国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
ふりがな
:
うらさびしゃもんどうのはだかおしあいのしゅうぞく
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年3月3日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『新潟県浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗』(南魚沼市教育委員会・平成21年3月)
本件は、平成30年3月8日に重要無形民俗文化財に指定されている。
選択番号
:
1
選択年月日
:
2004.02.16(平成16.02.16)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
新潟県
所在地
:
保護団体名
:
越後浦佐裸押合大祭委員会
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
解説文:
詳細解説
この習俗は、旧南魚沼郡大和町浦佐にある普光寺の毘沙門堂の祭礼で行われる。『北越雪譜』にも記録があるもので、12人の世話人、寺の檀家総代などで構成される越後浦佐裸押合大祭委員会と地元の若者で構成される浦佐多聞青年団が執り行う。福物の品名を記した木札が撒かれて群衆が奪い合い、最後に年男による撒与とササラスリの儀が行われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
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浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗
解説文
この習俗は、旧南魚沼郡大和町浦佐にある普光寺の毘沙門堂の祭礼で行われる。『北越雪譜』にも記録があるもので、12人の世話人、寺の檀家総代などで構成される越後浦佐裸押合大祭委員会と地元の若者で構成される浦佐多聞青年団が執り行う。福物の品名を記した木札が撒かれて群衆が奪い合い、最後に年男による撒与とササラスリの儀が行われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
浦佐毘沙門堂の裸押合の習俗は、新潟県旧南魚沼郡大和町浦佐にある真言宗普光寺の毘沙門堂の祭礼に行われる行事である。 この行事は『北越雪譜』にも「浦佐の堂押」としてみられる。それによれば正月3日に行われる祭りで、10里、20里四方の村々からも参詣人が集まり、男女ともに毘沙門堂に上がって押し合ったことが記されている。この記録から、現在は男性だけが参加する行事であるが、近世には女性も参加していたことなどをうかがい知ることができる。 また、行事は、明治5年(1872)までは正月3日に行われていたが、翌6年(1873)から3月3日に変わったと伝えられている。 この行事は、現在、浦佐の9つの地区と五箇の3つの地区から1人ずつ選ばれる12人の世話人と、寺の檀家総代などとで構成される越後浦佐裸押合大祭委員会が準備や運営を取り仕切り、この委員会の下で地元浦佐の若者で構成される浦佐多聞青年団が諸役を務めて行われている。 また、毘沙門堂にはローソク講と餅を上げる餅講があり、裸押合の際に灯されるローソクはこのローソク講により奉納される。これらの講員などは、浦佐本町や普光寺門前の各家を宿にして、着替えをしたり、休んだりするなどして行事に参加する。また、一般の参加者には大祭委員会が用意した施設が着替えをする場所として提供されている。 3月2日に前夜祭が行われ、3日に大祭が行われる。3日は朝から護摩修行、稚児行列などが行われた後、夕方、毘沙門堂の床にネコと呼ばれる分厚い藁製の敷物を敷いて準備が終わる。 この後、参加者が順次水行をとり毘沙門堂に参拝して外陣で裸押合が始まる。押合には、ハンタコと呼ぶパンツをはき、腹には晒を巻いて参加する。裸押合が行われている最中、数度にわたり信者により福物が奉納される。福物は奉納者が青年団の肩車に乗り、提灯持ち、ローソク持ち、警護役などを従えた行列を作って奉納するもので、本来は奉納品そのものを持って納めていたが、現在では品名を扇子に書いて奉納している。奉納行列が着くたびに奉納品名を書いた木札が撒与者【さんよしゃ】によって内陣中央から撒かれ、裸押し合いの群衆がこれを奪い合う。この木札は行事終了後に品物と交換することになっている。また、この間に毘沙門堂の隣にある宝物殿の屋根から何度か提灯が撒かれ、これも参拝者などが奪い合う。 裸押合の終わる頃、青年団の人馬にまたがった年男の行列が入堂し、最後の撒与が行われる。この撒与がすむと、ササラスリの儀が行われ、本尊を向いた年男に向かい合って3、4人の音頭取が立ち、音頭歌を歌い出す。年男はそれに合わせてササラをすり始め、これを取り巻くように裸押合の参加者が二重、三重の輪になって、足踏みしながら左回りに回っていく。ササラスリが終わると、年男の胴上げが行われ、最後に年男がササラを本尊厨子の中に納めて行事が終わる。 本件は、年頭や春先に行われる無病息災や豊作を祈願する行事であり、新潟県下にみられる同種の行事の典型的なものであるとともに、青年団に関与などに地域的特色も豊かにみられることから貴重な行事である。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)