国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
栗木鉄山跡
ふりがな
:
くりきてつざんあと
栗木鉄山跡 第1高炉(東から)
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種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
明治時代~大正時代
年代
:
西暦
:
面積
:
33.86 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
164
特別区分
:
指定年月日
:
2021.10.11(令和3.10.11)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
所在都道府県
:
岩手県
所在地(市区町村)
:
岩手県住田町
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
栗木鉄山跡 第1高炉(東から)
解説文:
詳細解説
北上高地の気仙川水系の川沿いに位置する、明治13年(1880)から大正9年(1919)にかけて操業した民営の製鉄所跡。二基の高炉跡、事務所跡、水路跡、鋳物工場跡などを検出。八幡や釜石での鉄鉱石による近代製鉄が本格化する前の遺構として重要。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
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栗木鉄山跡 第1高炉(東から)
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栗木鉄山跡 第1高炉(東から)
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解説文
北上高地の気仙川水系の川沿いに位置する、明治13年(1880)から大正9年(1919)にかけて操業した民営の製鉄所跡。二基の高炉跡、事務所跡、水路跡、鋳物工場跡などを検出。八幡や釜石での鉄鉱石による近代製鉄が本格化する前の遺構として重要。
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詳細解説
栗木鉄山跡は、北上高地の南部で、気(け)仙川(せんがわ)水系(すいけい)大股(おおまた)川(がわ)の最上流に接して位置する、近代の民営製鉄所跡である。近隣は近世から、たたら製鉄が盛んで、他所で高炉(こうろ)を営んでいた熊谷(くまがい)又兵衛(またべえ)が栗(くり)木沢(きざわ)に明治13年(1880)に高炉を設け、陀(だ)ノ(の)鼻(はな)鉱山から鉄鉱石を採掘し銑鉄(せんてつ)を生産した。39年頃からは鋳物(いもの)工場の操業を開始し、41年には高炉内に送る空気を加熱するための熱(ねっ)風炉(ぷうろ)付き第二高炉を増設した。43年に地元資本による栗木鉄山株式会社が発足し、その年から大正2年(1913)には、釜石製鉄所の20分の1とはいえ、国内民間製鉄所で第三位の銑鉄生産量を上げた。第一次世界大戦中の好景気で絶頂期を迎えるが、大戦終結後の大正9年に廃業となった。 発掘調査等では二基の高炉跡、事務所跡、大股川から取水し高炉への送風用(そうふうよう)鞴(ふいご)の動力源としての水路跡、鋳物工場跡などが検出されている。このうち、第1高炉跡はタタキ土の炉底(ろてい)と7段の耐火(たいか)煉瓦(れんが)が残っており、第2高炉跡は高炉基壇(きだん)、熱風炉跡とその煙突基壇が検出された。古写真等によれば、両高炉では斜面の上から鉄鉱石や木炭を桟橋(さんばし)を使って投入した。明治34年開業の八幡製鉄所が42年に初めて黒字になったように、釜石(かまいし)田中(たなか)製鉄所(せいてつじょ)以外には大きな民間製鉄所がなかった時代の数少ない製鉄所の遺構として貴重である。