国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
伊予遍路道
観自在寺道
稲荷神社境内及び龍光寺境内
仏木寺道
明石寺境内
大寶寺道
大寶寺境内
岩屋寺道
岩屋寺境内
浄瑠璃寺道
浄瑠璃寺境内
浄土寺境内
横峰寺道
横峰寺境内
三角寺奥之院道
ふりがな
:
いよへんろみち
かんじざいじみち
いなりじんじゃけいだいおよびりゅうこうじけいだい
ぶつもくじみち
めいせきじけいだい
だいほうじみち
だいほうじけいだい
いわやじみち
いわやじけいだい
じょうるりじみち
じょうるりじけいだい
じょうどじけいだい
よこみねじみち
よこみねじけいだい
さんかくじおくのいんみち
伊予遍路道(横峰寺道)
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種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
16世紀~
年代
:
西暦
:
面積
:
283659.1 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
140
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2016.10.03(平成28.10.03)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
2023.03.20(令和5.03.20)
指定基準
:
三.社寺の跡又は旧境内その他祭祀信仰に関する遺跡,六.交通・通信施設、治山・治水施設、生産施設その他経済・生産活動に関する遺跡
所在都道府県
:
愛媛県
所在地(市区町村)
:
愛媛県南宇和郡愛南町・西予市・宇和島市・西条市・四国中央市・上浮穴群久万高原町・松山市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
伊予遍路道(横峰寺道)
解説文:
詳細解説
遍路道は空海(くうかい)(諡号(しごう)は弘法大師(こうぼうだいし))ゆかりの寺社を巡る全長1,400kmにも及ぶ霊場巡拝の道で,弘法大師の足跡を追体験する四国を一周する信仰の道である。指定にあたっては,阿波・土佐・伊予・讃岐の旧国名を冠し,それぞれの遍路道を呼称することとしている。伊予遍路道は延長500km以上あり,四国のなかで距離が一番長い。主要街道と重複するため,近代以降改変された箇所が多いが,今回指定を行う箇所のようになお旧状をとどめている箇所がある。仏木寺道は第41番札所龍光寺(りゅうこうじ)から第42番札所仏木寺に至る道の一部で,龍光寺から西に位置する尾根を横断し,谷部を進む部分約0.45kmに旧状をとどめる。横峰寺道は第59番札所国分寺(今治市)から第60番札所横峰寺に至る道で,二十丁の位置にある湯浪(ゆうなみ)休憩所からの山道に旧状をとどめる。指定の対象となるのは五丁石のある付近までで,妙之谷川(みょうのたにがわ)上流の谷川に沿って進み,途中谷川を交差しながら,十一丁付近からは急峻な尾根を蛇行して登る道である。延長は約 1.7kmを測り,道際に舟形や角柱形の丁石が立っている。これらの道はいずれも遺存状況が良好で,伊予における遍路道の実態を考える上で重要である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
伊予遍路道(横峰寺道)
伊予遍路道(横峰寺道)
伊予遍路道(仏木寺道)
伊予遍路道(仏木寺道 遍路墓)
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伊予遍路道(横峰寺道)
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伊予遍路道(横峰寺道)
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伊予遍路道(仏木寺道)
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伊予遍路道(仏木寺道 遍路墓)
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解説文
