国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
荒神山古墳
ふりがな
:
こうじんやまこふん
基底部
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種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
古墳時代前期
年代
:
西暦
:
面積
:
15101.08 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
11
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2011.02.07(平成23.02.07)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
一.貝塚、集落跡、古墳その他この類の遺跡
所在都道府県
:
滋賀県
所在地(市区町村)
:
滋賀県彦根市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
基底部
解説文:
詳細解説
琵琶湖の東側の標高284mの丘陵上に所在する、古墳時代前期末、4世紀末頃に築造された墳長124mの大型前方後円墳。古墳の構造は大和地域と共通し、立地から被葬者は琵琶湖交通を掌握していたとみなされる。近江地域の古墳時代の政治や社会を知る上で重要。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
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基底部
西側くびれ部現況
円筒埴輪検出状況
出土円筒埴輪
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西側くびれ部現況
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円筒埴輪検出状況
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出土円筒埴輪
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解説文
琵琶湖の東側の標高284mの丘陵上に所在する、古墳時代前期末、4世紀末頃に築造された墳長124mの大型前方後円墳。古墳の構造は大和地域と共通し、立地から被葬者は琵琶湖交通を掌握していたとみなされる。近江地域の古墳時代の政治や社会を知る上で重要。
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詳細解説
荒神山古墳は、琵琶湖東側の湖東平野に聳える独立丘陵、標高284メートルの荒神山の山頂から尾根頂部に所在する古墳時代前期の前方後円墳である。この荒神山は、古代には『近江国覇流村墾田地図』にも描かれ、付近には東大寺領荘園が置かれ、中世には荒神山城が築かれるなど、その後も歴史的に重要な地域であった。現在では琵琶湖から3キロメートルほどの距離にあるが、当時は山裾まで湖岸が迫ってきていた。この場所からは、湖西や湖東など琵琶湖の北半分をほぼ一望することができる。 この古墳の調査は、平成14年度の彦根市史編纂室と滋賀県立大学による測量調査を嚆(こう)矢(し)とし、平成15年度からは彦根市教育委員会による、古墳の範囲・内容を確認する発掘調査が行われた。 その結果、墳長124メートル、後円部直径80メートル、前方部長53メートル、くびれ部幅52メートルの3段築成の古墳であることが明らかとなった。墳丘斜面には葺石が施され、テラスは円礫による礫敷であることを確認している。円礫の石材は葺石とは異なるものであった。テラス及び墳頂部には、円筒埴輪、家形・衣笠形・靭形などの形象埴輪が樹立されていたものとみなされる。円筒埴輪のなかには赤色顔料を塗布したものも認められ、埴輪の特徴から、古墳時代前期末に築造されたと考えられる。埋葬施設の発掘調査は行われていないが、盗掘坑とみられる落ち込みがあり、板石が散乱して見つかっていることから、竪穴式石室であった可能性が想定される。 荒神山古墳は、古墳時代前期末に築造された近江地域では二番目の大規模な前方後円墳である。近江地域では、古墳成立当初から前方後方墳が営まれるなかにあって、湖東地域には前期前葉からいち早く雪野山古墳、瓢箪山古墳等の前方後円墳が築造された。本古墳はこれらの後に築造されたもので、3段築成、葺石と埴輪をともなう、いわゆる定型化した畿内型の前方後円墳である。この古墳は、琵琶湖に面していることから、被葬者は琵琶湖の水運を通して、日本海や東海地域と関わりのあったことも推測される。 このように、荒神山古墳は、古墳時代前期の近江地域における政治状況、さらには大和政権と日本海及び東海地域との関係を知る上で重要である。よって、史跡に指定し、保護を図ろうとするものである。