国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録無形民俗文化財
主情報
名称
:
庄内の笹巻製造技術
ふりがな
:
しょうないのささまきせいぞうぎじゅつ
笹巻の製造作業
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種別1
:
民俗技術
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
5
登録年月日
:
2024.03.21(令和6.03.21)
追加年月日
:
登録基準1
:
登録基準2
:
登録基準3
:
(三)地域的特色を示すもの
所在都道府県、地域
:
山形県
所在地
:
山形県
保護団体名
:
特定せず
笹巻の製造作業
解説文:
詳細解説
庄内の笹巻製造技術は、山形県庄内地方に伝承されてきた、笹巻と呼ばれる行事食の製造技術である。庄内地方では、邪気を払い、男児の無事な成長を祝って、各家庭で笹巻を作る。材料はもち米であり、形状には四面体型や三角型、たけのこ型等の種類がある。灰汁を加えることで保存性を高めた、黄色い笹巻の製造技術は、鶴岡を中心に継承されている。いずれも、もち米を笹の葉で包んでイグサやスゲで縛り、数時間煮ることで完成させる。できあがった笹巻はきな粉や黒蜜をかけて食べる。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
笹巻の製造作業
完成した笹巻
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笹巻の製造作業
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完成した笹巻
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解説文
庄内の笹巻製造技術は、山形県庄内地方に伝承されてきた、笹巻と呼ばれる行事食の製造技術である。庄内地方では、邪気を払い、男児の無事な成長を祝って、各家庭で笹巻を作る。材料はもち米であり、形状には四面体型や三角型、たけのこ型等の種類がある。灰汁を加えることで保存性を高めた、黄色い笹巻の製造技術は、鶴岡を中心に継承されている。いずれも、もち米を笹の葉で包んでイグサやスゲで縛り、数時間煮ることで完成させる。できあがった笹巻はきな粉や黒蜜をかけて食べる。
詳細解説▶
詳細解説
庄内の笹巻製造技術は、山形県北西部の庄内地方に伝承されてきた、笹巻と呼ばれる行事食の製造技術である。我が国には、節供と結びついた行事食が多く存在しており、端午の節供においては、邪気を払うと共に、男児の無事な成長を祝って、各家で粽や柏餅を作る習俗が広く見られる。庄内では五月もしくは月遅れの六月にこの節供を祝うと共に、粽の一種である笹巻を作り、これをふるまい食としてきた。 庄内の笹巻の形状には、正四面体型や平らな三角型など様々なものがあり、それぞれ「こぶし巻き」「三角巻き」といった別称をもち、笹を組み合わせて包材とすることで形を作り上げる。また、子供の七歳のお祝いである「七つ祝い」では、約五〇枚の笹を巧みに重ね合わせて、筍に似た大型の笹巻を作る地区もある。 笹巻の基本的な材料はもち米であり、灰汁を併用することもある。包材は、地元で採れる大型の笹の葉と、これを縛るスゲやイグサである。製造過程は、これらの灰汁や笹の準備から始まる。 灰汁を用いて笹巻を作る技術は、主に庄内南部の鶴岡で継承されている。灰汁は、暖房などに用いた薪の灰を水に溶いて煮た後に、厚手の布で漉すことによって得られる、無色に近い液体である。これはアルカリ性のため、保存性を高め、笹巻を黄色に染める効果をもつ。そのため、濃度の見極めが重要な技の一つとなる。 笹は地域に自生するチマキザサを六月から八月に採取して使う。その際、翌年の生育に悪影響を及ぼさないよう、笹の適切な採取方法を遵守する。採取した笹は乾燥させて保存し、使用時に煮戻して使用する。 以上の準備を終えた後で、米を水又は灰汁に漬け、十分に吸水させる。次に、二枚の笹を重ねて容器状となるように折り曲げた後、大匙二杯の米を詰め、笹で封をしてスゲやイグサで縛り、これを長時間煮る。粒状の米が溶け固まって、葛に似た半透明の状態になれば完成である。出来た笹巻は、きな粉や黒蜜をかけて食する。