国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録無形民俗文化財
主情報
名称
:
近江のなれずし製造技術
ふりがな
:
おうみのなれずしせいぞうぎじゅつ
鮒ずしのイイヅケ
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種別1
:
民俗技術
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
4
登録年月日
:
2023.03.22(令和5.03.22)
追加年月日
:
登録基準1
:
登録基準2
:
登録基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県、地域
:
滋賀県
所在地
:
滋賀県
保護団体名
:
特定せず
鮒ずしのイイヅケ
解説文:
詳細解説
本件は、琵琶湖及びその周辺の河川で獲れる淡水魚を使い、乳酸発酵させた「なれずし」の製造技術である。ニゴロブナで作る鮒ずしがよく知られているが、フナだけでなく、ハスやモロコ、アユ、ドジョウなど多様な魚を材料として作られる。酸味の強い独特の風味を持ち、主に正月や祭りなどの行事の際に食される。
その製法は、フナの場合、ウロコや内臓を取り除いた魚を塩と米飯で一定の期間漬け込み、発酵を進ませて作る。ハスやモロコなどの小型の魚の場合は、漬け込む日数は短期間で、またコイやマスなどの大型の魚の場合は、大きい骨を取り除くなどしてから漬け込むなど、魚種や魚体の大小に応じた作り方が伝承されている。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
鮒ずしのイイヅケ
なれずしの製造風景
写真一覧
鮒ずしのイイヅケ
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なれずしの製造風景
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解説文
本件は、琵琶湖及びその周辺の河川で獲れる淡水魚を使い、乳酸発酵させた「なれずし」の製造技術である。ニゴロブナで作る鮒ずしがよく知られているが、フナだけでなく、ハスやモロコ、アユ、ドジョウなど多様な魚を材料として作られる。酸味の強い独特の風味を持ち、主に正月や祭りなどの行事の際に食される。 その製法は、フナの場合、ウロコや内臓を取り除いた魚を塩と米飯で一定の期間漬け込み、発酵を進ませて作る。ハスやモロコなどの小型の魚の場合は、漬け込む日数は短期間で、またコイやマスなどの大型の魚の場合は、大きい骨を取り除くなどしてから漬け込むなど、魚種や魚体の大小に応じた作り方が伝承されている。
詳細解説▶
詳細解説
近江のなれずし製造技術は、琵琶湖及びその周辺の河川で獲れる魚を使い、塩と米飯で乳酸発酵させた「なれずし」を製造する技術である。ニゴロブナでつくる鮒ずしがよく知られているが、フナだけでなく、ハス、モロコ、ウグイ、オイカワ、アユなどを用いたなれずしもあり、滋賀県一円に広く伝承されている。 なれずしの製造は、春先の産卵期に大量に獲れた魚を長期保存しておくために、発酵に適した春から秋にかけて行われ、桶を用いて数十匹の魚を一度に漬けてつくる。その工程は、フナの場合、初めに鱗や鰓をはずし、内臓や浮き袋をマナバシや針金などで取り去る。その際、腹の卵やオスの白子はそのまま残し、にが玉と呼ばれる胆嚢を潰さないよう慎重に処理をする。鰓穴から塩を詰め、桶にフナを腹の卵が潰れないよう、丁寧に並べ塩漬けにする。数か月の間、塩漬けした後、取り出して真水に浸けて洗い、水を切る。次に「イイヅケ」と呼ばれる工程に入り、炊いた米飯を鰓穴から頭に詰め、再び桶にフナを並べ、空気を追い出すようにすき間に米飯を敷き詰めた後、表面を竹皮などで蓋をした上に重石を乗せて適度な荷重をかける。さらに空気を遮断するために、桶の隙間に水を注いで満たすなどして発酵を進ませ、長期間漬ける。漬け込む期間は、半年から一年程度が多く、骨の硬さなどの漬かり具合をみて、さらに米を取り換えて二度目のイイヅケを行ない、完成まで三年の長期に及ぶ場合もある。 ハスやモロコなどの小型の魚の場合は、漬けこむ日数は短期間で、またコイやマスなどの大型の魚の場合は、三枚におろして皮をはいだり、大きい骨を取り除いておくなど、魚種や魚体の大小に応じた作り方が伝承されている。 なれずしは、酸味の強い独特の風味を持ち、主にハレの日のご馳走として、また神社の祭りなどの神饌にも用いられる。