国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
大原八幡宮の米占い行事
ふりがな
:
おおはらはちまんぐうのよねうらないぎょうじ
大原八幡宮の米占い行事
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
社会生活(民俗知識)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年3月15日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『大原八幡宮の米占い行事』(企画文化庁・制作TEM研究所・平成24年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1999.12.03(平成11.12.03)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
大分県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
大原八幡宮の米占い行事
解説文:
詳細解説
この行事は、日田地方の総鎮守とされる大原八幡宮で行われる年占行事である。五穀盆と地形盆の2つに小豆御飯を盛り、カビを発生させて、1ヶ月後に穀物の作柄と地域ごとの天候などを占う。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
大原八幡宮の米占い行事
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大原八幡宮の米占い行事
解説文
この行事は、日田地方の総鎮守とされる大原八幡宮で行われる年占行事である。五穀盆と地形盆の2つに小豆御飯を盛り、カビを発生させて、1ヶ月後に穀物の作柄と地域ごとの天候などを占う。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
我が国では、天候や農作物の豊凶などを占う様々な行事が各地で行われているが、このなかには竹筒に入った小豆粥の具合で占ったり、御飯にカビを生やしたり腐らせたりして占う方法がみられる。 日田地方の総鎮守といわれる大原八幡宮では、小豆御飯にカビを発生させる米占いが行われている。この米占いはカユウラナイと呼ばれる。 2月15日に、大原八幡宮の神職が、1升3合3勺の粳米と3合の小豆で小豆御飯を炊き、五穀盆と地形盆という直径約40㎝の欅の丸盆2つに小豆御飯を盛り、神殿内中央の神座に向かって左に地形盆、右に五穀盆を安置する。 五穀盆では、伊勢神宮(内宮)の大麻に用いられていた薄板五枚を放射線状に配置して、小豆御飯を5区画に分割する。現在は、区画ごとに稲・麦・粟・大豆・稗の名札を立てるが、かつては、稲・麦・粟・大豆・蚕であった。 地形盆では、御飯の上に数本の藤蔓を載せる。これは日田地方の河川の流れを表現したもので、河川名を書いた名札を立てる。表示される河川は、筑後川上流の三隈川と、その支流である杖立川・津江川・上野川・赤石川・高瀬川・串川・川下川・玖珠川・有田川・花月川・小野川・二串川・大肥川である。 3月15日朝8時、祭典の後、神職が本殿内から2つの盆を運び出し、回廊の案の上に安置する。回廊には数名の氏子が集まっており、そのなかの古老が主導して五穀盆の方から米占いの判定を始める。米占いの判定には神職は全く関与せず、米占いに関心のある氏子たちだけが参加する。 盆の御飯はカビで覆われており、カビの種類や生育具合で、五穀の作柄を占う。盆の中心部は種蒔きや植え付けの時期、外縁部は収穫期を表し、白カビは豊作、赤カビ・黒カビ・青カビは凶作であるという。白カビで外縁部が盛り上がっていると、特に豊作だという。 地形盆では、どの地域に災害や天候不順があるかを占う。青カビは水害、赤カビは火事や崖崩れなどの災害、黒カビは疫病等の流行を表すという。また、カビ表面に付着した水滴で、日照りや長雨がどの地域で発生するかを見る。そのため、カビや水滴の具合が変化しない30分以内に占いを終える。 かつては旧正月15日に2つの盆を神殿に納め、旧暦2月15日に占いをしていたが、昭和30年に神社の行事を新暦で行うようになると、一月遅れで行われるようになった。 大原八幡宮の米占いは、1か月間神殿内に安置した小豆御飯に発生したカビで五穀の豊凶や天変地異等の災害を占うもので、氏子の人たちによって行われる行事である。この行事は民俗知識に関わるものとして地域的特色があり注目されることから、早急に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)