国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
大分の鏝絵習俗
ふりがな
:
おおいたのこてえしゅうぞく
大分の鏝絵習俗
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
記録:『大分の鏝絵習俗』(企画文化庁・制作TEM研究所・平成24年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1996.11.28(平成8.11.28)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
大分県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
大分の鏝絵習俗
解説文:
詳細解説
大分には600点を超す鏝絵が確認されており、現在もなお鏝絵が製作されている。鏝絵の画題は、多種多様で、それぞれ特有の呪いの意味がある。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
大分の鏝絵習俗
大分の鏝絵習俗
大分の鏝絵習俗
大分の鏝絵習俗
大分の鏝絵習俗
大分の鏝絵習俗夷大黒
大分の鏝絵習俗竜
大分の鏝絵習俗鏝絵一富士二鷹三茄子
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大分の鏝絵習俗
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大分の鏝絵習俗
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大分の鏝絵習俗
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大分の鏝絵習俗
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大分の鏝絵習俗夷大黒
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大分の鏝絵習俗竜
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大分の鏝絵習俗鏝絵一富士二鷹三茄子
解説文
大分には600点を超す鏝絵が確認されており、現在もなお鏝絵が製作されている。鏝絵の画題は、多種多様で、それぞれ特有の呪いの意味がある。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
鏝絵とは、左官が漆喰を用いて、土蔵や母屋の大壁・妻壁・戸袋等につくったレリーフ状の絵画である。漆喰に顔料を混ぜる練り込み技法を用いて色づけされているため、永年風雨にさらされてきたわりには、赤・青・緑・黄・茶・黒などの彩色がよく残っている。 現在、大分県では600点を超す鏝絵が確認されており、現存する大分県最古の鏝絵は、元治元年(1864)の「帆掛け船」であるが、明治20年から30年代をピークに現在もなお鏝絵が製作されている。鏝絵を製作できる左官も、現在も少数ながら活躍している。 大分県の鏝絵の画題は、神仙・動物・植物・縁起物・説話の登場人物などがあり、他の地方では見られないほど多様である。 神仙などには、恵比須神(鯛抱き恵比須・鯛廻しの恵比須・亀乗り恵比須・算盤を持つ恵比須・寿老人を散髪する恵比須・大福帳と恵比須・踊る恵比須・宝船に乗る恵比須)、俵乗り大黒神、龍(雲龍・飛龍・登り龍)、猩々、天狗、お多福、南極老人(飛鶴仙人)、月を支える裸童子、布袋様などがある。 動物では、竹林の虎、唐獅子牡丹、波兎、鹿、犬、ねずみ、夫婦鳩、蝙蝠、鶴亀、月と蝦蟇、松と鷹、波千鳥、滝登りの鯉、ふぐなどがある。 植物では、葡萄、朝顔、松竹梅、蓮華、瓜、菖蒲などがある。 縁起物には、富士山、一富士二鷹三茄子、三階松、宝袋、宝珠、蔵の鍵、打ち出の小槌、扇子(末広)、傘、帆掛け船、宝舟などがある。 説話などの登場人物には、五条大橋の義経と弁慶、熊谷直実と平敦盛、加藤清正の虎退治、浦島太郎などがある。 これらの画題には、それぞれ特有の呪いの意味がある。例えば、夫婦鳩は夫婦和合の象徴であるし、ねずみは大黒神の使いで五穀豊穣を約束する動物である。波兎や浜千鳥などの水にかかわる動物は、防火などを意味する。滝登りの鯉は登竜門をあらわし、出世祈願を示すものであるし、朝顔や葡萄などの蔓類は、広く拡がることから子孫繁栄の意味をもつ。 このように大分の鏝絵は、招福僻邪を目的として家屋に施された呪いの一種であり、画題と信仰内容の多様さに地域的特色がよく出ている。しかし、生活様式の変化にともない、鏝絵は消滅の危機に瀕しており、早急な記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)