国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
久渡寺のオシラ講の習俗
ふりがな
:
くどじのおしらこうのしゅうぞく
久渡寺のオシラ講の習俗
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解説表示▶
種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年5月15・16日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1999.12.03(平成11.12.03)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
青森県
所在地
:
保護団体名
:
久渡寺
久渡寺のオシラ講の習俗
解説文:
詳細解説
東北地方や北関東地方では、家や村でオシラ様を祀っている例が多い。津軽地方でも多くのオシラ様が祀られている。弘前市坂本の久渡寺は、津軽地方のオシラ様信仰の中心の1つで、毎年5月の大祭に津軽地方をはじめ秋田県北部からも大勢の人びとが参詣に訪れる。
人びとは、早朝からオシラ様を持って集まり、本堂で衣装を着せて受付の印を押してもらう。昼食後、護摩が焚かれ、護摩にかざした大幣でオシラ様と参拝者がお祓いされる。護摩祈祷が終わると、イタコによる津軽三十三観音の御詠歌とオシラ祭文の読誦があって祭りが終わる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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久渡寺のオシラ講の習俗
久渡寺のオシラ講の習俗
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久渡寺のオシラ講の習俗
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久渡寺のオシラ講の習俗
解説文
東北地方や北関東地方では、家や村でオシラ様を祀っている例が多い。津軽地方でも多くのオシラ様が祀られている。弘前市坂本の久渡寺は、津軽地方のオシラ様信仰の中心の1つで、毎年5月の大祭に津軽地方をはじめ秋田県北部からも大勢の人びとが参詣に訪れる。 人びとは、早朝からオシラ様を持って集まり、本堂で衣装を着せて受付の印を押してもらう。昼食後、護摩が焚かれ、護摩にかざした大幣でオシラ様と参拝者がお祓いされる。護摩祈祷が終わると、イタコによる津軽三十三観音の御詠歌とオシラ祭文の読誦があって祭りが終わる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
東北地方一帯や北関東地方では、家や村でオシラ様を祀り信仰している例が多く見られる。 このオシラ様の形態やその信仰は、多種多様であるが、東北地方では、生産(特に養蚕)の神として、桑の木で作った男女一対の御神体であることが多い。また、粗末にすると祟ると伝承され、遊ばせると称して年に1~2度のお祭りを行う。 青森県津軽地方でも多くのオシラ様が個人の家あるいは村全体で祀られている。弘前市坂本の久渡寺は、津軽地方のオシラ様信仰の中心の1つで、毎年5月15・16の両日開かれる久渡寺のオシラ大祭には、地元をはじめ、黒石市や五所川原市、板柳村などの津軽地方の人びとはもとより、秋田県北部からも大勢の人びとが参詣に訪れる。 15日は前夜祭といわれ、夕方まで本堂で持参したご馳走などを食べながら過ごしていく人が多い。なかには帰らずにそのまま本堂等に泊まり込み、翌16日のお祭りに参加する人もいる。 以前は旧暦4月15・16日であったが、昭和30年代半ばから現在の日程で祭りが行われるようになった。 祭日は朝から久渡寺に手に手に風呂敷などに包んだオシラ様を持った人たちが集まってくる。寺に着くと、本堂に上がってオシラ様に衣装を着せ、本堂の隅に設けられた受付で印をおしてもらう。 かつての衣装はオセンダクと呼ばれる絹布の簡単なものであったが、現在では金襴の華やかな衣装になり、頭には冠をかぶせて胸飾りをつけ、なかには両手をつけたオシラ様まで見られるようになるなど年々華美になっている。 オシラ様は押してもらった印の数で位が上がるといい、毎年欠かさずお参りをするのだという。 受付を済ませたオシラ様を、護摩壇の周囲の壁面に立て並べると、人びとは本堂の中の思い思いの場所に席を取り、持参したご馳走を食べたり、仲間と話しながら祈祷が始まるのを待つ。こうして待っている間に護摩木が配られ、これに家内安全、家運長久、心願成就などの祈願や、自分の住所、名前を書き込んでおく。 昼食後、護摩が焚かれ住職の祈祷が始まる。祈祷では受付を済ませた人たちの名前が読み上げられ、参拝者に配る御札や、大幣が護摩の上にかざされる。この大幣で、護摩壇周囲の壁面いっぱいに立て並べられたオシラ様と参拝者をお祓いする。 お祓いが済むと、参拝者は護摩木を持って護摩壇の周りを右回りにまわりながら、正面奥の位置で護摩木を護摩の中にくべて一礼する。 護摩祈祷が終了すると、寺からの挨拶と説教があり住職たちが退席し、寺の境内で口寄せをしていたイタコが護摩壇前に座って津軽三十三観音の御詠歌、続いてオシラ祭文を唱えて祭りが終わる。これが済むと参拝者たちは持参したオシラ様を受け取って帰っていく。 久渡寺のオシラ講は、津軽地方一帯はもとより秋田県北部からも参詣者が集まるなど広い信仰圏をもつ特色ある行事であり、記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)