国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
能登のキリコ祭り
ふりがな
:
のとのきりこまつり
能登のキリコ祭り
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
映像:『能登のキリコ祭り』(企画文化庁・制作TEM研究所・平成24年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1997.12.04(平成9.12.04)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
石川県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
能登のキリコ祭り
解説文:
詳細解説
能登半島には、木枠に組んだ大型の灯籠を担いで神輿に供奉し神幸の明かしとする行事が分布する。灯籠はキリコ・ホートー・オアカシなどと呼ばれるが、一般にキリコと呼ばれる。祭りは夏から秋にかけて行われ、キリコ祭りと総称される。宵祭りに神社に参集したキリコが、神輿に従って水辺に設けられたお旅所に向かい、そこで柱松を焚いて祭典を行う形をとるものが多い。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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能登のキリコ祭り
能登のキリコ祭り
能登のキリコ祭り
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能登のキリコ祭り
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能登のキリコ祭り
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能登のキリコ祭り
解説文
能登半島には、木枠に組んだ大型の灯籠を担いで神輿に供奉し神幸の明かしとする行事が分布する。灯籠はキリコ・ホートー・オアカシなどと呼ばれるが、一般にキリコと呼ばれる。祭りは夏から秋にかけて行われ、キリコ祭りと総称される。宵祭りに神社に参集したキリコが、神輿に従って水辺に設けられたお旅所に向かい、そこで柱松を焚いて祭典を行う形をとるものが多い。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
能登半島には、木枠に組んだ大型の灯籠を担いで神輿に供奉し神幸の明かしとする行事が広く分布している。 この灯籠は、キリコ(切子)・ホートー(奉灯)・オアカシ(御明かし)などと呼ばれているが、一般的にはキリコと呼ばれる。 キリコのでる祭りは、主に夏から秋にかけて行われ、キリコ祭りと総称されている。これらの祭りでは、宵祭りに神社にキリコが参集し、神輿に従って水辺に設けられたお旅所に向かい、そこで柱松を焚いて祭典を行う形をとるものが多い。 キリコは、いわゆる切子灯籠の略称で、初めは笹竹に角灯を吊るしただけの笹ギリコやレンガクと呼ばれる簡素なものであったようだが、文化・文政期を境に現在のような本格的なキリコが出現し、意匠や華麗さを競うようになったと考えられている。 キリコの形態や行事内容は、地域ごとに多彩な展開を示している。例えば、8月7・8日に行われる旧能都町宇出津のキリコ祭りは、俗にあばれ祭りなどとも呼ばれ、宵祭りには多数のキリコが大松明の周囲を乱舞し、本祭りには八坂神社の神輿が若者たちによって海中や火中に投げ込まれるなどの特色をもっている。このほか、大松明につけられている御幣を奪い合う輪島市南志見の水無月祭りや総輪島塗のキリコが出る輪島大祭、キリコの海中乱舞が見られる珠洲市鵜飼の宝立七夕キリコ祭り、豪華な山車の上に箱形と紙張りの人形灯籠を飾る珠洲市飯田地区の飯田灯籠山祭りなどがある。 6月の輪島市祭りに奉納される笹キリコは、先端部に笹を残した青竹に行灯をつけたもので、現在では町内ごとに趣向を凝らす山車とともに奉納され仮装行列の趣を呈しているが、本来は神輿の渡御に供奉する奉灯から出たといわれるキリコの原初的な形態をうかがわせるものである。 また、旧能都町鵜川のニワカ祭りに奉納されるキリコは、ソデギリコという横長で袖のついた形をしたもので、縦長長方形のものとは一種趣を異にしたものである。 穴水町中居南の日吉神社の秋季例祭に奉納されるレンガクは、海上を渡御する神輿を囲むように立てられるもので、2段に作った高さ1㍍、幅60㎝、厚さ20㎝ほどの各灯籠に上下2本ずつの蝋燭を立て、中心に3㍍ほどの竹を刺した簡単な作りのものである。 内浦町小木では春祭りには子どもが、夏祭りには若者が、秋祭りには壮年の者がそれぞれソデギリコを出す。ソデギリコの起源は明らかではないが、奴凧に似た形で袖付の夜着を思わせる形からその名がついたという。かつては高さ4間半(8.1㍍)、幅11間(19.8㍍)もの大きさがあったというが、現在は高さ5㍍、幅7㍍ほどに小型化している。 このように能登地方のキリコは、そのほとんどが秋の収穫感謝の祭りや、夏の納涼の祭りに奉納されているが、珠洲市一円ではそれ以外にも月遅れの8月7日を中心とする七夕や盆の行事にも登場する。七夕行事はかつては能登地方各地で行われていたが、七夕ギリコが担ぎ出されて現在まで盛大に行われているのは珠洲市一円に限られており特色ある行事となっている。 キリコは、能登半島独特のものであり、その中にも地域的特色がみられ貴重であることから早急に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)