国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録記念物
主情報
名称
:
摩尼山
ふりがな
:
まにさん
摩尼山(巨巌)
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種別1
:
登録記念物(名勝地関係)
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
367296.0 m
2
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
登録年月日
:
2016.10.03(平成28.10.03)
追加年月日
:
登録基準
:
所在都道府県
:
鳥取県
所在地(市区町村)
:
鳥取県鳥取市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
摩尼山(巨巌)
解説文:
詳細解説
鳥取県東部に位置する喜見山摩尼寺(きけんざんまにじ)の境内を成す摩尼山(標高357m)は,大山(だいせん)や三徳山(みとくさん)と並ぶ天台宗の拠点的霊山で,古くから,因幡(いなば)に住む民が死後に彼岸に旅立つ際に一旦霊魂が滞留する場所として信仰を集めてきた。旧参道と歴代住職等墓所,山腹の境内地に建立された堂宇群,自然環境などから成る風致景観が良好に保全されている。特に巨巌(きょがん)・岩窟等から成る奥の院の奇景に優れ,日本海・鳥取砂丘等を一望する鷲(わし)が峰(みね)(立岩(たていわ))はこの地域を代表する展望地点として長く親しまれてきたもので,山内に点在する多くの石仏群も独特の風致を添え,自然の名勝地として意義深い事例である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
摩尼山(巨巌)
摩尼山(立岩)
摩尼山(立岩からのぞむ日本海)
摩尼山(摩尼寺本堂)
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摩尼山(巨巌)
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摩尼山(立岩)
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摩尼山(立岩からのぞむ日本海)
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摩尼山(摩尼寺本堂)
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解説文
鳥取県東部に位置する喜見山摩尼寺(きけんざんまにじ)の境内を成す摩尼山(標高357m)は,大山(だいせん)や三徳山(みとくさん)と並ぶ天台宗の拠点的霊山で,古くから,因幡(いなば)に住む民が死後に彼岸に旅立つ際に一旦霊魂が滞留する場所として信仰を集めてきた。旧参道と歴代住職等墓所,山腹の境内地に建立された堂宇群,自然環境などから成る風致景観が良好に保全されている。特に巨巌(きょがん)・岩窟等から成る奥の院の奇景に優れ,日本海・鳥取砂丘等を一望する鷲(わし)が峰(みね)(立岩(たていわ))はこの地域を代表する展望地点として長く親しまれてきたもので,山内に点在する多くの石仏群も独特の風致を添え,自然の名勝地として意義深い事例である。
詳細解説▶
詳細解説
喜見山摩尼寺の境内を成す摩尼山(標高357m)は鳥取県東部に位置し、同県内に所在する大山、三徳山と並ぶ天台宗の拠点的霊山で、古くから、因幡に暮らす民が死後に彼岸へと旅立つ際に一旦霊魂が滞留する場所として信仰を集めてきた。新第三紀安山岩質の岩脈・岩頸を基盤とする摩尼山は、おおむね落葉広葉樹と照葉樹を主体とする自然林に覆われ、山頂付近において凝灰岩質の巨巌や岩体が露頭する。摩尼寺に伝わる天和3年(1683)の縁起書によると、唐から帰朝した円仁(794-864)が八葉の蓮弁のごとく峰分かれした山頂のかたちに着目して開基したと伝え、須彌山頂の喜見城に住む帝釈天が摩尼宝珠を持って立岩に降臨したとの伝承から、喜見山摩尼寺と名付けられたという。発掘調査の成果からは、遅くとも平安時代後期には開山していたと認められ、特に奥の院においては、聳え立つ巨巌を抉って岩陰や岩窟を設け、平場や階段を削り出し、懸造の仏堂などを建立した様子が確認されている。 現在の摩尼山には、江戸期以降に建立された本堂や仁王門等の山腹の堂宇群、旧参道、歴代住職等の墓所のほか、山内に点在する数多くの石仏群等によって独特の風致が添えられており、中でも巨巌・岩窟等から成る奥の院の奇景に優れ、日本海・鳥取砂丘等を一望する鷲が峰(立岩)はこの地域を代表する展望地点として長く親しまれて来た。近代以降、信仰地・観光地として大いに賑わったが、近年では来訪者が大きく減少してきたことから、摩尼寺をはじめ、門前の茶屋など地域住民の振興活動や大学研究室による活用事業により、摩尼山保全の努力が重ねられている。 以上のように、摩尼山は、自然環境を基盤として、平安時代以降、近世・近代を通じた伝承地・遺跡・建造物・石造物等が添える風致とともに、巨巌の奇景と優れた展望から、自然の名勝地として意義深く、また、近年の調査・保全活動にも注目すべき事例と言える。