国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
東松山上岡観音の絵馬市の習俗
ふりがな
:
ひがしまつやまかみおかかんのんのえまいちのしゅうぞく
東松山上岡観音の絵馬市の習俗
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年2月19日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『東松山上岡観音の絵馬市の習俗』(東松山市教育委員会・平成13年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1998.12.01(平成10.12.01)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
埼玉県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
東松山上岡観音の絵馬市の習俗
解説文:
詳細解説
この習俗は、馬頭観音が祀られている妙安寺の観音堂で毎年2月19日に行われる絵馬市の習俗である。観音堂にのぼる階段の脇に絵馬を売る店が立ち、上岡観音絵馬講の人びとが小絵馬を売る。参詣者は絵馬を購入すると、観音堂に参詣した後、厩の入口にこれを打ち付けて牛馬の災難除けにする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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東松山上岡観音の絵馬市の習俗
東松山上岡観音の絵馬市の習俗
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東松山上岡観音の絵馬市の習俗
解説文
この習俗は、馬頭観音が祀られている妙安寺の観音堂で毎年2月19日に行われる絵馬市の習俗である。観音堂にのぼる階段の脇に絵馬を売る店が立ち、上岡観音絵馬講の人びとが小絵馬を売る。参詣者は絵馬を購入すると、観音堂に参詣した後、厩の入口にこれを打ち付けて牛馬の災難除けにする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
東松山上岡観音の絵馬市の習俗は、馬頭観音が祀られている妙安寺(曹洞宗)の観音堂で毎年2月19日に行われる。観音堂にのぼる階段の脇に絵馬を売る店が立ち、上岡観音絵馬講の人びとが小絵馬を売る。現在は妙安寺でも絵馬の店が立つ。絵馬市で購入した絵馬は、厩の入口に打ち付けて、牛馬の災難除けにする。 この絵馬は、絵馬屋である熊谷市久下の小板家が作っているものである。絵馬の大きさは、横幅の違いで6寸、8寸、1尺、1尺2寸の4種類に分かれ、6寸を小物、8寸と1尺を中物、1尺2寸を大板という。馬の絵柄の小絵馬にはタチ(立ち馬)とハネ(跳馬)の2種類があり、6寸と8寸は1頭立ちで、1尺と1尺2寸はツナ(繋ぎ馬)といって7頭立てである。馬にはそれぞれ7種類の毛並みの別があるという。また、農家での馬の飼育が減り、代わって牛の飼育が増えたために、牛を描いた絵馬もある。かつては、時代に合わせて、乳牛や豚、耕耘機などの絵柄の絵馬が売られていた時期もあった。 昭和30頃までは絵馬の総売上数が1000枚を超えていたが、現在は農家がほとんど馬を飼わなくなったため、絵馬の頒布数は激減している。しかし、いっぽうで今では関東地域の競馬場の厩舎や乗馬クラブの関係者が絵馬を買い求めるようになっており、馬の守護神である上岡の馬頭観音の信仰を伝えている。 観音堂の境内と妙安寺との間の広場には露天市も立ち、100軒近い露店商が集まる。食べ物や玩具などの店が多いが、金物・木工品・靴・竹細工などの生活用品や植木、花、それにダルマなどの縁起物を売る店もあり、農繁期前の市の姿をよく残している。 埼玉県内では熊谷市の龍泉寺など6か所の寺院で絵馬市が立っていたことが知られているが、現在は上岡観音堂での絵馬市だけとなっている。農業の機械化や生活様式の変化により、上岡観音の絵馬市も変貌を余儀なくされ、存亡の危機に立たされているが、関東地方の絵馬頒布の様相をよく伝えており、民間信仰にかかわる市立ての習俗としても貴重である。よって記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択する。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)