国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録無形民俗文化財
主情報
名称
:
讃岐の醤油醸造技術
ふりがな
:
さぬきのしょうゆじょうぞうぎじゅつ
木桶を用いた仕込み
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種別1
:
民俗技術
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
1
登録年月日
:
2021.09.30(令和3.09.30)
追加年月日
:
登録基準1
:
登録基準2
:
登録基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県、地域
:
香川県
所在地
:
香川県
保護団体名
:
特定せず
木桶を用いた仕込み
解説文:
詳細解説
讃岐の醤油醸造技術は、わが国有数の醤油の産地である讃岐地方に伝承されてきた醤油づくりの技術である。讃岐における醤油の醸造は、瀬戸内の温暖な気候や恵まれた海運上の立地などを背景に、小豆島や引田などの地域において近世以来、盛んに行われてきた。
醤油の醸造は、「一麹、二櫂、三火入れ」といわれるように、麹づくりが重要であり、引田(東かがわ市)では、麹室の中で、原料を均一に広げた筵を何段にも積み重ね、手入れや温度調整を繰り返し行いながら醤油麹をつくる「むしろ麹」の技術が伝承されている。
また、小豆島(小豆島町・土庄町)では、大型の木桶を用いた天然醸造による醤油づくりの伝統がよく残されており、近年は、木桶の製造技術の継承にも努めている。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
木桶を用いた仕込み
「むしろ麹」による醤油麹づくり
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木桶を用いた仕込み
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「むしろ麹」による醤油麹づくり
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解説文
讃岐の醤油醸造技術は、わが国有数の醤油の産地である讃岐地方に伝承されてきた醤油づくりの技術である。讃岐における醤油の醸造は、瀬戸内の温暖な気候や恵まれた海運上の立地などを背景に、小豆島や引田などの地域において近世以来、盛んに行われてきた。 醤油の醸造は、「一麹、二櫂、三火入れ」といわれるように、麹づくりが重要であり、引田(東かがわ市)では、麹室の中で、原料を均一に広げた筵を何段にも積み重ね、手入れや温度調整を繰り返し行いながら醤油麹をつくる「むしろ麹」の技術が伝承されている。 また、小豆島(小豆島町・土庄町)では、大型の木桶を用いた天然醸造による醤油づくりの伝統がよく残されており、近年は、木桶の製造技術の継承にも努めている。
詳細解説▶
詳細解説
讃岐の醤油醸造技術は、我が国有数の醤油の産地である讃岐地方に伝承されてきた醤油づくりの技術である。讃岐における醤油の醸造は、瀬戸内の温暖な気候や古くからの製塩業、海運上の恵まれた立地を背景に、瀬戸内海東部に位置する小豆島(小豆島町・土庄町)や東讃の引田(東かがわ市)などの地域で近世以来、盛んに行われてきた。特に小豆島は、今日でも島東部の内海地区を中心に大小の蔵元が集積しており、一大産地を形成している。 醤油の醸造は、大豆を蒸し、小麦を炒って砕く原料処理の作業に始まり、次いで、製麹の工程に入り、原料と種麹を混ぜて醤油麹をつくる。この醤油麹に塩と水を加え、よく混ぜ合わせて諸味を作り、木桶に仕込んで長期間熟成させる。熟成した諸味は、布袋などに入れて重圧をかけて絞り、火入れによる殺菌、濾過の工程を経て醤油の完成となる。醤油は、「一麹、二櫂、三火入れ」といわれるように、麹づくりが重要であるが、現在は、温湿度管理や手入れ作業を自動制御する製麹装置を備えた麹室が広く普及している。そうした中で、引田では、「むしろ麹」と呼ばれる醤油麹の伝統的な製法を伝えている。大豆と小麦を混ぜ、盛り込みと称して筵の上に均一に広げた後、麹室の棚に数十段に積み上げて、手入れと温度調整を繰り返し、数日間かけて完成させる。 また、仕込みの工程では、量産できるステンレス製などの大型タンクの使用が主流となっているが、小豆島では、大型の木桶を用いた天然醸造による醤油づくりが今なお盛んである。木桶を用いた仕込みは、諸味を適度に撹拌する櫂入れが重要な作業であり、麹と塩水を混ぜて諸味を均一に熟成させ、蔵内や木桶に住み着く多種多様な微生物の働きを調整することで、醤油の味や香りに違いが生まれるとされる。なお、小豆島では、木桶仕込みの醸造を今後も続けていくために、木桶の製造技術の伝承活動にも努めている。