に奉納され、村相撲の土俵に使われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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湯津上のダイモジ(大捻縄)引き
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湯津上のダイモジ(大捻縄)引き
解説文
この行事は、関東地方の千葉県北部から茨城県中南部にかけて広くみられる、盆の行事として綱を引いたり担いだりする行事の一例であり、その分布の最北端に位置するものである。3つの地区が順番で当番を務め、当番と他の2つの地区とが引き合う。大縄引きに勝つと豊作や家内安全・村内繁栄となるという。引き終えた大縄は諏訪神社に奉納され、村相撲の土俵に使われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
我が国には、小正月や盆、十五夜などの季節の折り目に綱を引きずったり引き合ったりする行事が広く分布していたが、一部の地方を除き、その多くは社会状況の変化などに伴って本来の形が変容したり、行事そのものが消滅しつつある。 現在各地に残っている綱引きの行事は、多様な展開をみせているが、元来は庶民の信仰に根ざしたもので、その根底には生業や人生などに対する願いが込められてきた。 関東地方では、千葉県北部から茨城県中南部にかけて、盆の行事として綱を引いたり担いだりする例が見られる。この地方の綱引きの特色は、盆の仏迎えとしての意識が濃厚にみられ、また行事の主体が子どもたちにあるというところにある。 栃木県内でも、かつては那須郡や芳賀郡の一部で綱引きが行われたことが伝えられているが、現在では那須郡湯津上村大字佐良土に伝わる旧盆の綱引きのみが残っている。 この行事は、佐良土の仲宿・古宿・田宿の3地区が順番で当番を務め、区内の老若男女がこぞって参加して行われる。当番宿は村内の農家から集めた稲藁で直径50㎝、長さ50㍍ほどの大縄を左縒りで綯いあげる。この地方では縄を綯うことをモジルといい、これが行事名の起こりとなっている。 8月14日夜、当番宿の指定した道路上で当番宿と他の2つの二宿の合同体とが対抗して引き合う。かつてはそれぞれの宿ごとに大縄を用意し、他の2つの宿と引き合った。この大縄引きに勝った地区は、豊作や家内安全・村内繁栄がもたらされるといい、互いに大縄の切れるまで引き合う。引き終えた大縄は鎮守の諏訪神社例祭に奉納され、村相撲の土俵に使われる。これは当番宿が奉納することになっており、当番宿はこのためにも負けられないものであった。 このようにこの行事は、関東地方に現存している盆綱引きの最北端に位置するものであり、伝統的な習俗をよく残している。よって、記録作成を行う必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)