国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
讃岐の馬節供
ふりがな
:
さぬきのうませっく
讃岐の馬節供
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年旧暦8月1日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
映像:『讃岐の馬節供』(普及編・記録編)(企画文化庁・製作桜映画社・平成22年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1996.11.28(平成8.11.28)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
香川県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
讃岐の馬節供
解説文:
詳細解説
この行事は、西讃岐地方で、旧暦8月1日を馬節供・八朔節供などと呼んで、団子馬と武者人形を床の間に飾って初男子の祝宴を行うものである。飾った団子馬は、後に壊して親戚や近所に配り、人びとは縁起がよいといって醤油をつけて焼いて食べる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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讃岐の馬節供
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讃岐の馬節供
解説文
この行事は、西讃岐地方で、旧暦8月1日を馬節供・八朔節供などと呼んで、団子馬と武者人形を床の間に飾って初男子の祝宴を行うものである。飾った団子馬は、後に壊して親戚や近所に配り、人びとは縁起がよいといって醤油をつけて焼いて食べる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
我が国では8月1日の八朔には、農耕習俗・贈答習俗など、さまざまな行事が行われてきた。瀬戸内海沿岸の各地では、馬形や人形などを飾る習俗が分布しているが、これらはもとは新米で作ったと伝えられ、豊穣を期待する稲作儀礼に源があると考えられている。 なかでも香川県の西讃岐地方では、旧暦8月1日を、ウマゼック(馬節供)・ハッサクゼック(八朔節供)・ハツウマ(初馬)・シシコンマなどと呼び、男児の節供として祝う習俗が伝承されている。 この日、各家では、母方の実家から贈られた、前脚を上げて疾駆する姿のダンゴウマ(団子馬)と武者人形(甲胄飾り等)を床の間に飾り、初男子の祝宴を行う。この団子馬は、その後に壊して親戚や近所に配る。人びとは縁起がよいといって、このかけらに醤油をつけて焼いて食べる。特に足の悪い人には馬の脚の部分をあげると喜ばれるともいう。 団子馬は、現在、しんこ屋に注文して作ってもらうことが多いが、なかには近隣の上手な人に頼むこともある。厚板の台上に組んだ針金などの骨と腹部分の桐の木に団子をくっつける。この団子は、粳米の粉8割に2割の糯米の粉を混ぜて水を注いでこねて、こぶし大に丸めて蒸し、臼で搗いたものである。 団子馬の顔は、子どもに似せて作るとされ、たてがみは苧を植え込み、腹には縮緬の飾り布を巻き、紅白の縮緬の手網をつける。男親が団子馬に色を塗り、陽根を作って取りつける。女親は団子馬の口に轡を装着する。これは女親の言いつけに従うようになるからだという。団子馬の大きさは、1斗の米粉を用いたもので、全高が90㎝ほどになる。大きなものになると、2斗の米粉で作る団子馬もある。また、腹部に団子をつけない場合は、別に鯛型の団子をつくることもある。 『西讃府志』(天保10年から嘉永5年に編纂された地誌)にも「八月八朔、此の日田実トテ男子ノアル家ニハ、米の粉ノ男子ニテ馬ヲ作リテ飾ル、是猪駒ト云、子生レテ初テナルハ、初馬トテ親シキ人ナト招キ、宴ナド設ケテ祝フモアリ」と記されており、団子馬の製作はこの頃からすでに行われていたものと思われる。 この行事は、子どもの生育儀礼にともなう地域的特色の豊かな八朔行事として注目されることから、早急に記録を作成する必要があるものである。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)