国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録記念物
主情報
名称
:
旧仲宗根氏庭園
ふりがな
:
きゅうなかそねしていえん
旧仲宗根氏庭園(園池)
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種別1
:
登録記念物(名勝地関係)
種別2
:
時代
:
昭和4年(1929)
年代
:
西暦
:
面積
:
1625.38 m
2
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
登録年月日
:
2016.10.03(平成28.10.03)
追加年月日
:
登録基準
:
所在都道府県
:
沖縄県
所在地(市区町村)
:
沖縄県宮古島市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
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管理団体・管理責任者名
:
旧仲宗根氏庭園(園池)
解説文:
詳細解説
沖縄県宮古島の旧士族の邸宅に昭和初期に造られた庭園で,宮古島北西部の平良地区に位置する。仲宗根氏は多くの宮古島の頭職を輩出した家柄で,地元で「忠導氏(ちゅうどううじ)仲宗根家」と呼ばれる。
旧仲宗根氏庭園の敷地入口に建つ門には琉球石灰岩の巨石が用いられ,門から続く通路を右手方向へ進むと庭園へ通じる。庭園は主屋の東側に位置していたが,主屋は近年の台風により倒壊し,現在は存在しない。作庭は,昭和4年(1929)に主屋が改築された際に,首里の庭師糸洲朝昌(いとすちょうしょう)が行った。
庭園は元々主屋からの眺めを主とする池庭で,主屋から見て左右に園池が伸びる。園池は複雑な形をしており,5つの岩島を配している。園池の左奥方向には滝石組が設けられ,また左右の端には石の反橋が架かる。左の反橋からは,滝石組の背後の築山の上部へ向かって石段が続く。
以上のように,旧仲宗根氏庭園は,宮古島に残る唯一の旧士族の庭園であり,沖縄県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
旧仲宗根氏庭園(園池)
旧仲宗根氏庭園(園池の岩島)
旧仲宗根氏庭園(滝石組)
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旧仲宗根氏庭園(園池)
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旧仲宗根氏庭園(園池の岩島)
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旧仲宗根氏庭園(滝石組)
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解説文
沖縄県宮古島の旧士族の邸宅に昭和初期に造られた庭園で,宮古島北西部の平良地区に位置する。仲宗根氏は多くの宮古島の頭職を輩出した家柄で,地元で「忠導氏(ちゅうどううじ)仲宗根家」と呼ばれる。 旧仲宗根氏庭園の敷地入口に建つ門には琉球石灰岩の巨石が用いられ,門から続く通路を右手方向へ進むと庭園へ通じる。庭園は主屋の東側に位置していたが,主屋は近年の台風により倒壊し,現在は存在しない。作庭は,昭和4年(1929)に主屋が改築された際に,首里の庭師糸洲朝昌(いとすちょうしょう)が行った。 庭園は元々主屋からの眺めを主とする池庭で,主屋から見て左右に園池が伸びる。園池は複雑な形をしており,5つの岩島を配している。園池の左奥方向には滝石組が設けられ,また左右の端には石の反橋が架かる。左の反橋からは,滝石組の背後の築山の上部へ向かって石段が続く。 以上のように,旧仲宗根氏庭園は,宮古島に残る唯一の旧士族の庭園であり,沖縄県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
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詳細解説
旧仲宗根氏庭園は、沖縄県宮古島の旧士族の邸宅に昭和初期に造られた庭園で、宮古島北西部の平良地区に位置する。地元で「忠導氏(ちゅうどううじ)仲宗根家」と呼ばれる仲宗根氏は、多くの宮古島の頭職を輩出した家柄で、15世紀末から16世紀初頭にかけて宮古島の首長であった仲宗根豊見親玄雅(とぅいみゃげんが)を祖とする。 旧仲宗根氏庭園の敷地入口に建つ門には琉球石灰岩の巨石が用いられ、門から続く通路の両側には約6mにわたってフクギが列植されている。フクギの先には沖縄特有の塀であるヒンプンがあり、右手方向へ進むと庭園へ通じる。ヒンプンを左側へまわると主屋の玄関に通じるようになっていたが、主屋は平成22年の台風により倒壊した。倒壊した主屋は、元々明治期に建てられ、その後改築されたものと考えられている。 現在は失われてしまった主屋の東側に広がる庭園は、昭和4年(1929)に主屋が改築された際に、首里の庭師糸洲朝昌(いとすちょうしょう)が造った。糸洲朝昌については多くのことはわかっていないが、千葉県の園芸学校(現在の千葉大学園芸学部)を卒業しており、沖縄県が発注した街路樹の植栽工事等も手がけたという。 庭園は主屋からの眺めを主とする池庭で、主屋から見て左右に園池が伸びる。園池は複雑な形をしており、5つの岩島を配している。この変化のある園池の意匠が本庭園の大きな特徴である。園池の左奥方向には滝石組が設けられ、また左右の端には石の反橋が架かる。左の反橋からは、滝石組の背後の築山の上部へ向かって石段が続く。滝石組・園池の護岸・岩島等には琉球石灰岩を用いており、沖縄県内の他の歴史的庭園との共通点が見られる。園池の水は現在涸れているが、底面等には防水処置が施されていることから、本来は水を貯めていたと考えられる。 植栽については、園池の出島部分にソテツを植え、また敷地の内周部分に防風林としてフクギを列植しているが、これらも沖縄の庭園でよく見られるものである。 以上のように、旧仲宗根氏庭園は、宮古島の旧士族の邸宅に昭和初期に造られた庭園で、材料や意匠面で沖縄本島及び石垣島等の庭園と類似する点も多い。宮古島に残る唯一の旧士族の庭園であり、沖縄県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。