国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録無形民俗文化財
主情報
名称
:
大館のとんぶり製造技術
ふりがな
:
おおだてのとんぶりせいぞうぎじゅつ
大館のとんぶり製造技術
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種別1
:
民俗技術
種別2
:
生産・生業
その他参考となるべき事項
:
・公開日 通年
登録番号
:
7
登録年月日
:
2025.03.28(令和7.03.28)
追加年月日
:
登録基準1
:
(三)地域的特色を示すもの
登録基準2
:
登録基準3
:
所在都道府県、地域
:
秋田県
所在地
:
秋田県
保護団体名
:
特定せず
大館のとんぶり製造技術
解説文:
詳細解説
本件は、秋田県大館市に伝承される、ホウキギの実を原料として、「とんぶり」と呼ばれる当地特有の郷土食を製造する技術である。市内でも比内地区が主な伝承地で、近年は商品化が進み、工場での生産も行われている。呼称については、濃緑色の小さい粒状の形が、ぶりこ(ハタハタの卵)に似ていることに由来するとされる。
とんぶりの製造は、毎年秋にホウキギの実を収穫し、十分に乾燥させてから、煮込み、皮むき、洗い、選別、水切りの工程の順に行い、入念に異物を取り除き、濃緑色の実だけを残して完成となる。とんぶりは、ぷつぷつとした食感が特徴であり、料理に添えたり、他の食材と和えたりして日常的に食される。
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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大館のとんぶり製造技術
大館のとんぶり製造技術(とんぶり)(提供:文化庁)
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大館のとんぶり製造技術
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大館のとんぶり製造技術(とんぶり)(提供:文化庁)
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解説文
本件は、秋田県大館市に伝承される、ホウキギの実を原料として、「とんぶり」と呼ばれる当地特有の郷土食を製造する技術である。市内でも比内地区が主な伝承地で、近年は商品化が進み、工場での生産も行われている。呼称については、濃緑色の小さい粒状の形が、ぶりこ(ハタハタの卵)に似ていることに由来するとされる。 とんぶりの製造は、毎年秋にホウキギの実を収穫し、十分に乾燥させてから、煮込み、皮むき、洗い、選別、水切りの工程の順に行い、入念に異物を取り除き、濃緑色の実だけを残して完成となる。とんぶりは、ぷつぷつとした食感が特徴であり、料理に添えたり、他の食材と和えたりして日常的に食される。
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詳細解説
大館のとんぶり製造技術は、秋田県大館市に伝承される、ホウキギの実を原料として「とんぶり」と呼ばれる当地特有の郷土食を製造する技術である。 ホウキギは、一年生のヒユ科の植物である。我が国には、平安時代に伝わり、茎と枝は箒の材料として、実は地膚子と呼ばれる生薬として主に用いられてきた。実を食用にしたのは、江戸時代以降とされ、東北地方の中でも秋田県北部の米代川流域の農家で自家消費用に製造されてきた。現在は、大館市の比内地区が主な伝承地で、昭和50年代から商品化が進み、工場での生産も行われているが、伝統的な製造技術は継承されている。呼称については、濃緑色の小さい粒状の形が、ぶりこ(ハタハタの卵)に似ていることに由来するといわれている。 とんぶりの製造は、毎年秋にホウキギの実を収穫し、十分に乾燥させてから、煮込み、皮むき、洗い、選別、水切りの工程の順に行う。煮込みの工程では、釜に一定量の実を入れ、木べらで適度に混ぜながら煮込む。実が十分に煮えると桶に移して湯に浸し、水温を調節しながら、一日かけて常温にまで下げるとともに、水分をよく含ませる。こうすることで、とんぶり独特の食感が得られるという。皮むきの工程では、実を笊に移し、潰れないように丁寧に擦り合わせながら外皮を剥く。次いで、洗いの工程となる。水を張った桶に実を戻し、外皮や不純物を浮かせて流し出し、水を入れ替えてこの作業を繰り返す。選別の工程では、実を少量ずつ笊に移し、水に浸しながら入念に異物を取り除く。最後に、実を布袋に入れ、重石をして水を切ってから、再び篩にかけて細かな異物を落とし、濃緑色の実だけを残して完成となる。完成したとんぶりは、ぷつぷつとした食感が特徴であり、料理に添えたり、他の食材と和えたりして日常的に食されるほか、仏事などの来客用の膳の食材としても用いられる。