国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
戸沢のねじ行事
ふりがな
:
とざわのねじぎょうじ
戸沢のねじ行事
写真一覧▶
解説表示▶
種別1
:
風俗慣習
種別2
:
人生・儀礼
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年2月7・8日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『戸沢のねじとうまひき行事』(真田町教育委員会・平成13年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1996.11.28(平成8.11.28)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
長野県
所在地
:
保護団体名
:
戸沢のねじと馬引き保存会
戸沢のねじ行事
解説文:
詳細解説
この行事は、子ども、特に初生子の無事成長を願って行う行事である。7日夜にねじという供物を作り、8日早朝、台車に乗せた藁馬にねじを背負わせ、道祖神にお参りする。道祖神にねじを供えるとともに、集まった家の間でねじを交換する。ねじは持ち帰って食べると風邪をひかないという。最後に藁馬を屋根の上に投げ上げて行事は終わる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
戸沢のねじ行事
戸沢のねじ行事
戸沢のねじ行事
写真一覧
戸沢のねじ行事
写真一覧
戸沢のねじ行事
写真一覧
戸沢のねじ行事
解説文
この行事は、子ども、特に初生子の無事成長を願って行う行事である。7日夜にねじという供物を作り、8日早朝、台車に乗せた藁馬にねじを背負わせ、道祖神にお参りする。道祖神にねじを供えるとともに、集まった家の間でねじを交換する。ねじは持ち帰って食べると風邪をひかないという。最後に藁馬を屋根の上に投げ上げて行事は終わる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
子どもの順調な生育を願って行われる民俗行事は、多様な形態を有しながら、我が国の各地に広く伝承されてきている。なかでも初生子に関する行事には注目されるものが多い。 戸沢のねじ行事もその1つで、2月7日夜に親戚や近所の人たちが集まり、子どもの無事成長を祈って、ねじという供物を作る。 ねじは、粳米の粉に水を加えて練って、葉がけ(木の葉型)・ガラガラ・花・鳩・巾着・鯛・十二支・野菜・果物などを象り、食紅や緑の色粉で彩色し、蒸して作ったものである。 この行事は、小さな子どものいる家で行われるが、特に初生子のいる家では「初市」と呼んで祝い、ねじ作りの後に盛大に宴会を開く。そのため、一般の家庭では2~3㍑ほど使う米粉を、初市の家では10㍑前後も用いるという。 初生子の生まれた家では、行事の1週間前頃、男衆が縦横80㎝ほどの藁馬と、この藁馬を乗せる台車を作る。この台車は、長さ60㎝・幅40㎝の浅い箱状の台に、直径15㎝ほどの丸太を輪切りにした車輪を4個装着したものである。この台車は大切に保存しておき、5~10年ほど使用する。 8日早朝、ねじを3個ずつ藁苞に包み、藁馬に背負わせる。この藁苞1つを一俵という。ねじを背負った藁馬を台車に乗せ、親子連れで戸沢集落の中央の三叉路にある道祖神にお参りする。初生子は盛装した母親が背負う。 このとき、道祖神に一俵のねじを供え、子どもの無病息炎を祈る。集まった家の間で、残ったねじや重箱などに入れて持参したねじを交換する。交換したねじより、自作したねじのほうが上手にできていると、縁起が良いと喜ぶ。供えられたねじや交換したねじを持ち帰って食べると、風邪をひかないという。また、親戚やお祝いをもらった家にも一俵ずつねじを配り、最後に藁馬を屋根の上に投げ上げて行事は終わる。 この行事は、ねじと呼ばれる供物の形態の多様さとともに、この地方における道祖神行事と子どもの成長祈願の習俗が結びついた地域的特色をよく示すものであり、早急に記録を作成する必要があるものである。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)