遍路道は空海(くうかい)(諡号(しごう)は弘法大師(こうぼうだいし))ゆかりの寺社を巡る全長1,400kmにも及ぶ霊場巡拝の道で,弘法大師の足跡を追体験する四国を一周する信仰の道である。指定にあたっては,阿波・土佐・伊予・讃岐の旧国名を冠し,それぞれの遍路道を呼称することとしている。伊予遍路道は延長500km以上あり,四国のなかで距離が一番長い。主要街道と重複するため,近代以降改変された箇所が多いが,今回指定を行う箇所のようになお旧状をとどめている箇所がある。仏木寺道は第41番札所龍光寺(りゅうこうじ)から第42番札所仏木寺に至る道の一部で,龍光寺から西に位置する尾根を横断し,谷部を進む部分約0.45kmに旧状をとどめる。横峰寺道は第59番札所国分寺(今治市)から第60番札所横峰寺に至る道で,二十丁の位置にある湯浪(ゆうなみ)休憩所からの山道に旧状をとどめる。指定の対象となるのは五丁石のある付近までで,妙之谷川(みょうのたにがわ)上流の谷川に沿って進み,途中谷川を交差しながら,十一丁付近からは急峻な尾根を蛇行して登る道である。延長は約 1.7kmを測り,道際に舟形や角柱形の丁石が立っている。これらの道はいずれも遺存状況が良好で,伊予における遍路道の実態を考える上で重要である。
詳細解説▶
詳細解説
遍路道は空海(諡号は弘法大師)ゆかりの寺社を巡る全長1400kmにも及ぶ霊場巡拝の道で、弘法大師の足跡を追体験する四国を一周する信仰の道とされ、西国巡礼と並ぶ代表的な巡礼道の一つである。便宜的に阿波・土佐・伊予・讃岐の旧国名を冠し、それぞれの遍路道を呼称することとしている。遍路の始まりは、第49番札所浄土寺(愛媛県松山市)本尊の厨子にみえる、大永7年(1527)の年号を有する「辺路同行五人 阿州名東住人」の墨書や、第30番札所土佐一宮(現在の札所は隣接する善楽寺)の元亀2年(1571)の年号を有する「四国中辺路身共只一人、城州之住人藤原富光是也」の墨書などから、少なくとも16世紀には遍路という行為の存在を確認でき、四国内や他国から遍路が訪れていることがわかる。寺番を付した八十八箇所の初見は、大坂在住の僧真念によって著された『四国遍路道指南(みちしるべ)』(貞享4年〈1687〉版行)である。真念は遍路屋の設置や道標の建立を行い、以後、武田徳右衛門(―1814)や中務茂兵衛(なかつかさもへえ)(1845―1922)らにより道標の整備が進められた。江戸時代後期には、実際に遍路を経験した人々の道中日記や納経帳などにより、当時の札所の様子や遍路の動向が知られるようになる。 伊予の遍路道は、土佐最後の札所第39番延光寺(高知県宿毛市)から第40番札所観自在寺に向かう国境の松尾峠に始まる。そして伊予最後の札所第65番三角寺から遍路の多くは三角寺奥之院を経て境目峠を越えて、阿波の第66番札所雲辺寺をめざした。伊予遍路道は延長500km以上あり、四国のなかで距離が一番長い。遍路道は主要街道と重複するため、近代以降改変された箇所が多いが、今回指定を行う箇所のようになお旧状をとどめている箇所がある。 愛媛県教育委員会は平成6年度より3か年にわたり、歴史の道調査事業に取り組み、さらに愛媛県生涯学習センターが平成12年度より3か年にわたり、遍路文化の学術整理事業を実施した。愛媛県教育委員会は、そうした調査の成果をふまえ、平成22年度より歴史の道総合計画の策定とともに札所寺院の詳細調査事業を継続して実施している。さらに、平成26年度に宇和島市が仏木寺道の、平成27年度に西条市が横峰寺道の測量調査をそれぞれ実施した。 仏木寺道は第41番札所龍光寺から第42番札所仏木寺に至る道で、龍光寺から西に位置する尾根を横断し、谷部を進む部分約0.45kmに旧状をとどめている。道際に江戸時代の遍路墓が数基あり、谷部を出て県道を渡った地点に仏木寺まで二十丁の道標が立っている。 横峰寺道は第59番札所国分寺(今治市)から第60番札所横峰寺に至る道で、二十丁の位置にある湯浪(ゆうなみ)休憩所からの山道に旧状をとどめている。指定の対象となるのは五丁石のある付近までで、妙之谷川(みょうのたにがわ)上流の谷川に沿って進み、途中谷川を交差しながら、十一丁付近からは急峻な尾根を蛇行して登る道である。延長は約1.7kmを測り、道際に本来の位置を動いていると考えられる丁石を含め、舟形や角柱形の丁石が立っている。道は市道として認定され、管理されている。横峰寺へは昭和59年に開通した林道を使って車でも登れるが、この道は、現在も遍路の道として利用されている。 遍路道は、広範囲にまたがる回遊式の巡礼道であり、民間に広く普及した信仰の道として貴重である。今回対象とする道はいずれも遺存状況が良好であり、伊予における遍路道の実態を考える上で重要であることから、史跡に指定し、保護を図ろうとするものである。