国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
冬木沢参りの習俗
ふりがな
:
ふゆきざわまいりのしゅうぞく
冬木沢参りの習俗
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年8月1日~7日を中心に随時(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
※この習俗に関する奉納物は、昭和56年4月22日に「八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器」として重要有形民俗文化財に指定されている。
映像:「冬木沢参りの習俗」(企画文化庁・製作NHKサービスセンター・平成23年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1999.12.03(平成11.12.03)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
福島県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
冬木沢参りの習俗
解説文:
詳細解説
この習俗は、会津地方の旧河東町冬木沢の八葉寺奥の院に木製の小型納骨塔婆や納骨器を奉納し、死者を供養する習俗で、冬木沢参りと称されてきたものである。現在は毎年8月1~7日の八葉寺の祭りに合わせてみられるが、奉納される数は毎年10基前後と少なくなっている。とりわけ多くの人びとが訪れるのは8月1日で、人びとはキキョウやオミナエシなどの花を買い八葉寺にお参りする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
冬木沢参りの習俗
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冬木沢参りの習俗
解説文
この習俗は、会津地方の旧河東町冬木沢の八葉寺奥の院に木製の小型納骨塔婆や納骨器を奉納し、死者を供養する習俗で、冬木沢参りと称されてきたものである。現在は毎年8月1~7日の八葉寺の祭りに合わせてみられるが、奉納される数は毎年10基前後と少なくなっている。とりわけ多くの人びとが訪れるのは8月1日で、人びとはキキョウやオミナエシなどの花を買い八葉寺にお参りする。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
会津地方では冬木沢参りと称して、旧河東町冬木沢の八葉寺奥の院に木製の小型納骨塔婆や納骨器を奉納し、死者を供養する習俗が広く見られる。 現在ではこの奉納の習俗は、8月1日から7日まで行われる八葉寺の祭りの時期を中心に見られるが、奉納される数は毎年10基前後と少なくなっている。 奉納されているものは、五輪塔、宝塔、宝篋印塔、無縫塔などの形をとり、歯、骨、毛髪、戒名などが納められている。なかでも五輪塔形が大部分を占め、文禄4年(1595)以降のものが1万数千点あり、法名、俗名、奉納者名が墨書されているものが少なくない。また納骨器は、竹筒、曲物、厨子形、箱形などのものがある。これらは「八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器」として昭和56年4月22日に重要有形民俗文化財に指定されている。 冬木沢参りの習俗は、死者の初盆を迎える前に家族や親族がそろって八葉寺にお参りするもので、かつては参詣者が自分で用意した小型納骨塔婆を奉納していたが、現在では寺が用意しておくものを奉納している。 この習俗については、いまだ詳細が明らかになっていないが、小型納骨塔婆の紀年銘などから16世紀末にはすでに行われていたことが明らかである。文化5年(1808)の『慶徳組【けいとくぐみ】風俗帳』の「一、冬木沢参、七月朔日より同十五日迄の内に河沼郡冬木沢村八葉寺へ参り聖霊を拝す」という記載をはじめ、他の風俗帳にも記載が見られ、この習俗が一般的であったことがうかがえる。 現在、冬木沢参りは、8月1日にとりわけ大勢の人びとが訪れる。この日は朝暗いうちから参詣者の列が続き、お参りに来た人びとは各家の前に用意されているキキョウやオミナエシなどの花を買い求めて八葉寺にお参りする。 こうした奉納習俗の伝承や分布域を把握することは、重要有形民俗文化財「八葉寺奉納小型納骨塔婆及び納骨器」がどのような経緯で奉納されてきたのかを知るうえで重要であり、現在奉納習俗が衰退しつつあるなかで早急な記録を作成する必要がある。(※解説は選択当時のものをもとにしています)