国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録記念物
主情報
名称
:
松田屋ホテル庭園
ふりがな
:
まつだやほてるていえん
松田屋ホテル庭園(快活楼2階から庭園正面を望む)
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種別1
:
登録記念物(名勝地関係)
種別2
:
時代
:
大正初期
年代
:
西暦
:
面積
:
2510.11 m
2
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
登録年月日
:
2017.02.09(平成29.02.09)
追加年月日
:
登録基準
:
所在都道府県
:
山口県
所在地(市区町村)
:
山口県山口市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
松田屋ホテル庭園(快活楼2階から庭園正面を望む)
解説文:
詳細解説
山口市中央部の湯田温泉に位置する,温泉宿に造られた庭園である。松田屋ホテルは延宝3年(1675)に松田屋旅館として創業し,幕末には志士達が逗留したことでも知られる。
現在敷地には,庭園に面して北から萩の間棟(はぎのまとう),山縣有朋命名の快活楼(かいかつろう),伊藤博文命名の群巒閣(ぐんらんかく)の3棟の建物が並んで建つが,いずれも明治から大正時代にかけて造られたもので,これらの建物の配置は現在も変わっていない。古写真等から庭園もこの時期に整備されたと考えられ,当初の基本的な地割が現在までよく保存されている。
庭園は快活楼,群巒閣等の建物の東側に広がり,高さ約4mの三段の滝,緩やかに蛇行する流れ,池泉等が造られている。水辺の護岸は低めの石が組まれ,随所に雪見燈籠・山燈籠等の石燈籠を配置する。流れや池泉には石橋,木橋が架かるほか,沢飛石も打たれ,園内を歩いて回ることができる。
松田屋ホテル庭園は,大正期に整備された当時の状態を現在までよく伝え,山口県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
松田屋ホテル庭園(快活楼2階から庭園正面を望む)
松田屋ホテル庭園(庭園から快活楼を望む)
松田屋ホテル庭園(萩の間棟前から庭園、快活楼を望む)
写真一覧
松田屋ホテル庭園(快活楼2階から庭園正面を望む)
写真一覧
松田屋ホテル庭園(庭園から快活楼を望む)
写真一覧
松田屋ホテル庭園(萩の間棟前から庭園、快活楼を望む)
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解説文
山口市中央部の湯田温泉に位置する,温泉宿に造られた庭園である。松田屋ホテルは延宝3年(1675)に松田屋旅館として創業し,幕末には志士達が逗留したことでも知られる。 現在敷地には,庭園に面して北から萩の間棟(はぎのまとう),山縣有朋命名の快活楼(かいかつろう),伊藤博文命名の群巒閣(ぐんらんかく)の3棟の建物が並んで建つが,いずれも明治から大正時代にかけて造られたもので,これらの建物の配置は現在も変わっていない。古写真等から庭園もこの時期に整備されたと考えられ,当初の基本的な地割が現在までよく保存されている。 庭園は快活楼,群巒閣等の建物の東側に広がり,高さ約4mの三段の滝,緩やかに蛇行する流れ,池泉等が造られている。水辺の護岸は低めの石が組まれ,随所に雪見燈籠・山燈籠等の石燈籠を配置する。流れや池泉には石橋,木橋が架かるほか,沢飛石も打たれ,園内を歩いて回ることができる。 松田屋ホテル庭園は,大正期に整備された当時の状態を現在までよく伝え,山口県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
詳細解説▶
詳細解説
松田屋ホテル庭園は山口市中央部の湯田温泉に位置する。松田屋ホテルは延宝3年(1675)に松田屋旅館として創業し、幕末には志士達が逗留したことでも知られる。 現在敷地には庭園に面して、北から萩の間棟(はぎのまとう)、快活楼(かいかつろう)、群巒閣(ぐんらんかく)の3棟の建物が並んで建つが、これらはいずれも明治から大正にかけて建てられたものである。3棟のうち最も古いのが伊藤博文命名の群巒閣で、最初は明治半ばに敷地の中央に建てられたが、後に15mほど南に移された。群巒閣の北には、山縣有朋が快活楼と名付けた客室棟が新築され、さらにその北に萩の間棟も造られた。大正初期に整えられたこれらの建物の配置は現在も変わっておらず、古写真等から庭園もこの時期に整備されたと考えられる。 庭園は快活楼、群巒閣等の建物の東側に広がる。敷地の東隅は中心建物である快活楼から見て右手奥になるが、そこには高さ約4mの三段の滝が造られ、温泉水を落とす。滝壺に流れ落ちた水は西へ向かって緩やかに蛇行しながら流れ、途中でもう1つの滝からの水流と合流する。さらに西へ向かった流れは、半島状の砂利敷を大きく回り込みながら流路を南へと変え、快活楼の前の池泉へ注ぐ。池泉の一部は快活楼の下に入り込み、快活楼から東を見ると、目の前の池泉から奥へ、芝生の小広場、流れ、滝が続き、空間的な広がりと奥行きが感じられる。 流れや池泉には石橋、木橋が架かるほか、沢飛石も打たれ、庭園内を歩いて回ることができるようになっている。水辺の護岸は低めの石が組まれ、随所に雪見燈籠・山燈籠等の石燈籠を配置する。 植栽はアカマツを主体にオオモミジ、ヤマモモ等の高木が植えられ、また護岸石組に接して、ところどころに低く刈り込まれたサツキが配されている。 古写真と比較すると後に手が加えられているところもあるが、基本的な地割は当初の形態が良好に保存されており、所有者によって維持管理もよくなされている。 以上のように、松田屋ホテル庭園は、温泉宿に整備された近代の庭園であり、山口県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。