国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
旧朝倉家住宅
ふりがな
:
あさくらけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
おもや
旧朝倉家住宅主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近代/住居
時代
:
大正
年代
:
大正8
西暦
:
1919
構造及び形式等
:
木造、建築面積573.76平方メートル、一部2階建、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02455
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2004.12.10(平成16.12.10)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
東京都
所在地
:
東京都渋谷区猿楽町29番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
国(文部科学省)
所有者種別
:
国
管理団体・管理責任者名
:
渋谷区
旧朝倉家住宅主屋
解説文:
詳細解説
朝倉家は,明治以降,精米業をはじめ,米穀販売や土地経営により発展した家で,住宅は,猿楽町の南西斜面を利用して大正8年に建設された。宅地中央に主屋が南面して建ち,西に土蔵,東方に庭門や附属屋がある。
主屋は,一部2階建の主体部を中心に,奥に座敷部や茶室,土蔵を連ね,家族室,台所,内玄関なども備えている。
旧朝倉家住宅は,接客のための御殿,内向きの座敷,茶室など,機能に応じ異なる意匠でまとめられた良質の建物と,これと一体となった庭園が保存され,東京中心部に残る関東大震災以前に遡る数少ない大正期の和風住宅として貴重である。また,都市化が急速に進んでいた周縁部に営まれた住宅として,近代における和風住宅の展開を知る上でも重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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旧朝倉家住宅主屋
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旧朝倉家住宅主屋
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解説文
朝倉家は,明治以降,精米業をはじめ,米穀販売や土地経営により発展した家で,住宅は,猿楽町の南西斜面を利用して大正8年に建設された。宅地中央に主屋が南面して建ち,西に土蔵,東方に庭門や附属屋がある。 主屋は,一部2階建の主体部を中心に,奥に座敷部や茶室,土蔵を連ね,家族室,台所,内玄関なども備えている。 旧朝倉家住宅は,接客のための御殿,内向きの座敷,茶室など,機能に応じ異なる意匠でまとめられた良質の建物と,これと一体となった庭園が保存され,東京中心部に残る関東大震災以前に遡る数少ない大正期の和風住宅として貴重である。また,都市化が急速に進んでいた周縁部に営まれた住宅として,近代における和風住宅の展開を知る上でも重要である。
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詳細解説
旧朝倉家住宅 二棟 主屋、土蔵、宅地 旧朝倉家住宅は、東京都渋谷区の南東部、猿楽町に所在し、宅地は、西渋谷丘陵が目黒川渓谷に向かって落ち込む急勾配の南西斜面の一画を占める。 朝倉家は甲州武田氏の家臣といい、その子孫が帰農して渋谷の地に住まい、江戸時代には地域の有力な地主となったと伝える。江戸末期から明治初期に近くを流れていた三田用水を利用した水車による精米業をはじめ、米穀販売や土地集積による地主経営へと事業を拡大していった。ちなみに、明治期には高低差を利用した水車業が栄え、朝倉家が営業した水車は、用水筋では最大の水車として知られていた。 建物は、東京府会議員をつとめていた朝倉虎治郎により大正八年に建設され、昭和二二年まで本邸として使用された。大工棟梁は朝倉家出入りの秋元政太郎であった。なお、大正八年三月一六日の年紀のある棟札が、箱に納められ主屋二階建部分の棟木に打ち付けてあったが、これを附指定とする。 主屋は、宅地中央北寄りに南面して建ち、西後方に土蔵を配し、東面に開く門のすぐ南脇に附属屋があり、主屋東前庭と南の庭園とを庭門で仕切る。 主屋は、木造、二階及び平屋建、建築面積五七三・七六平方メートルの規模をもつ。東西棟、二階建の東前方に南北棟の平屋を接続した主体部を中心に、その南西奥に杉の間と呼ばれる座敷部を配し、北に茶室、土蔵を連ね、北西に家族室を配し、北面には台所と内玄関を突出する。屋根は桟瓦葺で強い起りをもつ。 主屋主体部は、東面中央の玄関を入ると、左手に四周に縁を廻した一二畳半の応接室を配し、右手は洋間とする。二階建部分一階は南北二列に居室を取り、二階は一五畳の主室、一二畳半の次の間を並べ、前後に入側縁を取り、この東は階段室を介して茶室、水屋がある。座敷には座敷飾りを備え、最も格式の高い二階二室は高く格天井を張り、内法長押の他に飛長押、天井長押を廻らす。柱、長押等化粧材は檜の良材を用い、小屋組は和小屋で、梁組は水平斜材を打って補強する。 奥に続く座敷は、化粧材に杉を用いた軽快な造りとする。床、棚も自由な配置で、奥二室の天井は長尺、幅広の杉板を底目張りとする。茶室は中央に囲炉裏を切り、この北の小間には大きく円窓を開ける。 主要室の床、棚、書院は銘木を用い技巧的な造作とし、各室の戸襖、袋棚小襖、杉戸には、多彩な技法による障屏画が描かれる。 土蔵は、東面に庇を付して蔵前とし、茶室北の小間と接続する。二階建で、軸部を木造、外壁を鉄筋コンクリート造とし、モルタル洗出し仕上げとする。戸口及び窓に観音開きの鉄扉を吊り込み、二階東面に戸棚を造り付ける。 宅地は、面積五四一九・八一平方メートルで、主屋の南及び南西に、庭石や大型の石灯籠を多数配し、地形を利用して回遊式庭園を築く。 旧朝倉家住宅は、接客のための御殿、内向きの座敷、茶室など、機能に応じ異なる意匠でまとめた良質の建物と、これと一体となった庭園が良好に保存されている。東京中心部に残る関東大震災以前に遡る数少ない大正期の和風住宅として価値が高いとともに、東京が近代都市へ本格的に脱皮する過程で、市街地化が急速に進む周縁部において営まれた邸宅であり、近代における和風住宅の展開を知る上でも重要である。 【参考文献】 『旧朝倉邸(渋谷会議所)調査報告書』(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻鈴木研究室 二〇〇三年) 『猿楽雑記』(朝倉徳道編 二〇〇四年)
関連情報
附指定
棟札(大正8年3月16日)
庭門(棟門、杉皮葺)
附属屋(木造、建築面積42.96㎡、鉄板葺)
関連情報
附指定
附名称
:
棟札(大正8年3月16日)
附員数
:
1枚
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附指定
附名称
:
庭門(棟門、杉皮葺)
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
附属屋(木造、建築面積42.96㎡、鉄板葺)
附員数
:
1棟