構成資産
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件名名称 本願寺
件名ふりがな ほんがんじ
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所在都道府県 京都府
所在地 京都市下京区堀川通花屋町下ル

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解説文:
 本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で大坂にあったものが焼失し、1591年に寺院組織が京都に移されたものである。  伽藍整備は移転後直ちに行われ、1596年の震災、1617年の火災からの復興もすぐに開始され、1633年頃にはほぼ現在の伽藍が整っていた。以後、1657年に黒書院建立、17世紀末に南能舞台建立、1760年に本堂再建と諸建物が随時建立されるとともに、1811年、1848年、1861年、1911年に主要堂宇の修復が行われている。  近代には、飛雲閣(1909)、北能舞台(1927)、黒書院及び伝廊(1953)、書院(1959)、本堂(1984)の解体、半解体修理をはじめとする修理事業が行われている。  現在、本願寺には桃山文化を代表する建造物や庭園が残り、書院、黒書院及び伝廊、唐門、北能舞台、飛雲閣が国宝に、大書院庭園が特別名勝に指定されているほか、日本における最大級規模の木造建築である本堂、大師堂等6棟の建造物が重要文化財に、滴翠園が名勝に指定されている。  書院は1618年に建てられた、豪壮な書院造の形態を踏襲した建物であり、公的な接客の場である対面所と私的な場である白書院とから構成されている。なお、対面所の一部は畳を取り除くと能舞台となる構造となっている。  書院の東側にある大書院庭園は虎渓の庭と呼ばれる枯山水である。滝、渓流、海を表した単純明快な構成であるが、色石やソテツを用いるなど派手で大胆な桃山時代の豪華さが表れている。  黒書院及び伝廊は1657年完成と伝えられる法主の住房と考えられている。黒書院は茶の湯のための部屋を含む数寄屋風書院の代表的な遺構である。中心となる一の間、二の間には、畳床、付書院、透彫のある違棚、欄間をはじめとする書院造の要素がしつらえてある。伝廊は黒書院と対面所をつなぐ複廊である。  唐門は17世紀前半に建てられたと伝えられている。入母屋造檜皮葺平入りの屋根を持つ四脚門を基本に、前後の軒を大きな唐破風とし、多くの彫刻や飾金具によって豪華に飾られている。  白書院の前に建つ北能舞台は1581年に造られた現存最古の能舞台である。規模、形式は型通りであるが、一般の能舞台が切妻造であるのと異なり、入母屋造の破風を正面に向けている。  飛雲閣は滴翠園の池に面して建つ三層の楼閣で、建物の外観は三層は起りのある宝形、二層は起りのある寄棟の三方に軒唐破風付、初層は反りのある入母屋を基本に北面西側に入母屋、東側の舟入りには唐破風造と変化に富んだ屋根や、さまざまな形態を配した窓など奇趣に富み、軽快で卓抜した構成を持つ桃山時代の気風を伝える貴重なものである。
関連情報
    (情報の有無)
  添付ファイル なし