国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
阿波の襖カラクリの習俗
ふりがな
:
あわのふすまからくりのしゅうぞく
阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
映像:『阿波の襖からくりの習俗(普及編)・(記録編)』(企画文化庁・制作NHKサービスセンター・平成24年3月)
※この習俗がみられる舞台は、平成10年12月16日に「犬飼の舞台」、「坂州の舞台」として重要有形民俗文化財に指定されている。
選択番号
:
1
選択年月日
:
1999.12.03(平成11.12.03)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
徳島県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
解説文:
詳細解説
この習俗は、人形芝居の舞台などの奥に設けられた高座に組み込んだ襖を巧みに操作して、舞台背景を一瞬に転換する演出をめぐる習俗である。類似の技法は各地の農村舞台にもみられるが、阿波では襖カラクリが独立した演目としても行われ、この地方の舞台設備や機構に大きな影響を与えてきたものである。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
阿波の襖カラクリの習俗(犬飼)
阿波の襖カラクリの習俗(犬飼)
阿波の襖カラクリの習俗(後山)
阿波の襖カラクリの習俗(後山)
阿波の襖カラクリの習俗(小野)
阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
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阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
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阿波の襖カラクリの習俗(犬飼)
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阿波の襖カラクリの習俗(犬飼)
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阿波の襖カラクリの習俗(後山)
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阿波の襖カラクリの習俗(後山)
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阿波の襖カラクリの習俗(小野)
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阿波の襖カラクリの習俗(坂州)
解説文
この習俗は、人形芝居の舞台などの奥に設けられた高座に組み込んだ襖を巧みに操作して、舞台背景を一瞬に転換する演出をめぐる習俗である。類似の技法は各地の農村舞台にもみられるが、阿波では襖カラクリが独立した演目としても行われ、この地方の舞台設備や機構に大きな影響を与えてきたものである。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
徳島県下の人形芝居には、舞台奥に設けられた千畳敷などと呼ぶ高座に組み込んだ襖を巧みに操作して、舞台背景を一瞬に転換する演出が広く用いられてきた。 こうした技法は淡路の人形座や栃木・群馬県下など各地の農村舞台にもみられるものであるが、特に阿波では人形芝居とは別に襖カラクリが独立した演目としても行われており、この地方の舞台設備や機構に大きな影響を与えるなどの地域的特色を示している。 現在、徳島県下で定期的に公開されている襖カラクリは、徳島市八多町の犬飼の舞台で行われているものが代表的なものである。この舞台は、本手の天井およびカラクリ場と奥千畳場に襖カラクリの機構が設置され、通常の舞台装置として段返しというカラクリができるようにしたうえに、後景用のカラクリの機構を有する大仕掛けのものである。犬飼の舞台の襖カラクリは8~9人の手により、130余枚の襖が42景もの景色や動物・花・文様などに一瞬に変化する。この技法には田楽・引き分け・引き抜き・千鳥・上昇・切り落としなどがある。 これらの襖は、明治時代に京都などの絵師によって描かれたものといわれ、泥絵の具を用い小松島や徳島の紺屋が製作したとの伝承が残る。 また、那賀郡木沢村の坂州の舞台にも上段の手摺りの奥にカラクリ場があり、大臣柱を挟んで前後に取り付けられた2本の敷居と、炉の奥縁に接して取り付けられた1本の敷居および天井から吊した滑車などでカラクリが演じられる。上の敷居は天井に固定され、下の敷居は大臣柱と組立式の柱を利用し約1㍍の高さに設置される。この坂州の舞台の襖カラクリは、30枚ほどの襖を7種類に使い分け、10人前後の裏方によって操られる。大太鼓、三味線、鉦、拍子木などの鳴り物に合わせて引き分けや回転を見せ、御簾を巻き上げたり、ろうそくで雰囲気を高めながら、千畳敷の大広間を完成させる仕掛けである。 これらのほかにも那賀郡上那賀町の川俣の舞台や拝宮の舞台など数棟の舞台にも襖カラクリの機構がみられ、名西郡神山町では11地区で襖が所有され、襖の総数は172組1,459枚を数えるという。 こうした襖カラクリは、各地区が独自に襖を所有して、人形芝居の上演ごとに地域住民自らが操作し、その華麗さを競い合うものであった。 この習俗は、阿波の農村舞台の特質をよく示しているものであり、重要有形民俗文化財に指定されている「犬飼の舞台」や「坂州の舞台」の特質をより深く理解するためにも貴重であることから、早急に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)