国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
岩倉社のケベス祭
ふりがな
:
いわくらしゃのけべすさい
岩倉社のケベス祭
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年10月14日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
1
選択年月日
:
2000.12.25(平成12.12.25)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
大分県
所在地
:
保護団体名
:
櫛来社氏子
岩倉社のケベス祭
解説文:
詳細解説
この行事は、宮付の家々とトウバグミとで行う宮座の行事であり、年占なども伴うものである。10月15日を祭日とする九月祭の宵宮祭の行事で、ケベスと呼ぶ奇妙な面をつけたケベスドンが主役を演じる火祭りとして知られている。(※解説は選択当時のものをもとにしています)。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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岩倉社のケベス祭
岩倉社のケベス祭
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岩倉社のケベス祭
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岩倉社のケベス祭
解説文
この行事は、宮付の家々とトウバグミとで行う宮座の行事であり、年占なども伴うものである。10月15日を祭日とする九月祭の宵宮祭の行事で、ケベスと呼ぶ奇妙な面をつけたケベスドンが主役を演じる火祭りとして知られている。(※解説は選択当時のものをもとにしています)。
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詳細解説
大分県国見町古江に鎮座する櫛来社は、大字櫛来の氏神で、寛平元年(889)に宇佐八幡宮の分霊を勧請したと伝える。この社は、明治4年(1971)以前は岩倉社・岩倉八幡・磐坐社などと呼ばれており、現在でも岩倉社と呼ぶ人が多い。祭神は帯中津日子【たらしなかつひこ】命(仲哀天皇)・息長帯日売【おきながたらしひめ】命(神功皇后)・品陀和気【しなだわけ】命(応神天皇)・奥津嶋姫【おきつしまひめ】命・市寸島比売【いちきしまひめ】命・多岐津比売【たぎつひめ】命(宗像三女神)の6神である。この他、本殿に並んで摂社の若宮社・高良社・明神社が祀られ、回廊外には山の神社が祀られている。 俗にケベス祭の名で知られるこの行事は、10月15日を祭日とする九月祭の宵宮祭の行事で、ケベスと呼ぶ奇妙な面をつけたケベスドンが主役を演じる火祭りとして知られている。以前は、九月祭は旧暦9月15日に本祭が行われていた。 この祭りは、宮付という特定の家々と、トウバグミと呼ばれる氏子の組の人たちによって執行される。宮付の家は代々世襲で、大宮司・小宮司・摂社・御饌係(ジンドウ係)・御饌係のスケ・楽人・鉾立・神輿係の諸役をつとめる。また、トウバグミは大字櫛来が10の組に分かれて1年ずつ順につとめる。神社の役は、この他、入札で選ばれる5名の社総代がおり4年交代でつとめるが、神社の経理面を担当し、祭儀にはあまり関与しない。 10月7日にその年のトウバグミの中から、大世話人とトウバモト・オカヨ・オカヨのスケ・トウジ・トウジのスケが選ばれる。大世話人は話し合いで決めることが多いが、その他の諸役は神主の籤で選ばれる。 トウバモトは、カメモトとも呼ばれ、祭りの準備の中心となる家で、トウバグミに宮付の家がある場合はその家が選ばれることも多い。オカヨは、神饌の調製役、オカヨのスケは、その補佐役、トウジは、甘酒の調製役、トウジのスケは、その補佐役である。 10月8日、トウバモトの母屋の軒下に甘酒を醸すカムホヤ(神穂屋)という小屋をつくる。 9日にミヤクダリといい、トウバグミの人たちがオカヨを先頭に行列を組み、神社からジンドウサマの面(猿田彦面)や諸道具一式をトウバモトの家に運ぶ。ジンドウサマの面は枡に入れてカムホヤの棚の上に祀る。トウバグミの男たちはこの日から、火を混ぜない・肉類を食べない・女性を避ける・毎日禊ぎをするという厳しい潔斎の生活に入る。 10日は庭火用の薪やシダを約500束ほど用意する。 11日にはトウジとトウジのスケが甘酒の仕込みに入る。 13日午後、籤でケベス役を決め、その後、オカヨとオカヨのスケで供物をつくる。供物は大小の鏡餅とオナワモチ、オクツガタモチである。 14日はミヤノボセといい、ジンドウサマの面と供物・甘酒を携えて神社に上る。この日の夕方、ケベス祭が行われる。 トウバグミの男たちがシオカキをした後、笛・太鼓・鉦の楽人を先頭に大宮司・小宮司・御饌係・御饌係のスケ・ケベス・ケベスの介添え役・神主・区長・社総代などが行列を組み、境内を右にまわる。これを練楽【れんがく】という。トウバグミの男たちは白装束で拝殿脇の庭火を守る。ケベスは面をつけ、藁つとを付けたサスマタという棒を肩にし、一まわりするごとに庭火に走り込む。トウバグミの男が1人ずつ順番でこれを防ぎ行列に戻す。両者の絡みが見所の1つでもある。これを2度繰り返し、3度目には庭火を棒ではねる。この所作を3度行って9度目にはケベスが庭火に走り込み火をはねる。これと同時に、トウバグミの男たちは火の付いたシダを棒の先に刺して境内を駆けめぐり、参詣者たちに火の粉を浴びせる。火の粉を浴びると健康が得られるという。最後にケベスは西門・御供所・拝殿の前で藁つとを3回叩きつける。このときの音が良いと年柄が良いと占う。この後、ケベスは拝殿で面を外し三番太鼓の音で行事が終了する。 ケベス祭は、宮付の家々とトウバグミとで行う宮座の行事であり、年占なども伴い、禁忌も厳しく守られるなど、この地方を代表する火祭りの1つとして貴重なものであることから、送球に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)。